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紙の本
97年の夏の忘れ物
2000/08/11 12:12
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:海法紀光 - この投稿者のレビュー一覧を見る
あの、暑い97年の夏の忘れ物だ。
当時、雨後の筍のように市場を席巻した、エヴァの「謎本」ブームだが、終わってみれば、読むに値するものは数少なく、独りよがりの解釈を孫引きの資料で糊塗したものばかりであった。その頃、欲しかったのが、こんな本だった。
本書は神秘学について博識な作者が(なにせ、使徒の名の元ネタ、マルコム・ゴドウィンの『天使の世界』の訳者だ)、三年の月日を費やした労作である。本のスタイル自体は、TV版26話、劇場版2話を、1話ずつ検証し、様々な象徴を通してプロットを解釈していくというオーソドックスなもの。ただ、天下りに用語や概念を押しつけるのでなく、セフィーロートや天使の名にせよ、元々の語源や歴史的、文化的な位置づけ、変遷を追いながら作品世界の中に位置づけているため、注釈本としても蘊蓄本としても珠玉の出来である。
あの頃、何度もビデオを巻き戻して、加持リョウジの死因や、三人目という言葉の意味に激論を戦わせた人あなたや、あるいは今からエヴァを見てみようというあなたには、お勧めである。
(海法紀光/翻訳家・ライター http://www.amecomi.com/)
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