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今回は、ゾンビ・ドラキュラに通じる謎でした。
2016/11/23 00:59
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投稿者:ナミ - この投稿者のレビュー一覧を見る
今回は、ゾンビ・ドラキュラに通じる謎でした。歴史的事実と科学知識の謎とを巧みに融合した期待を裏切らない活劇がますます冴えてきます。シグマフォース側の主役たちが窮地に陥るのは毎回のことではあるが、今回はシグマ隊長グレイ・ピアースの両親までもがギルドの人質にされるという絶体絶命の窮地である。一方、ギルドのスパイが世界各国の主要組織に潜入しており、過去にはシグマとその上位組織であるDARPAの幹部にまで潜入していたことがあるが、今回もバチカン教会内部に潜入しており、加えて今回の事件の切っ掛けがギルドの冷酷な女性工作員であり過去に何度もグレイに痛手を負わせているセイチャンがギルドの同僚工作員に追われて助けを求めて来たところから始まるので、話は実に複雑な様相を呈してくる。さて、今回の楽しみは、『東方見聞録』を残したマルコ・ポーロの探検から派生して、シアノウイルス・ユダの菌株といった異常に高い致死率の伝染病の謎・治療法・発生源を調べて、マルコ・ポーロの航路を辿っていく謎解きは「天使の文字」と合わせて推理小説好きにはたまらない。今回は、科学的謎の組み合わせよりも、歴史的・考古学的な謎の組み合わせの方が多かったように感じた。事件は解決したが、多くの犠牲者や事後処理の問題が残っている。まず、人食いイカに海底へと引きずり込まれたシグマ隊員モンク・コッカリス(以前の事件で左手首から先を失い現代科学の粋を集めた未来型義手を着けている:キャットの夫)の遺品となった義手が埋葬直前にSOS信号を発していることにグレイが気付くことで生存を期待させる一方、伝染病に感染しながらも抗体を作ることで伝染病のワクチンを提供して人類の危機を防いだ海洋生物学者スーザンはこの奇病の原因であるウイルスの意志?に従ってウイルスの故郷で永い眠りにつくことになる。一方、今回の事件の発端となり、謎めいた行動を続けるセイチャンは、シグマの意図の下で事実上逃亡を容認されるが、逃亡する際にグレイに自分はギルドのトップを暴くためのスパイであると告げる。むーー、これも結末が気になる。しかし、続くシリーズ5『キルトの封印』ではどうもセイチャンの登場は無いようである。
なお、本書では、巻末に「著者あとがき 事実かフィクションか」と題した短文があり、小説中のことがらの「検死解剖」=「事実の部分とフィクションの部分の区別」を行っているが、本作では主な題材ごとに項目立てして解説しているのが初めてのこととして注目される。著者が、「小説の持つ信憑性は、話の中で提示された事実を反映するものである。・・・・・・たとえフィクションであっても、事実を見据えた上で書かれる必要がある。本書に登場する美術品、遺跡、・・・・などは、すべて実在する。・・・・・・・歴史的出来事も、すべて事実である。本書の中心となる科学技術も、すべて最新の研究と発見に基づいている。」(『マギの聖骨 [上]:The Sigma Force Series 1』(竹書房文庫、2012年7月5日、竹書房)より)
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「マルコポーロには、死ぬまで語らなかった大いなる秘密があった」と帯にあり、秘密って?と思いながら読み始めたら、いきなりセイチャンが絡んでくる。地球儀を傍らに置いて読むと位置関係が良く分かるかもしれない。
早く下巻を読まなくっちゃ
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Σforceシリーズの第3弾、今回はアジアも舞台に加わった。相変わらず、科学と歴史を織り交ぜた展開が面白い。早速下巻へ。
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ジェームズ・ロリンズによるシグマフォースシリーズ第3弾。
マルコ・ポーロの冒険が現代の疫病に大きく関わるという、発想自体がとんでもないスケールで驚く。全2作以上に冒頭からスピーディに物語が展開し、例によってギルドと裏をかいたりかかれたりしながらも謎の行方を追ってグレイほか登場人物が活躍する。
前作「ナチの亡霊」はペインターの物語かと思うほどグレイの印象が薄かったが、本作はセイチャンとともに主人公らしい活躍を見せる。一方、インドネシア沖では例によってモンクがリサとともにギルドに包囲され、片腕をなくしたときと同じようなピンチに陥る。
病気がキーワードになっていたり、モンクがとらわれの身になったりと全2作と同様な展開もあるが、「マギ」の時のような遺物を元に謎を追いかけていく展開はダン・ブラウンのラングドンシリーズやインディ・ジョーンズなどに共通して知的好奇心をくすぐられ、先が気になる。それにしても、なぜ「ユダ」なのか。
例によって、どこまで事実でどこからがフィクションなのか上巻を読んだ時点では全く不明だが、これまでもフィクションかと思ったら現実に存在するものだったりと、その科学技術や歴史的遺物に精通していることでは定評のある作者だけに、これがもし現実だったらと空恐ろしくなってしまう。
物語は佳境に入ったところで下巻へと受け渡されるので、かじりつくように下巻を手に取ってしまった。
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『マギの聖骨』『ナチの亡霊』につづく三作目。
前の作品を知らないと、敵対する組織との関係や、グレイの前に再び現れたセイチャンとのバランスが理解できず、楽しめないかモ。
両親との関係や、目の前に現れ”信じて”と言う美女のセイチャンに揺れるグレイは人間らしい弱さがある
ただ、アクションヒーローとして、その弱さを受け入れられるか、個人的好みが別れそう。
http://books117117.blog110.fc2.com/blog-entry-3134.html
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何となくこのシリーズは手に取ってしまう。今回は「東方見聞録」のマルコ・ポーロ。ここに記されていない空白の歴史の謎と、現代に発生した奇病を絡めて、歴史と科学の面白さを感じることができる。ちょっとご都合主義的な展開だが、まあ下巻が読みたい。
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2014年5月31日読了。
このシリーズ、人気があるのでついつい手を出してしまいますが、毎回思うのが、惜しい!ってところ。
なんか物語が浅い…なんだろう。大風呂敷広げすぎ?登場人物の描写が浅い?
