電子書籍
ヘイトスピーチ 「愛国者」たちの憎悪と暴力
著者 安田浩一
2013年の新語・流行語大賞にノミネートされた「ヘイトスピーチ」なる現象は、年を追うごとに拡大している。当初は、東京・新大久保界隈における在日韓国・朝鮮人に対しての罵詈雑...
ヘイトスピーチ 「愛国者」たちの憎悪と暴力
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ヘイトスピーチ 「愛国者」たちの憎悪と暴力 (文春新書)
商品説明
2013年の新語・流行語大賞にノミネートされた「ヘイトスピーチ」なる現象は、年を追うごとに拡大している。
当初は、東京・新大久保界隈における在日韓国・朝鮮人に対しての罵詈雑言ばかりが注目を集めていたが、いまや対するヘイトスピーチは全国規模に拡散。また、Jリーグのサッカー会場に貼られた「JAPANESE ONLY」という横断幕が、民族・国籍の差別を助長するとして問題視されもした。さらに、ヘイトの矛先は、中国やイスラムにも向けられている……。
はたして、被害者を生み出すばかりの「排外主義」、この拡大を食い止める術は、あるのだろうか?
ネットの中で醸成された右翼的言動、いわゆる「ネトウヨ」が、街頭デモにまで進出してきたのは何故なのか? その代表格とされる「在特会」とは一体、どんな組織なのか? デモに参加するのはどんな人たちなのか?
こうした幾つもの疑問に答えるのが、本書。在特会問題を取材しつづけ、2012年には『ネットと愛国』で講談社ノンフィクション賞を受賞した実力派ジャーナリストによる、「ヘイトスピーチ」問題の決定版!
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紙の本
『ネットと愛国』と似て異なるもの
2015/07/17 16:09
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:hibifuon - この投稿者のレビュー一覧を見る
ヘイトスピーチと言う言葉そのものはすっかり日本社会に定着したように見える。安田氏の『ネットと愛国』は活字媒体で、その核とも言える在特会に初めて本格的密着取材を試みた本であり、高い評価を受けた。『ネットと愛国』では、あれほどまでに攻撃的な排外主義の街宣をする一人ひとりはどのような人間なのか・・・と言う掘り下げをしたのに対し、『ヘイトスピーチ』は違う。在日と言う本人にはどうしようもない出自を、理不尽に攻撃し、尊厳を踏みにじるものとして、正面から対決する本になっている。もちろん、在特会への取材もあるにはあるが、組織的に取材拒否を受けている現状では、それも叶わないし上に、それはもうやり尽したと著者は感じているように思える。今や在日とどこか、帰化すらも、攻撃の対象となり、護憲発言をする天皇陛下にまで在日のレッテルが張られる時代だ。日本にわずか数十万人足らずの在日は脅威とはとても思えないが、在特会を中心とする排外主義は、在日だけででなく、被爆者、アイヌ、生活保護受給者とターゲットを際限なく拡大させて、猛威を振るっている。規制の動きが広がって入るものの、まだまだ。実際にどのような罵詈雑言が浴びせられているのかを読むだけでも、かなり苦痛なのは間違いないが、日本社会にこうした空気が蔓延していること、それを支持している人が(リアルに、ネット上に)少なからずいることを本書で改めて確認できると思う。それなりの忍耐力を要する本であるのを承知の上で一読をお勧めする。
紙の本
ヘイトしている人たちの実像と傷つけられる人々の痛み
2022/10/21 13:59
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:BB - この投稿者のレビュー一覧を見る
この問題をずっと取材している安田浩一氏が、ヘイトスピーチ解消法ができる前の2015年に著した本。
あまりにひどすぎて新聞やテレビニュースなどでは報道されないようなヘイトの言葉もそのまま紹介されており、その情景部分を読んでいるだけで、生皮をはがされるような痛みをおぼえた。
彼らはなぜこのようなことをするのか、このような言葉を投げ掛けられた当事者はどんな思いでいるのか。安田氏が実像と痛みに迫っている。
解消法ができて、公の場でのデモなどは少なくなったのだろうが、ネットを見れば、現状は変わっていない。この本から浮かび上がるのは、こうした状態を放任している社会の姿だ。