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紙の本
いい味でてます。
2003/10/30 14:33
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ぼこにゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
近頃巷間を賑わすニセ宮様事件というのがあって、詳細は知らないものの、要は皇族を詐称する男女がニセ結婚式を挙げご祝儀を騙し取った、というようなことであるらしい。ひどく面白いというほどのニュースでもないのだが、この話の中で私の気に入っている部分は例の、タレントの石田純一がこの結婚式に招かれてスピーチをしたというエピソードである。新聞には事務所の発表による、
「(ニセ宮様と石田氏の間に)面識はないが、招待されて断り切れなかったのだと思う。なお謝礼は貰ってない」
という味わい深いコメントが掲載されていた。
石田純一に目をつけるなんぞ、実に素人ばなれしたセンスだと感嘆するばかりである。いいでしょう、絶妙でしょう、『石田純一』。恐ろしいほど頃合のいい人選ではないか。憎いぜニセ宮様。
試しに(なんの試しか)ここに他の人物名を代入してみると(例・林家こぶ平、和泉節子、内田裕也、神田川俊郎など)、石田純一の光り具合がよく分かる。
悔しいので(何が悔しいのか)更にあれこれ考えるうちに、かろうじてタイに持ち込めそうな案件がひとつ浮かびはしたのだが、一体誰かと尋ねれば、それは川島なお美である。いいでしょう、絶妙でしょう、川島なお美。
なんでそんな話をするかというと、『だめっこどうぶつ』なんでまあ、『私の好きなだめな話』をしてみたのだが、もちろん本書の内容と関連はない。
桑田乃梨子の四コママンガってどんなのだろう、と思っていたら、割と普通の感じ。というのも桑田マンガの真髄は、軸となる筋書き(主人公の恋愛とか)よりは、その周囲に水際立った俗っぽさで(ほめてるのだが)描き込まれる枝葉末節のところにこそ宿っているからだ。細やかな内省、小気味のいい批判、登場人物の持ち物とか服の着こなし、微妙な情況を的確な言い回しで貫くセリフの数々、といったところに。
加えて鮮やかでいて繊細な人物造形。キャラはすべて動物(の着ぐるみ)で、気の弱いオオカミとか乱暴者のウサギとか鈍くさいチーターとか、そういった『変わり者』的なものどもなのだが、『だめ』というのもそれなりに大切な個性なのだよ、というみつをチックな人生訓とは幸いにも無縁の、ほのぼのとヌルいお話である。一応『だめ』というくくりはあるが、大体のところ、いつも出て来るようなキャラがいつも通りの力関係を展開しているという様子。例えばオオカミとウサギは犬神・歪谷の黄金コンビを髣髴させる。
マンネリと言えばマンネリだけれど、それでも飽きさせないのは、作者が本当にこういうのが好きで好きで楽しみながら描いているためではなかろうか。桑田乃梨子は小鳥が歌うようにナチュラルにマンガを描いているように見えるし、そう見えるというのはやはり重大な才能なのだ。
正直言って四コママンガとしては煮え切らないところもあるのだが(必ずしも四コマ目でオチているわけではなかったり)、ファンにはおなじみ、乱暴に言えばストーリィは二の次三の次という、桑田的メリー・ゴー・ラウンドである。余談だがかなりのファンを共有していると考えられる遠藤淑子が最近煮詰まり気味なのは、話の筋を重視しすぎるせいかも知れない。
紙の本
味わいはある
2020/02/26 11:01
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投稿者:るう - この投稿者のレビュー一覧を見る
ダメ動物が集まってのコメディ作品。
正直言って出落ち感が漂う。
小さなネタは面白いけど、展開が微妙だった。
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