商品説明
「おまえはなにを求めて武家の養子に入ったのだ」幕末前夜の江戸。瀬戸物屋の五男坊に生まれた駿平は、百五十俵の貧乏御家人「野依家」に婿養子入りした。男五人兄弟では、この先分家を立てられる保証もなく、うまくいっても商家の婿。いっそ武士になるのも面白かろうと軽い気持ちで引き受けたものの……当主になって待っていたのは、過酷な「就職活動」だった。新米武士の駿平が武家の世界を駆けずり回って「立身出世」を試みる!
目次
- 小普請組
- 同朋衆
- 徒組
- 御膳所御台所
- 長崎奉行
- 勘定所吟味
- 奥右筆
- 旗奉行・槍奉行
著者紹介
梶よう子 (著)
- 略歴
- 東京都生まれ。フリーランスライターのかたわら小説を執筆。2008年「一朝の夢」で松本清張賞を受賞し、単行本デビュー。ほかの著書に「お伊勢ものがたり」「宝の山」など多数。
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紙の本
江戸時代の就活は大変!
2020/05/05 10:26
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:タラ子 - この投稿者のレビュー一覧を見る
瀬戸物屋の5男坊の主人公駿平が武家の家に養子に入ることから物語は始まる。武家といっても御目見得以下の決して裕福でない御家人で、その上養父は身体が弱く生涯1度もお役に就いたことがない。幼き将来妻になる女子と養父母を養うためには、自力でお役に就くしかない。江戸にはどんな仕事があり、駿平は無事役職に就けるのか…
伝手のない御家人は毎朝早くから将来上司になりそうな人を訪問して廊下に控え挨拶をして、まずは顔を覚えてもらうという涙ぐましい努力をしたそう。いつの世も仕事を得るということは大変である。
商家に生まれて何不自由なく暮らしてきた駿平が就活を通して様々な人と出会い、自分にできることは何か、何のために働くのかを考え成長していく姿は現代の就活にも通じるものがある。
紙の本
武士の”就活”を、生き生きした登場人物とともに想像力豊かに描く
2015/08/23 21:03
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:紗螺 - この投稿者のレビュー一覧を見る
商家出身の武士が立身するために東奔西走する話。主人公の片割れに智次郎といういいキャラを据えたことが全体の雰囲気の軽妙さ、おもしろさに繋がっている。智次郎はよくいえば行動力のある、悪くいえば突拍子もない言動をためらいもなくやってのける破天荒キャラ。彼がいるから話が生き生きと転がっていく部分は大きい。
幕末の武士など、役はあっても貧乏だったり、実際の働き口はない小普請組だったり、内実は暗くお粗末な面も強い。この作品では、そういう役職のない武士が役職を得るためがんばる姿を明るく描いている。リアルさには欠けるが、要所要所は事実を押さえているので明るく楽しめる時代小説になっていると思う。