るうさんのレビュー一覧
投稿者:るう
2020/07/29 17:58
おまえさえいなければ
9人中、9人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
もはや最初の頃の面影どころかまともな人型すら失ってしまったフォス。
これがエクメアの言う人間なのか。人間を越えるものなのか。
「金剛はまだ僕を愛している」こんな事を言いながらまた金剛を攻撃しようとするフォス。
これは醜悪な甘えなのではないか。
仲間達と楽しげな今のシンシャにとってフォスはどんな存在なのか。
憎しみの目でフォスを見るルチルはあのノリの良かった彼とはもう別人。
ルチルとパパラチアの再会、ダイヤとボルツの対戦…ボルツの悲しげな笑みが意外だった。
月に馴染んだアレキとゴーシェ。今が好きだ、クリソベリルを忘れると言ったアレキ、それでいいの?
イエローダイヤモンドはどうなった?
金剛の誕生日を祝う宝石たちの場面
あの清らかな光景こそ金剛が望んだ宝石との楽園そのものだろう。
そこには眠るパパラチアはいてももうフォスの居場所はないのが寂しい。
フォスと幻影のアンタークチサイトの口から出た
「おまえさえいなければ」の言葉はあまりにも惨い呪いの言葉だ。
この呪いの行きつく先には絶望しかないかもしれない。
それでも彼らがたどり着く場所を怯えながら見届けたい。
紙の本白銀の墟玄の月 4
2019/11/15 13:04
この無惨 この喪失
10人中、9人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
サブタイトルをつけるなら「王の帰還」だろうか?
長く続く戴の混乱を収めるためには無傷では済まないとは覚悟していたが。
凄まじいほどの流血、夥しい命が失われていく様は絶句する以外になかった。
あの女丈夫が、あの優しい人が、あの忠良な人が、あの健気な子が、罪のない民が。
そして阿選を慕う気持ちを踏みにじられた帰泉、絶望的な状況の中で胸を熱くする志を見せた恵練の変貌。
かっての部下たちを遠ざけていた阿選が親心に近い彼らへの遠慮をかなぐり捨てた今、更に悲惨な状況になるのは想像に難くない。
不利な立場に追い込まれそれでいて阿選は不幸ではないのだろう。
今までの無為な日々ではない、何より求める驍宗との戦いが待っているのだから。
そこが更に救われない気持ちにさせる。
謎はまだある。
それらが明かされる日を待つ。
2021/05/22 19:43
深まる
9人中、8人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
シロさんのケンジへの気遣い、大先生に大切な人とささやかに生きていければいいと語るシロさんの言葉。
1巻の時点で想像もしなかった流れ。
不安定でおおっぴらにできるものではないけど、あらためて二人は連れ合いなんだと噛み締めました。
大先生が妄想するシロさんのお相手が幸薄そうな美女なのが笑えます(笑)
フォーム店長の帰国、大ちゃんとワタル君家での食事会、志乃さん中年ワールドデビュー、佳代子さん宅訪問などエピソードも多彩。
今回はシロさんがケンジを思いながらふと浮かべる表情がとても印象的でした。
2019/12/25 09:47
え、もう12年も?
8人中、8人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
ケンジと佳代子さん夫婦ご対面!
「ついにケンジに会える!」と喜ぶ夫婦に笑わせて貰いました(笑)
シロさんと佳代子さんが出会ってからもう12年経っていた事にびっくり。
そしてシロさんとケンジの家族の会食は美味しいものの魔力か、終始穏やかなものでひと安心。
会食ではケンジのお母さんの真摯な眼が印象に残りました。あの眼差しは心底息子の事を気遣かっている母親の目でした。
老人ホーム入居準備が本格化したシロさんの両親、それを仕切らずにいられないシロさんに弁護士魂を見ました。
ようやく事務所のボスの座に着いたシロさん、店長として頑張るケンジといい、みんながみんな自分の人生を生きていると感じた16巻でした。
2021/11/12 19:19
変化
6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
若先生が刑事弁護教官に。そのためシロさんの負担増。
お弁当作りは主にケンジが担当。意外にもオーソドックスなのり弁を作るあたり、ケンジの中にシロさんのトリセツがインプットされたのね(笑)
ケンジの元カレエピソード
シロさんは自分がゲイらしくない、ゲイの好みからズレていることにあそこまでコンプレックスがあるとは。
シロさんのことだからゲイのど真ん中でもコンプレックスを持ったんでしょうが。
わだかまりは二人でご飯を作って霧散。美味しいもののありがみがわかる。
ケンジの誕生日
シロさんがスパダリ化!なかなか様になっていたけど、誕生日の晩餐後に電池切れ起こしていて笑ってしまった。
1巻ではケンジに対して素っ気ない所が目立ったシロさんも時間を重ねて見せるようになったケンジへの細やかな気遣いが読んでいて染みる。
熱烈ではないけど、時間をかけて得た確かな愛情なんだと思う。
小日向さんとワタルが式を?
さあ、どうなる!
2019/04/19 11:19
理想の生活(笑)
6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
頼りない飼い主とハイスペック主夫力のデカ猫・諭吉とのほのぼのライフ。
もふもふのハウスキーパーがいるって、これかなり理想的な生活ですよ(笑)
水が苦手な諭吉のお掃除スーツ姿がめちゃくちゃかわいい!
2018/07/20 22:17
感謝するしかない外伝
6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
18年経ってあの最終回後の物語が読めるとは!
