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逆境を生きる
著者 城山三郎 (著)
〈自らのためには決して計らわない清廉潔白な巨人〉『落日燃ゆ』の広田弘毅。〈情熱と努力に裏打ちされた理想主義者〉『男子の本懐』の浜口雄幸。〈吸収と結合の天才〉『雄気堂々』の...
逆境を生きる
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逆境を生きる
商品説明
〈自らのためには決して計らわない清廉潔白な巨人〉『落日燃ゆ』の広田弘毅。〈情熱と努力に裏打ちされた理想主義者〉『男子の本懐』の浜口雄幸。〈吸収と結合の天才〉『雄気堂々』の渋沢栄一など、逆境と必死に闘いながら、自らの信念を貫いた男たち。その生き様を通して人間の真の魅力、底力とは何かを問いかける。
著者紹介
城山三郎 (著)
- 略歴
- 1927~2007年。名古屋生まれ。一橋大学卒業。経済小説の開拓者。「総会屋錦城」で直木賞、「落日燃ゆ」で吉川英治文学賞、毎日出版文化賞を受賞。
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紙の本
城山三郎の声
2010/04/17 07:26
6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:夏の雨 - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書のもととなった1995年の福岡の高校での講演の様子は音声として残っている。そこで68歳の城山三郎の声を聞くことができる。
低くもなく、甲高い声でもない。落ち着いて、歯切れがよく、ゆっくりと話す。おとなの声とはこういう声をいうのだろう。
原稿はあっただろうが、ほとんどいい間違いはない。淀むこともない。齢(よわい)を重ねたことの重みが声として、言葉としてこぼれだすという雰囲気を醸し出している。
もちろん、そういった講演をもとにして、こうして文章として再構成されて、読むこととして何の違和感もなく、城山三郎の作品として読めるわけであるが、話し言葉としての一つひとつの間(ま)のようなもの、まさにそれは城山三郎の息づかいなようなもの、が失われてしまうのは残念だ。
あるいは、聴衆の静かな笑いであったりささやかな身じろぎであったりに反応する城山三郎の言い回しが消えてしまうのも、講演を聴くことと活字を読むことの違いだろう。
行間を読むということは、そういうことも含まれる言葉かもしれない。
『逆境を生きる』というタイトルが本書にはつけられているが、城山三郎の代表作ともなった『落日燃ゆ』の広田弘毅と『男子の本懐』の浜口雄幸を核にして城山の多くの作品の裏話がつめこまれていて、幅広い読み方ができる内容になっている。
そういう点では、城山三郎のめざした生き方そのものがコンパクトにまとめられている本といえる。城山三郎がなくなって三年が経つが、こういう本が出版されることで、新しい読者が生まれるとしたら、これほどうれしいことはない。
音声の記録では、講演の最後に「ご参考に少しでもなればと思ってお話を申し上げました」といって壇上を下りた城山三郎に、聴衆のたくさんの拍手が、それも静かで落ち着いた拍手が、おくられていたことを書きとめておきたい。
◆この本のこぼれ話は「本のブログ ほん☆たす」でお読みいただけます。
紙の本
頭の片隅に留めておきたい内容です
2017/09/30 12:05
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:one story - この投稿者のレビュー一覧を見る
逆境時の心構えについて、少し余裕のある時に考えてみようと思って読んだ本です。
タイトルからすると重そうな本でしたが、講演録なので読みやすく、読み始めたら引き込まれてあっという間に読み終えました。
内容的には、含蓄のある文言が散りばめられており、逆境時のみならず、今後の人生において頭の片隅に置いておきたい言葉が各所にありましたので、ぜひ一読をお勧めします(ここに言葉だけ抜き出すと陳腐化する気がするので、ご自身で読んで文脈の中で色々と感じ取っていただければと思います。)。