紙の本
流浪の10編
2020/07/29 08:07
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Todoslo - この投稿者のレビュー一覧を見る
世界各国を放浪しながら、創作活動を続けた作家の顔が思い浮かんできました。行く先々での出会いや、戦争への静かな怒りも心に残ります。
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パイロットだったダールが描く、飛行士たちの話とそのほか。
幻想的だったり、悲しい話だったり。
いつの時代も戦争は悲しい。
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ダンケルク関連で話題に上がっていたので読んでみた。
スピットファイアが出てきたり、戦闘に出て行くパイロットのお話で読めば読むほどダンケルクの世界観と繋がっていく感覚があった。そこが良くもちょっと辛い。
悲しいお話や滑稽なお話色々あるけれど、私は「ある老人の死」が好き。チョコレート工場とは全く違うロアルド・ダールを知れて良かった。
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17:ロアルド・ダールだからそう明るい話ではなかろうと思ってたけど、まさにその通りでユーモアを交えつつもシニカルな眼差しで戦争を見つめる短編集。何も知らず読んでいて、戦闘機乗りたちの立ち位置や考え方のドライさが「紅の豚」「風立ちぬ」ぽいなーと思っていたらまさにあのシーンが描かれていてびっくり。
後に調べてみると宮崎監督がこのシーンを両映画に使ったとのことで、何と言うかこの……縁って何かしら繋がっていて、分かちがたいなあと思ってしまったのでした。
「カティーナ」「彼らに歳は取らせまい」が大好き。「紅の豚」「風立ちぬ」が好きな方にもお勧め。
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とてもきれいな文章で語られる戦争の話。日常の会話、妄想、ちょっとした時に見せる表情、考え方。現実離れしているのに、現実だったんだろうと感じる。「昨日は美しかった」は最後が衝撃的で、読み終わってからまた読み直してしまった。とても悲しいものがたりで、リアル。
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長編にもできたような話で、そうすればもっとウエットになったと思うけど、短編であることでそれぞれのエピソードがくっきりとした印象を残した。
命を分ける戦争の場面が、淡々と語られていて、飛行士たちの人柄とよく合っていると思う。
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小さい頃ロアルド・ダールの児童書を沢山読んでいたから、児童書以外も書いてたんだ!と思い読んだ。
描写がすごく生々しいというかありありとその場面を想像することができる。
ただ、こうゆう海外作品のやつで日本語に訳されたのにありがちな小難しい単語がちょくちょく出てきて時々「?」となった。(自分のボキャブラリーがないせいかもだけど)
私には難しかったというか最後まで読み終えて「えっ、この話ってここで終わっちゃうの?」ってなった…。
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原題 Over to You
無線なんかで「応答どうぞ」。よく〝Over〟と略して使われる。
飛行士たちが空で最もよく発した言葉なんだろう。重要な情報交換の時にも、他愛無い話の時にも、もう返答がないとわかっている戦友を呼び出す時にも。
ロアルド・ダールの処女短篇集。
副題 Ten stories of flyers and flying
10篇それぞれが、彼が戦争で心身に得た破片に思えた。淡々と光を放つ破片。
ひとつ、不思議な光があって、ポルコ・ロッソの回想にも使われてますね。
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とても良くて、忘れられない本になりました。ジブリの「紅の豚」の原作の一つ。戦争が人を変えてしまうということのリアリティ、虚しさが静かに伝わってくる。最終話「あなたに似た人」は、やり切れなさを抱えて酒を飲む、その感情がひしひしと伝わってくる。
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最近読んだ2冊よりは好きかも。
でも戦争の話だから複雑だけど。
「彼らは歳を取るまい」を読んで、この光景映画で見たような・・・
と思ったら「紅の豚」のワンシーンだった。
そういえば宮崎さんは飛行機がお好きですもんね。
「マダム・ロゼット」がちょっと痛快だった。
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はじめてのロアルド・ダール…と思う。第二次大戦あたりのイギリス軍の飛行士たちの短篇集。なんとなくオチは予想がつきやすいものの、それでも衝撃度がある。瞬間、瞬間にはっとさせられるような。『紅の豚』のシーンにも取り入れられた「彼らは歳を取るまい」も読めてよかった。表紙もいいなぁ…
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デビュー前のロアルド・ダールのも含めた短編集。ゾワッとした話や切ない話など、、、
「彼らは年をとらない」が好きだった。
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恩田陸さん選・ロアルド・ダールの本 より:
「大人の本好きからは、ダールは手練れで独特の味わいを持つ短編作家として根強い尊敬を集めている。『キス・キス』は、ダールの短篇集の中では最も粒ぞろいの一冊なので、初めて読む貴方はこれから始めるのがよろしいかも。しかし、今回ここに挙げるのは、私が初めて『あなたに似た人』を読んで、一番印象に残った短篇、②。子どもの世界のルール、子供の妄想のリアルに強い共感を得た一遍だ。③は、戦場で身よりのないい少女を拾った男たちの話だが、クライマックスの美しくもやるせない場面に心が震えたことを今でも鮮やかに思い出せる。」
(『作家が選ぶ名著名作 わたしのベスト3』毎日新聞出版 編 毎日新聞出版 p30 恩田陸選 ロアルド・ダール より)