紙の本
古典と呼ばれるには、それだけの面白さがあることを知らされました
2015/05/30 11:01
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投稿者:みなとかずあき - この投稿者のレビュー一覧を見る
新訳『海底二万里』の下巻。第二部となっています。
上巻に続き、海洋・海中航行が続きます。インド洋から紅海へ至り、地中海から
太平洋へ。さらに南極海からメキシコ湾流へと、およそ世界の海を航海し続けたことになります。
やはり上巻に続き、その情報量たるや圧倒されっぱなしですが、門外漢にはチンプンカンプンのところもあります。それを補うための注釈なのでしょうが、これもあまりに膨大で、一々ページをめくっていたらストーリーが追えなくなってしまうのかというくらいです。「訳者あとがき」を読んで初めてこの「註」の位置づけがわかりましたし、多少チンプンカンプンでもともかくストーリーを追うという楽しみ方でも良かったのだと思いましたが。
下巻で特に面白いのは、紅海から地中海に抜けていくアラビアン・トンネルのくだりや、アトランティス大陸のくだり、南極海をゆき南極点に到達するあたり、大ダコが現れるところなど、上巻より冒険譚的要素が詰まっていたように思います。
そして結末へと向かうわけですが、結局ネモ船長なる人物がどんな人物で、どのような所以でノーチラス号をして海洋・海中を巡っていたのかわかったようなわからないような終わり方をします。謎は謎のままという楽しみ方ということでしょうか。
しかし、そのような点を含めても、面白く読めました。子どもの頃の印象とやや異なるところもありますが、子ども心に面白く思ったということに違いはなかったようです。
新しい小説を読むのもまた楽しみですが、こうして古典と呼ばれるような作品を時には取り出してみるのもまた楽しみであるということを、改めて教えてもらった気分です。
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なんとか読めた
2017/06/18 18:44
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投稿者:たぬき科マンボウ - この投稿者のレビュー一覧を見る
今にもっと面白くなるのでは、という期待でだらだら長い魚類の描写も我慢して読み終えて、まあ、こんなもんかという感じです。結局大したことは起こらないんですね。書かれた時代が時代だから、海底の描写が詳細だというだけで、当時はとてもアドベンチャーだったのかもしれません。挿絵は版画風なので、趣があってい古典らしいです。なくても良かったけど。
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まあ・・・
2014/02/05 17:35
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投稿者:黄緑 - この投稿者のレビュー一覧を見る
上巻、下巻ともに感じたのは、やはり注釈が多い!!
こんなに注釈があると、スラスラ読みたい人にとってはちょっと大変かもです。
同じヴェルヌの15少年漂流記はとても面白く、一日で読み終えてしまいましたが(ページ数が少ないのもあるが・・・)これは1週間はかかります・・・・
しかし、内容と展開、描写としてはその状況が伝わってきます。また当時の時代背景をうかがえるところなどがあり面白かったです。
海の中で過ごすというのはやっぱりロマンがありますね。
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子どもの時にダイジェスト版を読んだきりになっていたが、改めてオリジナルを読むと「こんな話だったっけ」と思うことしきりだった。なんか、もっといろいろなハラハラドキドキものの冒険だったような気がするのだが、それほどでもなかったり…。(^^;
21世紀の現在の視点からみれば、小説的にもけっこうアラがあったり、基本的なミスがあったりするのはご愛敬だが、何よりジュール・ヴェルヌはSF冒険小説の設定で博物学(特に海洋生物学)の知識を啓蒙したかったのではないだろうか。それぐらいいろいろなものが出てくる。
あと、時代設定は1866~68年、ちょうど戊辰戦争の頃というのが意外でした。
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第二部はなかなか波瀾万丈である。インド洋で真珠をとったり、スエズ運河完成前なのに、アラビアン・トンネルをつかって紅海から地中海へぬけ、48時間で地中海を走破して、ジブラルタルをぬけ、アトランティスを見て、サルガッソーを抜け、南極に達し、氷山の転覆に巻き込まれて、氷の内部に閉じ込められ、大ダコにおそわれ、フランスの「復讐者号」の沈船をみつけ、ネモの仇敵と戦い、ノルウェイ沖で大渦巻きに巻き込まれる前に、アナロクスらは脱出するという流れである。結局、ネモ船長は誰なのか。これは分からないままである。ナゾの作品である。なぜ地上をにくみ、鯨の乱獲を嫌い、海水から電気をとりだして動くという画期的な潜水艦をつくるような天才的頭脳がありながら、社会をうらんでいるのか。なかなか難しい作品だと思う。
