商品説明
「子供も楽しめるお伽噺だったはずが、地獄や悪魔の物語へ勝手に書き変わっていたのです。呪われた本を遺した祖父は、実は私を恨んでいたのでしょうか?」怪異と祖父の怨嗟に怯え、笑顔を忘れた孫娘の調査依頼をひょんなことから受けた深山木秋。祖父の屋敷を訪れた彼は多くの妖(あやかし)と本を巡る戦慄の事件に遭遇する。急ぐ真相究明! 彼女の閉じた心に夜明けは来るのか? シリーズ第5弾。
目次
- 第一章 笑わない女
- 第二章 作戦会議(甲)
- 第三章 名探偵登場
- 第四章 作戦会議(乙)
- 第五章 助手の苦悩
- 第六章 作戦会議(丙)
- 第七章 薬屋と敗北
- 第八章 反省会
- あとがき
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紙の本
旧家での不思議な不思議なお話
2012/02/28 10:23
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:紫月 - この投稿者のレビュー一覧を見る
ーー子供も楽しめるお伽噺だったはずが、地獄や悪魔の物語へ 勝手に書き変わっていたのです。 呪われた本を遺した祖父は、実は私を恨んでいたのでしょうか?ーー
シリーズ2章 第5弾。
成長する、 あるいは変化する本の謎を追って依頼人の祖父の家へと向かった秋。
同行者は、名(迷)探偵・鬼鶫(きのつぐみ)と助手の佐々だ。
鬼鶫(きのつぐみ)と佐々のコンビのユーモラスな会話が楽しい。
謎めいた事件に少々、妙な味付けをしてわらわせてくれるのは、前シリーズの刑事・葉山と高遠のコンビを思い起こさせる。
もしかしたら、このシリーズは鬼鶫(きのつぐみ)と佐々のコンビがレギュラーになるのだろうか。
葉山と高遠のキャラクターはとても味わい深くてよかったが、このコンビはどうなるのだろう?
しかし本書はシリーズ番外編。
いつもとは違った空気が流れている。
怪異に絡んで人間と妖怪の微妙な関係は健在だが、流れる空気がどこか柔らかい。
気持ちのいい曖昧さ、といったようなものだろうか。
薬屋探偵怪奇譚ではあるものの、探偵や怪奇といったテイストはとてもぼんやりとした印象を受けた。
ミステリや怪異談といった味わいではなく、いってみれば、日本の旧家での不思議な不思議なお話。
秋はもちろん、座木やリベザルもちゃんと登場して柳田国男やクトゥルフの神話を絡ませて、不思議な世界で楽しませてくれる。
ちなみに、私がいつも楽しみにしている扉の言葉。
ーー十年前に出会えていたら……
本当に何かが変わったでしょうか。
今のあなただから
会えたのかもしれません。
今のあなただからこそ
出会った意味を
知り得るのかもしれませんーー
本編を読む前に一度、そして読了後にもう一度味わってみると、感慨深い。