紙の本
講談社の恥
2009/07/04 16:32
8人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:K・I - この投稿者のレビュー一覧を見る
2009年7月2日、朝日新聞朝刊「オピニオン私の視点」に「準ひきこもり」という文章が載った。
そこで著者の本を取り寄せて読んでみた。
著者は、印象論ではない、と書いているが、印象論だ。
特に第四章「準ひきこもりの人々の内面」は著者自身の青年時代を書き連ねたものだろう。
また、ひきこもりについて、親の育て方の責任としている。そんなに単純な話なのだろうか?
そして、「準ひきこもり」について「永遠の不良債権」と書いている。正気とは思えない。
何年か前、「ニート」という言葉が、ゲンダユウジとコスギレイコによって輸入された。そのとき僕は「自分こそ、ニートだ!」と思ってしまい、「あるニートの日常」という副題をつけたブログを開設した。
この本の中で著者は「ラベリングなどかんたんにはがせる」といっているが、それは嘘である。「準ひきこもり」というラベリングを行った著者の行為は非難に値する。
ネットを見る限り、自分のことを「準ひきこもり」と言っている人が、すくなからずいる。またある精神科医は患者について、「「準ひきこもり」のような」と書いている。
内容について、戻れば、男女の役割についての著者のあまりにも保守的な考えはいかがなものか、とも思う。いわく、男には「たくましさ、頼りがい、妻子を養うこと」が期待されているのだそうだ。時代錯誤もいいところだ。
この程度の本を出版した講談社の罪は重い。講談社の歴史に泥を塗るものだ。野間省一は泣いているだろう。
また、全国紙で「準ひきこもり」と大々的に紹介した朝日新聞の責任もきわめて重い。
つまり、「ニート」が入ってきたことと同じことを繰り返してきているということだ。マスコミは何も学んでいないのだ。
僕は今自分を「ニート」だと思っていない。それは自分自身を取り戻したからだ。僕にはそれだけの力がないが、『ニートって言うな!』のような解毒剤が「準ひきこもり」についても出版されることを期待したい。
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読むのが辛かった。
まるで学生時代の自分を言われてるみたいで。
自分はこの本で定義されている「準ひきこもり」とは少し違って、スチューデント・アパシーとの中間みたいな存在だったけど。
ただ人とのコミュニケーションの拙さというものはモロに当てはまった。
異性から何の気なく話かけれたことを「特別」なことだと思い、その人に対して好意を抱くとか・・・。
「俺だ俺」と思った。
あと就職に関する意識の低さも。
その対策として著者はいわゆる士業か公務員になることを勧めてるのは面白かった。
本来準ひきこもりの人は勤勉だから確かに向いてるな、と思った。
ただ俺のような怠学系の半端にメンタルだけが準ひきもりなヤツはどうすればいいんだ、とも思ったが・・・。
全体的には導入部で終わってる部分があって、満足できない人もいるかも。
あと、準ひきこもりを短絡的にゲームや漫画やフィギュアといったものと結びつけるのもどうかと。
その辺のリサーチは脇が甘いかな。
それでも充実した学生生活を送った(もしくは送っている)人たちに読んでもらいたい一冊。
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半分くらい当てはまるのが痛いX(
大学入る前に読んどいてよかったです,
良い構成をした本だと思います
ただただキツく書くだけでなく、最後のどんでん返し(筆者自身の暴露)が雲を晴らしてくれる
しかし筆者うんこ好きですねw
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現代の若者の表面化しにくい問題の一つがうまく投げかけられていると感じた。
メールやインターネットなどの技術の発達で直接話さない人とかが増えていて、そのため、こうなったことが大きいと感じる。
根本的な解決策としては、未成年には携帯電話を持たせないなどの対策もありではないかと考えた。
パソコンなどの機器に関しては家庭内によるだろうから各家庭で対応するしか無いのだろうが、携帯などに関しては条例で規制しても良いのではないかと感じる。
ただ、この本に書かれていた通り自分にこもりがちなため、どうにかしてそれに気づかせて引きずり出してやる必要があるのかもしれない。
自分もこの軽度の準ひきこもりではあるが、アルバイトで接客業をやるようにして大学四年間でだいぶ変わったと感じている。
これからも準ひきこもりと呼ばれる人はでてくるだろうが、そういう人にむしろこの本を読んでいただき、孤立してしまうのは自分にも相手にも因があり果があることを知り、自らを改善する努力をしていただきたい。
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[ 内容 ]
ネット騒然!!
