紙の本
長年一緒にいるということ
2021/10/09 05:10
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:やじやじ - この投稿者のレビュー一覧を見る
こういう話をこのジャンルで読めることを知るのは
心が落ち着く
性別を問わず普遍的なテーマではありますが、
あまりにもなのでこのジャンルでしか描けないかもとも思う。
(男女ならもっと何かないと作品として成立しないかもと)
長年連れ添ってここ数年はすっかり倦怠期の二人に
決定的な齟齬が生じ、いよいよこれで決別というところに
改めてお互いのことや過去を振り返る事がおき、
お互いが唯一の存在であることを再認識するという話
それをそれぞれの視点から描かれている。
二人が浮気しあうとかはちょっととか思ったりします。
とはいえ、お互いをかかけがえのないと思う。
これはかなり普遍的なテーマではないかと。
お互いの視点から描かれているのも良い。
洸一サイド
家を出る時の洸一の思考が妻思考で、
なるほど的な感じ
(帰宅時の態度は夫な感じでしたが)
ああ、そう思うんだろうなぁって。
千里の似た顔の健太と旅に出る。
お互いにお互いの悲しさや鬱屈を抱えて
うさぎのぬいぐるみを抱える不思議くんかと思ったら
重いもの(寂しいもの)抱えていた・・・うさぎも・・・。
(うさぎの本当の気持ちは最後までわからないままだ)
そしてお互いに似ている相手と一緒にいることによって
何か気づいていく。
そして、言葉って大事だよねって思う。
千里サイド
洸一出て行かれた千里が出会いから振り返る。
若々しい恋の有様とその後の長い時間
(林田くんを心ひそかに気になっていたのですが
その未来も見えて良かった)
長い時間同じパートナーと付き合っていると
大小あれど起きるだろうことが二人にもおきる。
初め燃え上がった炎もやがて静かにともる明かりになるのだと
タイトルとおり思わせてくれる。
でも燃え尽きはしない・・・感じがとても心地良い作品です。
いや、燃え尽きないからこそずっと一緒に居られるのだとも
思いたいですけど。
(性別問わず特に子供がいないパートナー同士は
本当に自分たちの心だけが頼りだと思うので)
未来航路
健太をつれてきてしまうんだって若干びびる。
とはいえ、皆に幸あれと願わざるを得ない。
☆3.5評価の4です。
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[大学教授×作家]
同級生
20年連れ添ったカップルの話というのに惹かれて買いました。
が、想像とは違ったものでした。
思ったよりかなり普通の話。
普通のカップルのなんでもない話でした。
でも多少萌えはあったかな。
☆あらすじ☆
大学教授の宮地洸一と小説家の塚原千里は、学生時代から連れ添って二十年の「恋人」。
しかし、ここ数年は一緒に暮らしながらもセックスどころかまともな会話もない日々。
ある日、些細な諍いから洸一は煙草と財布だけを手に家を飛び出し北へ…。
一方、千里は独り残された部屋で互いを想い合っていた頃を思い出す。
かつてはあんなに愛しく想い、添いとげようと決めた相手だったのに…。
二十年の歳月を経て、凍りかけた想いに再び火が灯る―。
不器用な男たちのラブ・クロニクル。
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こういうの読みたかった!って感じの作品です。
両思いになってともに暮らしてから20年経ったカップルのお話。
どんなカップルもそうですが、くっつくまでも大変ですが、それ以降も互いに思いやっていかないとうまくなんかいかないですよね。それを再確認する、と言うお話なんですが、今まであんまりなかったんですよね~
麻生さんの絵も良かったですし、互いの側の視点で描かれているのもいいですね。オススメです!
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蛍火 SIDE:洸一(幻冬舎コミックス 小説リンクス2004年12月号 掲載作品を改稿・改題)
蛍火 SIDE:千里(書き下ろし)
未来航路(書き下ろし)
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「交際20年、倦怠期の四十路カップルのお話」というあらすじに
興味をひかれゲット。オッサンオッサン言ってるけれど、描写的に
それほどくたびれ倒している様子はないので、そこはひと安心?
