紙の本
定性的な過去の事例
2017/01/24 10:29
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ルイージ - この投稿者のレビュー一覧を見る
タイトルから、データサイエンティストの話なので、データを中心として定量的な話や「これから」の話が色々書いてあるのかと思ったら、そうでもなかった。どちらかというと情緒的かつ定性的に、データを利用した判断を行って成功した直近の過去の話など、事例をいくつか集めて書かれていた。文系的には興味深い話もあるけど、データサイエンスという観点からはやや矛盾したようにも感じた。あんまり勉強にはならないけどそれなりには楽しめた。
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トレード市場が止まったことをきっかけに、数理モデルを作ることよりも、データ第一主義へと移っていったと、ハマーバッカーは言う。
その後、フェイスブックで働き始めたハマーバッカー。ただ、SNSは人々の人生を平凡化していると言ってフェイスブックをやめたハマーバッカー。同感。
生活に困らないだけのお金があれば、そして能力があれば、やりたい事を選べるんだよなあと改めて思った。普通の人じゃ、そんな風に働けない。
面白いのは、航空機産業では燃費1%改善で、30億ドルの経費削減になる。とか、天候予測できれば農産物の予測に役立てられ、多大な効果を見込めるとかってところ。
あと、数理モデルに予測が誤っていて、誰かに被害を与えた場合、誰が責任を持つのかといったことは疑問。
偉大な技術には、課題がつきもの。ビックデータに関していえば、大量のデータから個人を特定できた場合のリスクか。
シンギュラリティの積読本、早く読もうーっと。
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若干タイトル負けしている感じ。
もう少し普遍的な内容を期待したのだが、実際にはかなりバーチカルだった。
読むのは、最後の章(データ資本主義)だけで良かったな。
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モデルよりもデータが第一を説く。タイトルにある通り、これらの医療や農業におけるデータサイエンスの可能性を示唆する。
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本書は近年のデータサイエンスに関する一般書である。バランス良く書かれている点は評価できるが、逆に言うと一般論しか書かれておらず、個人的にはインサイトはなかったため、あまり満足できるものではなかった。
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テクノロジーを活用したWhat If分析にょる仮説の検証に基づいた意思決定モデルをこうちくするためのツールとなる。
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いまひとつ。
本書には、他にも対峙しながら補完し合う関係が登場するが、その中心はつねに意思決定の問題がある。ビッグデータは強力な手段になりうるが、実のところ、限界も抱えている。コンテンツに―測定内容と測定方法に―大きく左右されるのだ。データはいつでも集められる。パターンは探せば見つかる。だが、そのパターンに意味はあるのか?本当に知りたいものを測定できているのか?意味のあるものを測定するかわりに、測りやすいものを測定していないだろうか?一つ目は、「測定できないものは管理できない」。これは、統計学者であり品質管理の専門家でもあるW.エドワーズ・デミングの言葉とも、マネジメント研究の第一人者ピーター・ドラッカーの言葉ともいわれている。誰の言葉であれ、ビジネス界の金言であることに変わりなく、常識的で、真実味がある。
二つ目は、あまり広くは知られていないが、やはり深い真理を表している。「測定できるものがすべて重要とは限らず、重要なものがすべて測定できるとも限らない」
つまり、データは文脈のなかに置かれてこそ力を発揮するのだ。データが蓄積されれば、より細部まで描き出せるようになり、描き出されたものは、知識となる。それが、データを理解するということだ。変化に富む大量データの供給源を新たに確保すること。それも役には立つし、必要なことだ。しかし本当に大切なことは、重要な洞察や発見を生むような形で「点と点をつなぐこと」なのだとアダムスは言う。
すでに何十万個ものネスト・サーモスタットが十分な量のデータを収集し、ネストのアルゴリズムで活動パターンとエネルギー消費パターンに基づく十分な解析が行われている。解析の結果から、ユーザー家庭は大きく四つのグループ―小さな子どものいる家、大きな子どものいる家、留守がちの家、ルームメイト同士の家―に分類される。…
…ネストのスマート・ソフトウェアがユーザー設定よりもエネルギー効率の良い設定を見つけた場合、サーモスタットが自動で働き、温度を多少上げ下げするようになっていたのだ。ところが、これが不評だった。マシンに主導権を握られるのを嫌がる人が多かったのだ。…ユーザーが節電設定を選択したときには、緑の葉をデザインしたグリーンマークが画面に表示されるようにした。…
このグリーンマークによる解決の話から、人間とコンピュータの連携が一筋縄ではいかないことがわかる。プロトタイプのサーモスタットを試した人は、人間が温度を設定しても機械に設定を変えられてしまうため、機械に乗っ取られたように感じた。コントロールがきかなくなったような感覚に抵抗を覚えたのだ。それは、人間が自然だと感じる秩序とは逆の状態だった。人間が主導権をもち、コンピュータはアシスタントでなければならないのだ。しかし、ビッグデータとスマート・マシンが台頭する今、この問題は「主導権」の問題から徐々に「信頼」の問題になっていくことだろう。つまり、データ駆動型のアルゴリズムに主導権をもたせても安心していられる条件を探ることになる。
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本著内容:
必要なものをいかに適切な使い方、場面で抽出できるか。
そうしたビッグデータの活用について今後のIT業界の科学者データサイエンティストの可能性についてあらゆる角度から論じています。
感想:
ビッグデータを使った新たな現場のあり方について、量から質を重んじる新時代に、データは何を物語っているか、ビッグデータの開拓者、ハマーバッカーの功績から始まり、最後の11章まで、データサイエンティストの誕生からビッグデータの医療、経営、農業など多岐にわたる有効活用について、データサイエンスの立場から詳しく述べられていました。
かなり、専門用語も多く、幸い過去に、ITパスポートを勉強していたり、ITの基礎知識がいくらかあったので理解できるところもありましたが、基本的にIT業界経験者であり、大学で、データサイエンスを専門に学んでいらっしゃる方やWeb開発に造詣がある方向けの本と言えそうです。
読み応えがあり、一度ITの世界を知るという意味で、身近に役立てる知識や考え方がたくさんありました。
常日頃当たり前に使っているスマートフォンのなかはプライバシーの宝庫です。
悪いひとに侵入され、悪意ある拡散で自殺をしてしまうニュースも毎度胸熱が痛みます。
自分自身を守る意味でも、無知を知っておく。
社会に出る前に読んでおきたいなと思えた一冊でした。
本著で響いたフレーズ:
「データを有効に活用するということは、イマをじっくり見つめて観察すること。
これは、未来予測と同じくらい難しい」
現状をありのままに見つめることは、時に大きな恐怖や不安を伴うし、勇気が必要です。
いまの自分には、身の回りには何が起きているのか、現実を理解して、できる範囲で、やりたいこと、すべきこと探していきたいと改めて思いました。