コミュニケーション不全の新理論!
授業に出る。
バイトも女遊びもしないけど決定的に何かが欠けている人々。
親も教師も気づいたときはもう遅い。
[ 目次 ]
第1章 準ひきこもりの発見
第2章 準ひきこもり学生とはどんな人たちか
第3章 準ひきこもりの事例研究-病める魂の漂流
第4章 準ひきこもりの人々の内面
第5章 かぐや姫症候群
第6章 今後の課題
終わりに-準ひきこもりのみなさんへ
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
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もはや有害図書でしかない。到底、研究の名に値しない。書店から駆逐すべき
http://www.amazon.co.jp/review/R1N9K2W7P064J/ref=cm_cr_rdp_perm
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文字通り「痛々しい」本です。著者が「準ひきこもり」なる概念を作り出して、大学に授業だけ受けにきて、性格が暗くて集団の輪から外れがちな学生を当てはめている。そして著者は彼らから「こういうことをされた、言われた」と不快感を顕わにした痛々しい文章を書き殴る。この人、アスペルガー症候群とか知らないのかな。
著者の論を全否定はできないが、終始一貫して主観的で、普遍性という点で疑問符を付けざるを得ない本書の内容を信じろといわれても困る。
本書の痛々しさはこれだけに留まらない。著者は各章の冒頭に、「準ひきこもり」なる者に仮託して詩を書いている。そこから窺える痛々しさと偏見は実に筆舌に尽くしがたいものである。
著者の痛々しい詩集として出版したのだったら、その勇気を称えて☆2つはつけたかも知れない。
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まずタイトルが「ひきこもり」を「ひきこ森」としているところは失笑。しかし中身は大真面目。
この本は当事者の「準ひきこもり」の僕から見ればかなり衝撃的。多分、当事者以外は想像力が欠如しているか、理解できないか、当事者でも認めたくないかでインチキ本として認定されてしまう。
この分野の研究が進んでいるかは知らないが、著者の「準ひきこもり」の定義はかなり正確だと思う。何が問題かと言うと傍目に問題とわからない所が問題。そして準ひっきー学生は就活を始める前から「お前はすでに死んでいる」状態なのだ。
問題提起は素晴らしいが、解決策が著者の体験談を含め雀の涙程度しか記述されていないので★4。ナンパしろとか準ひっきー以外でも無理なことも記述されてあるし。
今時穏やかで優しくて真面目はウケないモテない。大学関係者必読!
