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【全選考委員が◯を付けた、オール讀物新人賞受賞作】周囲に心を開けない女性教諭と、カメラマンの青年。傷つけながら惹かれ合う二人。人の再生をモチーフに紡がれた鮮烈なデビュー作。
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p47
本当に悲しかったことを、人は憶えていられないのかもしれない
p82
生きているものと、死んでしまった命の出会うところ。決して交差しないはずの二つの世界が一瞬のお目こぼしにあずかってふれあう場所。そんな場所を、この人は撮りためてきた写真の力を借りて自分で作り上げてみせたのだ。
短編集。
ところどころ、印象的な言い回しがある。生と死をうまく描いていると感じる。
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中篇5作。
声をあげることができない悲しみ。
太刀打ちできない絶望。
正と死の先に再生があると信じられたら。
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じょうず。楽しく読める。だけど、まだ書いてる人が見えない。好きかどうか判断する前にもうちょっと読みたいです。新人賞の「水に立つ人」の途中までいい感じなのに終わりがいまいちだから、それが最後の話だから、全体の印象がぼやけちゃったのかな。
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大切な人を失った哀しさが救われる瞬間。
「やわからな足で人魚は」人魚姫に気づかなかった王子様は施設で兄のように慕っていた人。
「岸辺で私は歌を待つ」聞こえる歌はどこから?
「彼女の海に沈む」はコワイお話。
「水風船の壊れる朝に」だれもが100%幸せなわけない
「水に立つ人」先生と写真家と教会
水風船の壊れる朝に、が一番好きでした。
最期にその瞬間を感じることができたら、幸せ…かも。
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五編の短編からなる作品集。どの作品も女性作家らしい繊細さを感じさせる。特に凄いと思わせるものはないが、どことなく心に残るような作品群。若い女性読者は共感する面も多いのかも。
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大切なものを失くした女性達の、再生までの過程を静かに語った5つの短編集。
読んでいて、物語の中にひっそりと漂う寂しさや危うさに心が押し潰されそうになる。
特に『やわらかな足で人魚は』と『彼女の海に沈む』は荒れ狂う波にのまれるように、いつまでも気持ちが落ち着かない。
世間の波に溺れそうになり必死でもがく彼女達は、やがて自分の足で確実に立つことを悟る。
ラストは僅かながらも希望が持てるもので、そこでようやく救われた。
幼い頃に絵本で読んだ『人魚姫』のことは正直あまり好きではなかった。
人間の王子を好きになったばかりに悲しい最期を迎えた「人魚姫」は、残念ながら愛する王子と結ばれることはなかったけれど、この作品のお陰で「人魚姫」の決意に初めて共感できた。
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王様のブランチで紹介されていた本(『昨日壊れはじめた世界で』)より早く図書館の予約順がきたので、この作者の初読はこの本になりました。
全く未知の人で、大して期待せずに表題作から読み始めて驚いた。面白い。そして哀しい。仕舞いにはボロボロ泣きながら読んでた。
「完璧に幸福な人間なんて、この世のどこを探したっているはずがない」
「心の薄皮を一枚はいだら、その下にどんな無残な傷が隠れているか分かったものじゃない」(p188)
登場人物たちが、それでも最後に自分の抱えているものを受け容れ、そこにほんの僅かな光を見出だすことに自分も救われる。
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短編集。全ての話に「水」のモチーフ。主人公たちはみな、傷を抱えている。子どもや教育に関係する部分もあり、読んでいて苦しく思う部分もあった。「水」のイメージ癒し、憧れ、清らかさ、まどろみ、きりさく痛み、泥、恐怖、悲しみ、彼岸など読んでいて感じた。淡々とそれでいていろんな感情を受け取った。最後にタイトル「水に立つ人」が収録されている。読後、「ああ、こういう終わり方だけど、悪くないよね。」と思った。はじめてこの作者の本を手にしたので、次も読んでみたいと思った。
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水に関わる、悲しい出来事や、トラウマ的な。
全体に暗いというか、まぁ、しあわせな話ではない。
その不幸せ感がしんどい時には読んじゃダメな本。
そうでなくてもあー、ってなる。
このあー、は誰の中にもある辛さや痛みに気づいてしまうから、かなぁ。
てか、京大工学部卒で小説家って、多才だ。
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主人公達が感じる『水』にまつわる5つの物語。
どれも切ない。
だけど、皆自分の心に決着をつけて歩み始める予感があるところが良い。
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切ない気持ちが、暫くしてからジワジワと襲ってくる様な読後
猫を探し続ける探偵さんのお話が特に切なかった
誰しも辛い出来事や思い出したくない過去もあって、自分の胸の奥に蓋をしてなんなら鍵まで閉めたり苦しかった事を思い出さない様に過ごす事が大人になるって事なのかな
終わりに向かって生きていってる感じのゾワっとした感覚もあった
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複雑な生い立ちや生活を送ってきた人たちの短編集。希望があるようでない。デビュー作にしてはかなり引き込まれる。写真家で山でなくなった人の表題作が一番記憶に残ったかな