3話に分かれている。
最初は攻めの大学教授(口下手)の目線で。
恋人との会話も今やほとんどなく、顔を合わせるのも数日振りという
ある夜、いつもの些細な苛立ち(もはや言い争いもほとんどしない)に
人肌を求めた先に出会った青年との数日の逃避。青年は若い頃の恋人に
そっくりで、青年との時間の中でやはり自分はまだ彼を愛していることに
気づき、部屋へ戻っていく。
2つめは、受け(小説家)の側から。彼らの出会いとなれそめ、そして
それを追想していきながら、相手に甘えそれゆえ壊してしまった2人の
蜜月を反省し、出て行ったまま戻らない恋人の喪失感、そして帰ってきた
彼とやっと「今も変わらずずっと一緒に居たいのは恋人だけだ」と
思いを告げ合う。
3つめは「自分にそっくりだと言う恋人に会ってみたい」と、攻めと
数日間を過ごした青年が、2人の部屋にやってくるお話。
「倦怠期」「同じパートナーと長い時間を過ごす」といった経験のある人は
「あるある」と頷いてみたり、若いころ(つきあい当初)とは違う
“好き”という感情の変化や、相手への諦め、自己反省、我慢がきくこと
きかないこと、などなど、思うところも色々出てくるんじゃないかな。
倦怠期、しかも片方の浮気時間も読まされるわけだが、彼らはお互いを
最も愛していることは伝わってくる。そういう瞬間ってあるよな、って。
すれ違っているようで、結局はお互いを見続けている。5年ぶりに体を
重ねる描写には、温かい切なさがあって◎。
大人だから楽しめちゃう作品です。
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出来上がったカップル
恋愛成就話ではなく、慣れきった二人の日常
長い間に、心が、微妙にかみ合わなくなっていたりするんですね
そんなこんなな、二人のお話です
麻生ミツ晃さんのイラスト買いだったのですが、思いもかけず、好みのお話でした
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★4.5
20年愛のお話。
長い20年の間のあれこれ、もっと聞かせて欲しいと思いました。
こういう生身のお話を読みたかったので満足。
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大学教授×小説家
大学時代から共に暮らして20年…。しかしこの数年は、身体を重ねることもなく、お互いの生活のリズムの差にすれ違いっぱなし。
「俺はお前のなんなんだろうな」
喧嘩のはてに、主人公は二丁目でパートナーの学生時代と瓜二つの少年と出会い東北方面に旅に出る…。
大学時代の出会い、やりとりを思い出すとともに、少年の事情も見え隠れして…。
大学時代から20年。
…四十路ですか!え、買います買います!ってことで、麻生ミツ晃さんのイラストが背中をおしてくれての「おっさんとイラスト買い」で手元にやってきたこの本。
面白かったです!
決してハデさはないのですが、しっとりとじっくりとお話を重ねてくれている実感があります。
それは話の展開による部分もあるのでしょうが、メインが40代二人と20代二人という平均年齢や、主人公の性格のせいかな、と。
40代というには麻生ミツ晃さんのイラストは若干若い気もしますが、それがまたいい味がでてるきがします。
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主人公は、大学の時から20年間連れ添ったアラフォー同い年の、大学教授×中堅小説家。倦怠期を維持して同居人レベルの関係になってしまった二人です。綾小路き●まろも驚きそうな、馴れ合いすぎて新鮮味を失くした♂×♂cpのリアリティあふれる「熱愛のその後」
よく言えばしっとりした大人の話で、穿った言い方をすれば夢もロマンもないビターな切り口で、表題作のみだったらBLとは言い難いです。男女の夫婦でありがちなことが、男同士のcpで描かれていているんですよね。
でも、興味は湧きます。
特に、男同士という壁を乗り越えて結ばれた二人が、王子様とお姫様のようにめでたしめでたし、末永く幸せに暮らしました、などとおとぎ話のようにはいかないことを知っている読者には、溜飲の下がる思い。シビアだけど。
どんな熱愛カップルでも、夫夫ゲンカもすれば、浮気もして、心が離れてしまう事もありえるのです。事実はそんなもの。
大学教授の洸一と作家の千里も、例にもれずささいなことでケンカになり、家を出たのは攻の洸一でした。憤懣やるかたない洸一はヤケになり、夜の新宿で自分の子供くらいの年齢の健太と知り合います。そして、なりゆきで遠くに行きたいという健太と3日間一緒に、東北を旅する事に。千里と面影が似た健太と、生まれ育った場所に近い地方を旅行することで、洸一は忘れていた愛する人への想いを甦らせるのです。
ケンカしてキレて家を飛び出した洸一が、冷静になって自分を見つめ直す様子が淡々と、丁寧に描かれていて切なくさせられました。色っぽいシーンはなかったけれど、洸一の気持ちが全部頷けるくらい上手く描かれています。
書き下ろしは同じ時間が千里視点で読めます。これがまた面白かった!2004年の投稿作品だった表題作より、垢抜けています。こちらはプラス、知りたかった二人の大学時代の出会いから恋人同士になるまでが、千里の回想という形で知ることができるのがポイント。昔を思い出すことによって、千里の洸一への情熱もまた熱く甦るところがステキでした。セックスレスだった二人のお久しぶりなベッドシーンに照れました。
「未来航路」は、グッと軽いタッチでラブ復活ぶりが上手く描かれていて、湿っぽさを一掃しています。健太のこともきちんとおさめていて拍手。
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付き合って20年のカップルについて書かれた話。
始めの冷め切ってしまっている関係については、なんだかとても自然な流れで、リアルな感じがしました。
その後少年との不思議な出会いを挟んで、二人の関係がどう変化していくのか…。
他の小説とは違うアプローチの方法がよかったです。
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倦怠期の四十路カップルが愛を再確認する話。作者買いしてみたものの、くっつく過程や、くっついてからのイチャラブが好きな身としては好みではなかった。あらすじとかから、わかってはいたけれど…。なんていうか、リアルすぎて…(^^;)そしていくら倦怠期と言っても、浮気はだめだと思う…。