でも、エンターティメントとしては十分面白い。
でも、なんかゾンビ話っぽいです。今回。
ゾンビ流行ってるなぁ。いや、ゾンビじゃないかもしれないけど。
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科学、歴史をモチーフにした小説家のジェームズロリンズの著書。
今回のテーマは疫病。
インドネシアの孤島で全身が膿み、血まみれで死ぬという奇病が発生したため、アメリカ軍の科学知識のある特殊部隊 シグマフォースが派遣される。
一方、その頃アメリカにてマルコ・ポーロに関する秘密を巡って攻防が繰り広げられる。
テーマとしては面白い!
特に病気を引き起こすのが、ウィルスではなくて、人と共存しているはずのバクテリアが突然変異し、猛毒を発生させるようなところなど。
ただ内輪感と心理描写が多すぎたので星は三つ
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シリーズ3作目にもなると、登場人物にも愛着が湧いてくる。考古物から発したパンデミックをめぐる知識の獲得争いに惹きこまれる。グレイの両親まで巻き込まれたり、セイチャンが仲間になったりと、シリーズ中の伏線を使い切る作者の覚悟も伺えます。
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読書録「ユダの覚醒(上)」3
著者 ジェームズ・ロリンズ
訳 桑田健
出版 竹書房文庫
p137より引用
“ テキサス生まれの母は、父と同じ油田労
働者の家庭で育った。銃規制法案には賛成だ
と常日頃から主張しているものの、いざとい
う時には銃の仕様をためらわない。”
目次から抜粋引用
“黒い聖母マリア
待ち伏せ
遺失物
疫病
第一号患者”
機密部隊・シグマフォースの活躍を描いた、
長編アクション小説。シリーズ第三弾上巻。
東方への長い旅の帰り、マルコ・ポーロと
その父・叔父一行は、東南アジアのスマトラ
島に立ち寄っていた。彼らの目の前では、旅
を共にした仲間たちが炎に包まれている…。
上記の引用は、主人公・グレイの父母につ
いての一節。
普段から身近にあれば、私たちの身の回りの
道具とそれほど変わらない感覚で、銃も使え
るようになるのかもしれませんね。毎年のよ
うに銃乱射事件が起こっているのに、規制が
進まないのは、人は銃を向けてくるのが当然
だと思っている人ばかりだからでしょうか?
歴史と科学を上手く混ぜたミステリーが、
先を読む楽しみを加速させます。けれど、上
巻だけで400ページ超というのは、少々長く
感じる人もいるのではないでしょうか。その
分丁寧にかかれているので、場面場面を思い
浮かべやすくはあります。
ーーーーー
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"今回の科学的なテーマは菌にまつわる話。そして歴史のテーマはマルコ・ポーロさんの「東方見聞録」に秘められた謎。
人間の体は、多くの菌と同居している。ヨーグルトを食べると身体に良いといわれているのはビフィズス菌が腸の働きを良い方向に整えるから。
そのほかにも数千の単位で聞いたことのないような菌と同居している。そのほとんどが無害のままで共存している。
それらが、急に反旗を翻したらどうなる?科学的にあり得る話なのだろうか?
好奇心を刺激されさらに先を読みたくなる。"
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ウィルスとマルコポーロで最後はアンコールワット
テンポが速い
相変わらずのページターナーぶり
主人公の両親が巻き込まれるのが
緊迫度を高める
絶妙な場面でのカットバックとか
このまま映画に出来そう。
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シリーズ第3弾。北米、ヨーロッパ、アジアの各地域でトラブルに巻きこまれるシグマフォースの面々。それぞれの事件が1つにつながっていくといった感じ。
超電導、量子エネルギーときて今回はアジアで発生した謎のウイルス。マルコ・ポーロの「東方見聞録」が解明の鍵らしい。
歴史的な事件や人物、建築物なんかに関わるうんちくやミステリーは好きなんだけど、上巻を読む限りそういったテイストは薄い。基本的にずっとドンパチやっていて、ときどきマルコ・ポーロの話題に戻る。
登場人物たちはキャラが固まってきて愛着あるし、展開もスピーディでスリリング。事件の真相も気になる。ただ、続けて読むとやっぱり飽きる。1年に1冊ぐらい新刊が出て、待ってましたと楽しむのがいいんだろうな。