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あー、読み終わっちゃった。もったいない.....。
と、思わせるやはり傑作だった。
驚くべき未来予測。そして恐ろしいほど膨大な海洋生物の知識。
少年の頃に読んでいたら、どんなに胸躍らせたことだろう。
巻末に納められた数多くの注釈(多くは海洋生物について)や、
詳細な挿絵なども、何十年もの間、世界中の読者を楽しませてきた要素なのだ。
至福の時間が終わってしまった...。
しかし今なお幸せだ。
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下巻では南極をはじめとしていろんな所へ旅をする。
終わり方がちょっとあっけなかったけど充分楽しめた。
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上巻におまかせ
http://booklog.jp/users/kentkent1984/archives/1/4102044027
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夏休みの課題図書っぽいものを読みたくて、手に取りました。
上下約1000ページ、長かった…博物的に優れた描写や場面がたくさん出てきて、こういうところに少年たちはワクワクするんだろうなぁ、と感じられました。ネモ船長の悲しみがわかるのはもっと後かもしれませんが。
知識満載で、古典を読んだ気分を大いに味わえる読書体験でした。今年の夏の思い出です。
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ノーチラス号から脱出したくて仕方ないネッド、いつまでもここにいてはダメだと分かりつつも、ネモ船長とノーチラス号、その冒険の日々に魅力を感じているアロナクス博士。それぞれの心境が痛いほど伝わって来ます。
ラストまでバタバタ走りっぱなしという感じでした。
読み終わっちゃうのが残念でした...
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壮大な海の旅。ネモ船長のノーチラス号はどの海域も物怖じせず、進む。宝石のように魚たちが彩りを与える。
海底散歩、中には、生物との闘いも。数多の冒険家や、探検家の名前が出てくる。それが、諸島の名前となったり、と本当に壮大な話。
巻末のあとがきに、昔の人は魚たちの名前を書かれていても調べようがなかったそうな、この多くの魚や生物たちを想像し、創造力を掻き立てられたんだろうか?
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楽しさは終盤につれて薄れていき、ネモ艦長の秘密と怒りに心奪われつつもだんだん息苦しさを覚える。ほっとするような残念なような、でもまだ余韻が残るラスト。また時間を置いて読み直したい。
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ネモ船長とノーチラス号に乗って海底旅行に行く冒険譚。少しレビューや裏表紙を読んでしまった後に読み始めたので、いつ、ネモ船長やノーチラス号が出て来るのか、ワクワクしながら読めた。主人公がネモ船長ではなく、アロナクス教授であることにびっくりした。
アロナクス教授たちが退治しようとしていた怪物がノーチラス号であった。そして、それを退治できなかったがゆえに、ノーチラス号に搭乗することになってしまったアロナクス教授一向。設定が面白かった。そして、ノーチラス号から離れること以外は、すべて自由であるという、一種の捕囚生活が始まった。
ネモ船長と行く海底の旅は、とても楽しそうだった。沈没船のお金を取りに行ったり、南極に行ってみたり、サンゴの林を散歩してみたり、と楽しそうであった。
ただ、外界との接触を全く禁じられた中での生活というのは、必ずしもアロナクス教授のように楽しいものではなく、カナダ人のハンターのような心情で行われるものなのだろう。正体や目的も不明の人物の元で生活することの怖さを同時に描いているように思った。
また、最後まで引っ張っていたネモ船長の復讐の動機や目的がはっきりと描かれていないことがとっても残念だった。
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不意に落ちない終わり方でした...
ネモ船長がどうして地上を離れ海底での暮らしをしているのか…ネモ船長の地上への憎しみは一体どこから来るものなのか。そして、ネモ船長とノーチラス号の今後はどうなっただろうか。
このように疑問を覚えるのは私がこの作品に強く惹かれているからでないでしょうか。私はネモ船長、アロナクス教授、コンセイユとネッドと共にノーチラス号で世界中を冒険している気分でした。
この作品の魅力はここにあるのだと思います。
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やっぱり挿絵が素晴らしい。レトロな機械じかけの潜水艦が海底にいざなってくれる感じ。児童文学らしい懐かしさと独特の雰囲気(アンティーク調で、グロ美しい)がこの作品の魅力だと思う。ふと、この壮大な物語を描く作家ヴェルヌを思い浮かべ、感慨に浸ってしまったのだった。