- 予約購入について
-
- 「予約購入する」をクリックすると予約が完了します。
- ご予約いただいた商品は発売日にダウンロード可能となります。
- ご購入金額は、発売日にお客様のクレジットカードにご請求されます。
- 商品の発売日は変更となる可能性がございますので、予めご了承ください。
4 件中 1 件~ 4 件を表示 |
紙の本
クトゥルフ神話のマンガ化第5弾はダゴンだ!
2012/01/26 14:46
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:カルバドス - この投稿者のレビュー一覧を見る
「ああ、窓に、窓に」
クトゥルフ神話ファンにはお馴染みのこの台詞。怪異な体験をした主人公が幻覚だと思いこもうとするも、それは現実に……という流れの中で登場する。
本書は数あるクトゥルフ神話の中から初期の作品を集めマンガ化したもので、「無名都市」、「ダゴン」、「魔宴」、「神殿」の4作品が収録されている。冒頭の台詞は、魚の頭をもつ奇怪な海神・ダゴンを扱った「ダゴン」の中の一節だ。
クトゥルフ神話のファン誰もが一度は思うのが、「映像化したものを見てみたい!」ということ。しかし、それと同時に、「……いや、あの世界、造形を絵にするのは無理」と考え直す。幾つもの作品に登場することでお馴染みとなり、“それっぽい形”がイメージされているものもあるが、基本的にはっきりとした形になっていないのがクトゥルフ神話に登場する神々やクリーチャーだからだ。
そうした壁を乗り越えてマンガ化しているのが、PHPから出ているこのシリーズ。既刊『クトゥルフの呼び声』や『ダンウィッチの怪』などは、怪物の詳細な造形よりも世界観や雰囲気を重視することで成功している。本書もしかり。
収録されている四つの作品に共通しているのは、「掻き立てられる不安」だろうか。他のクトゥルフ神話にもよく見られるが、主人公は必ずと言ってよいほど疑心暗鬼に陥る。他人をまるで信じられなくなり、自らがいる場所を信じられなくなり、やがては自分自身も……クトゥルフ神話が狂気の物語とたとえられることが多いのは、この辺りに理由があるのかも知れない。
前述したように、各作品は原作そのままの雰囲気でマンガ化されている。クトゥルフ初心者はもちろん、ディープなファンも楽しめるはずだ。
初期のコズミックホラーを存分にご堪能あれ。
4 件中 1 件~ 4 件を表示 |