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AV女優(上)
著者 永沢光雄 (著)
きのうのことのようで、遠い昔のあの頃、ひとりの女の子が傷つき、苦しみながらたどり着いた場所。それがAV。ひとりの女の子が軽やかに笑いながら駆け抜けて行った場所。それがAV...
AV女優(上)
AV女優(下)
AV女優 (文春文庫)
商品説明
きのうのことのようで、遠い昔のあの頃、ひとりの女の子が傷つき、苦しみながらたどり着いた場所。それがAV。ひとりの女の子が軽やかに笑いながら駆け抜けて行った場所。それがAV……。1991年から96年にかけて、アダルト・ビデオの世界で息をしていた少女たちへのインタビュー集を、デジタル化にあたり、上下2巻に分けて収録。ちょっとエッチで、可愛くて、そのくせ凄い“普通の女の子”の素顔ばかり。上巻は22人。インタビュアー、永沢光雄の愛情あふれるタッチが光る!
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紙の本
インタビューの基本
2001/09/25 13:51
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ストラ - この投稿者のレビュー一覧を見る
AV女優へのインタビューといえば初体験はいつだとかその他どうでもいい十把一からげの質問がたいがいなのだが、この本はそれだけではない。性の技術者とか欲望の偶像といった陳腐なAV女優像を描いて終わりにするのではなく、あくまで人と人として向かいあうという、インタビューにもっとも必要なことが踏まえられているからだ。本書の成功によって類似企画が多く出版されたが、その多くとの違いはほぼこの一点に尽きると言っていい。インタビューの最中、ジェネレーション・ギャップやジェンダー・ギャップがあらわになるのは毎度だし、インタビュー相手のどこまで本当なのかよくわからない奇想天外な話にとまどいを見せるのも一度ではない。妙な鋳型にはめようとせずに、聞いたまま、感じたままをうまく伝えようとしている。
けれどもおもしろいのは、インタビューがすべて、アダルトビデオの専門誌のために書かれたということだ。安っぽい決まり文句と扇情的なグラビアに満ちた男性誌の中で著者のインタビューは異彩を放っていたのか。それともこのことは、最低限の形式さえ整っていれば後はなんにも言わないこの業界の懐の深さを示していたのか。そっちも興味あるなあ。
紙の本
『約束された場所で』を読んでる気分だった
2002/06/25 13:50
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:白井道也 - この投稿者のレビュー一覧を見る
これは、どんな人がどんな気持ちで読むんだろう。興味本位で手にとって、インタビューのうまさに感心し、知ってる女優の裏話に興味を覚え、ちょっとエッチな気分にもなったり。そういう“ヒトゴト”な読み方が出来ればすごく楽なんだろう。僕は、彼女たちの人生がヒトゴトだとは思えない。読んでいて重い気分になって、途中で投げ出した。村上春樹の『約束された場所で』を読んで、オウム信者と僕たちとが共有する“闇”に気づいた時のように。
僕は以前、風俗嬢とつき合ったことがある。はじめは「風俗嬢とタダで寝れる」と思っただけで興奮していたけど、だんだん彼女の人生について考え出した。古い考え方かもしれないけど、セックス産業で働く女は、“愛”に恵まれないで育ったのではないか。僕は彼女とつきあいながらそんなことを考え、それを確認するためにこの本を手にとった。風俗嬢にしろAV女優にしろ、体を張って金を稼いでる姿勢は立派だとは思う。でもそれは、やっぱりイビツな姿ではないか。と同時に、彼女たちの性を消費している男たちも、同じようにイビツな姿をしているのではないか。
体を張って金を稼いで何が悪い。自分のやりたいことをやって何が悪い。需要があるから供給がある。供給があるから需要がある。そのすべては正論だ。でも、と僕は思う。
紙の本
聞き上手の著者による極めて良質な一冊
2001/06/27 11:31
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:永沢ふぁん - この投稿者のレビュー一覧を見る
題名が題名だけに買いにくいし、読むのに人目をはばかってしまうが、内容は、きわめて良質。聞き上手というのは、この著者のような方をいうのだなと感心。それぞれの女優がどういうなりゆきでAV界に入ったかなどなどがインタビューに基づいたノンフィクションで語られていく。読みごたえのある一冊。各々出演作を見たことのある方だともっと興味深いかもしれない。雑誌に掲載されたもののうち、再録許可のおりたもののみの収録だが、他のも是非読んでみたくなる。
紙の本
えっちな話もあり。
2001/06/24 23:21
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:una - この投稿者のレビュー一覧を見る
AV女優のヒトへのインタビュー集。なんかききにくいこともバシッときいてる。インタビューされるヒトもわりと云いにくいことをバシッと云っている。
こういう本を読むのは怖い。次のように考えるからである。
1.AV女優のヒトは「インランなんでこの仕事たのしいでえーす」などと販促活動に走っているのではないか。これは読んでておもしろくない。
2.あんまり重たい裏の方まで知ってしまうとせつなくて今後AVなんか見られなくなってしまうのではないか。それはそれで嫌だな。
でね、読んでみたんですけど。どっちかつうと2の方です。えーっとかなり重たいです。
でもね、みんながんばってます。仕事に誇り持ってます。消費者としてはそれらのことをいくらか知った上で消費していくのも、これはこれで正しいことなのではないか、と思いました。
もちろん、えっちな話もあり。生々しくて興奮します。うん。
あなたの知ってるあの人もあの人もでてますよ。
紙の本
あなたの隣りにいるかもしれない、たくさんの女の子
2002/07/27 00:11
1人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:夏の雨 - この投稿者のレビュー一覧を見る
この本に紹介されている四二人の女の子たちの人生(といっても、わずか二〇年ばかりのものだが)は、両親の離婚あり、義父のレイプあり、シンナー経験ありといった、かなり重度のものが多くて(中にはごく平凡な少女時代を送った女の子も何人もいるが)、読んでいてとても面白いのだがしんどくもあった。こんな少女時代を過ごすというのは、傍から見ていてもしんどいのだから、当の本人はいかばかりかと他人ことながら同情してしまう。
AVに出ているから本人の人格に問題があるとは限らないが、やはり人前で裸になり嘘か本当かは知らないが性行為までしてしまう女の子は、僕の日常とはかなり違うのだろう。でも、もしかしたら、彼女たちのような人生を歩んできた女の子はもっともっとたくさんいるかもしれない。
AV女優が特別なのではない。特別なのは、そんな職業を選んでいった女の子たちの人生そのものだし、もっと多くの女の子たちが、この本で紹介された女の子たちと同様の人生を歩んでいるかと思うと、やはり人生そのものがきっと面白いのだということがわかる。