太公望とスープーの名コンビがタイムトラベルして奇妙な冒険をする物語は今も色褪せない封神演義そのものでした。
現在連載中の銀英伝とはしっかり絵柄を変えて当時のタッチで描くのだからフジリューの才能に感嘆するしかありません。
当初、あの封神演義とファンへの侮辱レベルの再アニメのページなどがあったらどうしようと心配していましたが、ほとんど無くほっとしました。
今はひたすらこの作品を読めた奇跡に感謝したいと思います。
あとは集英社さんがあんないいかげんな人たちにアニメ化権を与えた事をきちんと反省してくれればいいですね。
紙の本薬屋のひとりごと 7
2018/03/03 13:00
待望の最新刊です
7人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
一年以上待たされてやっと出た最新刊です。
猫猫の女官試験絡みで外堀を確実に埋める高順、鞭を片手に張り切るやり手婆、猫猫をストーキングする軍師、再登場は女装の克用など皆さん濃ゆい(笑)そんな中で歪められた巫女の人生は物悲しいものがありました。
今回一番笑ったのが壬氏の「採用!」挿し絵から常の麗しさがかき消えているのが更に笑えました。
2017/01/10 12:09
パリヤさんってば可愛いぞ
6人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
世間体を気にして 結婚できればそれでいいくらいの考えだったパリヤさんが ウマルさんに対して「この人がいい」と思ったのは大きい。ウマルさんもそんなパリヤさんを憎からず思ってるあたりにキュンキュンくる。
紙の本大奥 第19巻 (YOUNG ANIMAL COMICS)
2021/03/06 16:19
涙
5人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
気持ち的には星1億個あげたい作品でした。
常に政争に勝利する自分しかイメージしていなかったであろう慶喜に対して戦略家・西郷の冷徹さが印象的。
その西郷にしても日本が遅れた国になったのは徳川の200年あまりをが女が治めたせいだと決めつけているあたりが彼の限界。
誰にでも限界はあるという悲しい例かも。
赤面疱瘡を世界中に拡散しなかった点は高く評価すべきだと思うのだけど。
女が治めた歴史の抹消と引き換えに江戸を守った和宮。家茂も喜ぶだろうけど、その身代わりに東北・北海道が蹂躙されたと思うと切なくなる。
大奥の終焉に様々な人が流した涙。
西郷相手に一歩も引かない和宮の姿に瀧山が流した涙。
城を去る徳川を惜しんでご用商人が流す涙。
大奥の皆への天璋院のねぎらいの言葉に零れた涙。
亡き家定の最後を知って泣いた天璋院の涙。
なかでも宴で土御門が零した涙が心に残る。
日陰の身で終わるはずの和宮が大奥の最後の主として誇り高く振る舞う姿に万感の思いがあったはず。
素晴らしいこの物語に瑕疵があるとすればラストページ。
もう少し引いて胤篤と津田梅子を同じコマに収めて欲しかった。
物語を読む喜びを与えてくれたこの作品に心からの感謝と敬意を込めて
「ありがとう」の言葉を捧げたい。
2020/08/26 15:05
節目
5人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
シロさん両親 ついに老人ホームへ。可愛がっていたお隣りの男の子がもう高校生になっていて、シロさんの両親への精一杯の感謝を伝えていたのが印象的でした。
シロさんの知らないところで両親が積み重ねてきた時間が垣間見える良い場面。
他にも「ケンジ危機一髪」の回。常連客に迫られて怯えるケンジに神タイミングの助け舟。何事もなくてホントに良かった!
弁護士シロさんが鮮やかに事件を解決。 こうやって依頼人の人生を助けているシロさんの有能ぶり、本当に素敵でした。
美女の事でケンジに責められていた人と同じ人間とは思えない(笑)
タブチくんエピソード
内心みんな「困れ~困れ~」と思っているのがおかしい。
自分が好きな以上に相手が自分を好きじゃないとイヤなんてタブチくんはものすごいワガママ。
もっと困ってもいいかも(笑)
紙の本白銀の墟玄の月 1
2019/10/13 18:59
戴 激震
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
もうまともに終わらないのではと本当に心配していた作品が再始動。
地獄すれすれに置かれた戴。麒麟の帰還は救いを齎すのか。
あの人の行方を追う李斎、大きな勝負にでた泰麒。その行動は吉とでるか凶とでるか。
かって泰麒の傍にいた人間が平然と泰麒を売るあたりに嫌な意味で時の流れを感じてしまった。
足掻く彼らの行き着く先に希望があることを今はただ願う。
2019/03/23 00:35
どうなるの?
5人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
佳代子さんの家族に馴染みまくるシロさん、店長業務に四苦八苦のケンジなど彼らの日常が垣間見える新刊。
タブチくんへのストーカー騒動等意外な話も。いつの間にかお菓子作りが上手くなってたタブチくんの彼女・千波さんも被害に。
一番印象に残ったのは彼らの親を巡るエピソード。
老人ホームに行く事を決めた両親を快く後押しするシロさんはもう昔の親に対してあれだけ拗らせていた彼とは違うんですね。
そして入院したケンジのお母さんがシロさんと会いたいと言いだして...どうなるのかな?
紙の本月の子 第1巻
2018/06/02 15:33
この美しさは
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
本当にただ事ではない美しさ。作者の才能に酔ってしまいそうなレベル。ストーリーも美しくて文句無し。清水作品の最高傑作だと思います。
2018/05/21 20:20
やり過ぎないし無理をしない
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
よくある料理漫画は一食あたりいくらかけるつもりかとツッコミたくなるような高い食材を使ったり、やたらと時間がかかるレシピだったり作る側の事を考えていない場合がありますが、この作品で取り上げるのはあくまで等身大の料理。その辺が大変ありがたいです。