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たまたま親戚にこんな感じの子がいるので手にとってみたのだが、大学に勤務していて「いるいる」という事例が多くのっていた。でも残念なのは、準ひきこもりに多い家庭環境や、小中高での状況がのっていたのに、そこにいたる経緯や理由、こうすれば避けられるみたいな方法論が言及されていなかったこと。すでに準ひきこもりになってしまった後のことについて書かれているのは著者が大学教員だからかもしれないけれど、もっとつっこんだ分析が欲しかった。これからその研究がされているため途上なのかもしれないが。
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「ひきこもりの詞」是真的悲哀。必要条件∶暗,大概一个人在。从自己不说。固定的工作没有。做不合适的言行。
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大学教員が最近の学生の実態として「準ひきこもり」が多いと主張。そしてそれは深い森の中に迷い込んでいる姿だと。確かに大手前大学でそのような学生が沢山いることは事実です。それにしても著者が容赦なく彼ら学生を批評する姿には冷たさを感じたのですが、最後に自らも過去はそうであったと、告白しているのです。そしてそこから救われる道は?著者は仕事を辞めずに頑張ることだと説いているのですが、彼らにそれが可能なのか?自縄自縛に陥っているように思われてなりません。このような日本人が増えてきてこれからの社会は一体どうなるのかと暗澹たる心境ですね。
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「準」ひきこ森 人はなぜ孤立してしまうのか? (講談社+α新書)2006/10/20
授業には出る、バイトもせず、女の子と遊びまわるわけでもない。こんな親を安心させる息子は友達が誰もいない。キモクて孤独な、何かが決定的に欠けている人々! 私の「準ひきこもり」に対するイメージは「準ひきこ森」である。誰もいない森の中で膝を抱えて座っている孤独な青年。孤独地獄の中で、それでも誰かを待っている孤独な人。
樋口/康彦
1965年、大阪府に生まれる。関西大学社会学部を卒業し、同大学大学院博士課程を修了する。兵庫県長寿社会研究機構家庭問題研究所主任研究員などを経て、2000年から富山国際大学国際教養学部専任講師となる。専門は教育社会心理学。人間の達成意欲を多方面から研究する
こういうタイプの人もいるという事を知るとっかかりにはなる
2010年10月22日記述
2006年に出されネット上などで話題になった本。
大学という場所にある程度の期間通学していた人はどことなく分かるが、いわゆる人と接するのが苦手な人に焦点を当て、「準ひきこもり」を名前を付けたのはある程度当たっている面もある。
ただ、就職氷河期(97年〜2002年)のことを指摘せずに就職できなかった人が出てしまったことを指摘してない点や、いわゆるブルーカラー的な仕事をいわゆる下に見て、大卒なら全員ホワイトカラーこそ全て!というような従来の価値観が著者にあることには疑問を感じる。
またそもそも大学という場所は小中高までのクラス単位の授業構成ではないことから生じる大学自体の問題点、改善点を提唱せず、問題解決を全てを家庭、個々人の大学生の自己努力のみというのも違和感を覚えた。また就職先として公務員になれば良いというのも根本的な改善とは関係ないと思われる。
これは筆者にも問題があるが、公務員の勤務実態をいうものをあまりに知らなさすぎるのではないのか?
またそれぞれの章の前に著者自身の準ひきこもりの詩と題して紹介されているが、正直言えばページの無駄としか思えなかった。そんな詩はかえって偏見だけを世間に広めるだけのようにしか思えない。そのページでも使いもっと具体的な問題改善策をもっと示した方が有意義ではないのか?と思った。
ただそれでも本書では日本のあらゆる大学教育の現場に起きているものの、これまで焦点を当ててこなかった部分に光を当てたという点で意義は大きいと思う。
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・「準ひきこもり」という概念を定義したことには価値がありそう
・しかし多分に著者の主観的な分析・主張が含まれる
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「はじめに」と「あとがき」だけを読むと良い。
途中を読んでたら鬱になってしまうかも知れない。
「大学入試以前の社会経験の不足が準ひきこもりを作り出している。」
まあそうなんだろうね。
とにかくなんか恨みでもあるんかと言うような文体で、相当こき下ろしているんだけど、著者がそうであったらしい。著者がそれを脱したことについて「あとがき」で少し記載がある。
・部屋を片付けよう
・明るいキャラを目指せ
・職業選択が大事
・仕事を辞めるな
さてヒントがあるだろうか?
当事者の力になりたいならせめて温かい読後感にしてほしいと感じた。
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面白いけど、話半分に聞かなきゃ人によっては気分悪くなるなと思う
大学教員だからといって、くわしく研究分析しているわけではないし、著者の主観が大きいかも
ただ、こんなに非難していると「ひきこもりは人の話を聞かない」の証左になる気もする…
弱さに寛容ではない社会へとなっているが、どっちにしろ、自分の弱さを認め、臆せずいろんな人に話しかけたいと思った