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文楽に連れてって!
著者 田中マリコ (著)
人形が所作をして義太夫が物語を語る。人情ものや軍記もの、近松作品の数々……。生身の人間よりも生き生きとした人形の魅力から文楽の歴史、作品紹介や太夫の第一人者への聞き書き、...
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文楽に連れてって!
商品説明
人形が所作をして義太夫が物語を語る。人情ものや軍記もの、近松作品の数々……。生身の人間よりも生き生きとした人形の魅力から文楽の歴史、作品紹介や太夫の第一人者への聞き書き、歌舞伎との比較など、初心者が古典芸能に親しむための最適の入門書。
※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、予めご了承ください。試し読みファイルにより、ご購入前にお手持ちの端末での表示をご確認ください。
目次
- さて文楽とは
- 文楽は日本のサグラダ・ファミリアだっ?
- 人形アラモード
- もっと!文楽アラモード
- 歌舞伎VS文楽-文楽人形は、すなわちアトムである
- 文楽名物、人間国宝五人衆
- 文楽鑑賞ベストテン
- あれはなんだったんだろう?
- 文楽の今日
- キング・オブ・文楽、竹本住大夫師匠のお話-文楽は教養番組とちがいまんねん
著者紹介
田中マリコ (著)
- 略歴
- 大阪芸術大学美術科卒業。版画家、作家。2001年10月、第2回アート・サロン展出展。『宝塚アカデミア』シリーズ編集同人。著書に「宝塚探検隊が行く」「宝塚よ、どこへ行く」など。
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紙の本
文楽愛です
2018/09/20 16:32
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:るう - この投稿者のレビュー一覧を見る
全ページが文楽への愛情でいっぱいなのが素晴らしい(笑)著者が心から楽しんで書いているのがよくわかる。
ただ、「やおい」など言葉をちゃんと理解しないまま使ったり痛い部分がある。
紙の本
文楽は楽しい!文楽の成り立ち、楽しみ方、演目などを興味深く探求した一冊。
2002/01/17 22:16
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:挾本佳代 - この投稿者のレビュー一覧を見る
歌舞伎はどうも好きになれないのだけれど、文楽は結構好きである。人形遣いがあやつる人形のしぐさや表情が、人間以上に「人間らしい」ことが一番の理由だ。恋する表情、怒りに震えて般若となる表情、裏切りに悩む表情……。挙げていけばキリがないけれど、ともかく人形に見入ってしまえば、私は人形遣いの方が3人いることはまったく気にならない。しかし、人形は同じ演目でも人形遣いによって、その表情を変えてしまうのも事実だ。個人的には、女形遣い・吉田簑助のあやつる人形に一番魅せられてしまう。
とはいえ、文楽についてまだまだ知らないことはたくさんある。特に、人形から入ってしまった私としては、文楽そのものの文化的な成り立ちから人形遣いの過酷な修行(?)まで、「やわらかく」書かれた本はないかと以前から探していた。人形浄瑠璃について「難しく」書かれた本はいくらでもある。でも、そうした本は、それこそ肩がこってしまうのである。文楽を知らないずぶのシロウトを「こんなことは知っていて当たり前」と小バカにしている雰囲気がありありで、読んでいていやになってしまうからだ。
けれど本書には、そんないやな雰囲気はまったくない。まず著者が楽しんで、自分も知らなかったことをさらけ出してくれているのがいい。著者にいわせれば、「三味線を弾く人」は「ベンベンベン」とやる。太夫は「ウニィーという絞り出す調子で」うなる。本書冒頭から文楽開始の枕部分をこんな具合で紹介してくれているので、全然肩がこらないで読み進めることができる。まさに、文楽にちょっと興味はあるけれど……と二の足を踏んでいる人にはうってつけの入門書なのだ。
本書で教えられたことがたくさんある。まず、語りを担当する義太夫が大阪弁であったこと。知らなかった。江戸時代の芝居小屋の料金が、庶民レベルではなんだかんだで千二百円から二千五百円かかっていたこと。へえ、結構、庶民もお金をかけて楽しんでいたんだ。人形の首には、「老け源太」「動きも源太」などそれぞれ名前があること。ほぉ、こんなことを知っていれば、文楽ももっと楽しくなってくる。……など。
著者によれば「文楽は日本のサグラダ・ファミリア」。現在の人形遣い3人であやつる文楽スタイルになるまでの歴史的経過をひもといてみると、日本人がコツコツと文楽という文化を積み上げてきたことがわかるからだ。ひとつの文化は、昨日今日の時間でできあがるものではない。私たちは、ヨーロッパでいまだ盛んな舞台上から糸で操ったり、下から棒や針金で操ったりする人形劇ではない、固有の人形芝居の伝統をもっている。それは誇るべきものなのだ。日本文化に憧れる諸外国の人たちに「文楽って何?」と尋ねられて答えられず、「知らないの? 日本人なのに」と言われないためにも(結構、よく言われる!)、本書をひもといて文楽にはまってみるのもいい。 (bk1ブックナビゲーター:挾本佳代/法政大学兼任講師 2002.01.18)