紙の本
難そうな話か?と思ったら面白かった。
2020/12/11 13:58
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投稿者:タオミチル - この投稿者のレビュー一覧を見る
ざっくりといえば、本書は憲法改正を論じる一冊。ただし、<憲法改正=憲法第九条「戦争の放棄」や「戦力の不保持」をいじる>の論点のみで語ることの危険性を言っています。改正すべきは、むしろ「憲法第8章 地方自治」であるとの論が展開。現憲法の地方自治の条文が障壁となって、日本の地方の弱体化が進み、ひいては、日本自体が再生できないままであると、ドイツやイタリアをはじめとした海外の事例をふんだんに盛り込み論じています。
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大前研一氏が長年に渡り主張してきた道州制。その総括として、憲法改正を安倍政権がうたう中、真っ向から否定する内容として第八章を取り上げている。第八章は地方分権の項目であり、地方自治を認めてこなかった日本という国を象徴している。大前氏の言うように、経済政策の失敗、政治の腐敗と、低成長、または高齢化社会を迎えた日本が変えるべきポリシーとは何か、それはそれぞれの地域が努力してヒトモノカネを呼び込むことでしか日本は成長できないという危機感なのである。この点は、前提となるサイバー経済、心理経済学等、ケインズ理論の限界点を見て、改めて考えなければならない状態を踏まえれば、当たり前のことのように思える。
もう一つ、重要な点はコミュニティに言及していることだろう。ポートランドやニューヨーク、ロンドンのブリクストンなど、成功をおさえ人や物や金がどんどん入ってくる場所とは、コミュニティを形成し、それが魅力的である。こうしたコミュニティを形成しようとすると、国が全てを支配し、文部科学省が一律の教育を施す限り不可能であり、税金からその使い道までほぼ国に抑えられている状況で、飛び抜ける地域が出てくるはずがないという大前氏の主張もうなずける。
では、政治はなぜ道州制に動けないのか。橋本知事が動いた数年前、骨抜きにしようとする自民党がいた。それは、支持基盤にあると思う。自治を認めれば、国会議員の持つプレゼンスは下がる。交付金をたてにとって、頭を下げさせて来たからだ。でも、限界だろう。公共投資も新幹線も、それ自体は公共サービスでやればいい。オリンピックも同様に国としてやるならやればいい。しかし、ベネフィシャリーが誰かも考えずに、方向性を決めてしまうから間違いが起きる。
まずは、憲法をゼロベースで起草してみよう。大前氏の大きな問いかけに、日本は応えられるのだろうか。
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30年も前から主張していた小さな政府を追い求める論、今になっても褪せないし今なお必要とされてる考えだと思う。江戸時代以来の中央集権国家である日本を作り変えることができるのか。大前さんは都知事選以降
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第9条を中心とした現在の憲法改正に異議を唱え、
第8章の見直しによる日本全体の底上げを訴える内容。
結果的には道州制の導入という著者の結論に行きつくのであるが、
憲法からのアプローチは面白かった。
色々な意見が出るのは良いと思うし、憲法改正にはもっと情報開示が必要と思う。
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日本がなぜダメか。補助金や給付金頼みで自立しない地方が成長しないからである。その仕組みを取り払わないと。ふるさと納税は、自分の故郷を老人ホームにぶち込むだけの愚策だったんだな。
憲法8条は地方自治の項目。でもそれは他の前文や9条などと違って内容が薄い。GHQが作ったものだから、日本の占領政策で重要度が低い地方自治はないがしろにされた。それが、今の地方の弱さに起因している。中央の指示や援助なしには立ち行かない弱い地方を表している。
いまここに新たな地方自治の条項をつくり、国の援助なしで自立できる、自律できる、自決できる地方づくりを始めるのだ。という趣旨の本。
改憲=9条という日本人のアレルギーはひどいなとは感じていた。9条ではなく、まず8条から手を付けるというのはアリかも。練習になるし。ちょっと面白いね。
地方自治の話に合わせて、アベノミクスの失敗にも触れているけれど、本質は国の中央がなんでも手を出して大きな政府になりすぎているのが問題なんだなって。
中央管理が強くなりすぎて、ひ弱になった日本人は痛い目を見ないといけないなぁと思いました。
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地方自治体に今よりも権限をもたせ、責任を持たせる代わりに自由にチャレンジできるようなしくみにする。衰退をストップさせないと今後はたいへんだ、という内容。
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大前研一さんが提案する、創憲をやってほしい。
橋下徹さんぐらいじゃないと、道州制の導入などできないんだろうなー。
安部さんじゃ、無理だ!
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今後の日本がとるべきグランドデザインが書いてある。これを読むだけでも注目すべき国内政治のアジェンダがよくわかる。さすが世界の大前研一。。