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電子書籍
悦楽園
著者 皆川博子
ふしぎ文学館 悦楽園41歳の女性が61歳の母親を殺そうとした。犯行は未遂に終わり、女性はすぐに自首してきたものの、動機だけは頑として話さず、弁護士もいらないという。平凡な...
商品説明
ふしぎ文学館 悦楽園
41歳の女性が61歳の母親を殺そうとした。犯行は未遂に終わり、女性はすぐに自首してきたものの、動機だけは頑として話さず、弁護士もいらないという。平凡な母娘の過去に一体なにがあったのか。謎に包まれた事件に困惑しながらも調査を始めた国選弁護人。やがて彼が突き止めた衝撃の真実とは? ――「疾病船」ほか、「獣舎のスキャット」「水底の祭り」など、単行本未収録作品4篇を含む、恐怖ミステリ全10篇。狂気に憑かれた人々が犯す犯罪を異様な迫力で描いた、直木賞作家改心のクライムノヴェル傑作集。
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紙の本
衝撃の一冊
2005/09/26 22:04
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:yu-I - この投稿者のレビュー一覧を見る
初期の作品を集めた作品集。30年ほど前の作品が収録されているが、今読んでも強烈。初出時の読者の驚愕は如何ほどだったのかと、いらぬ心配をしてしまいそう。
冷ややかな悪意を、悪夢のような狂気を、鬼気迫るほどの迫力で書く。
ヒトというものの怖ろしさと悲しみを、凄まじい力で抉り出す。
そんな作品集である。
あたしは「疫病船」と「蜜の犬」にとりわけ凄まじいものを感じた。
「疫病船」ほどヒトというものを残酷に書ききった作品はなかなかない。
サイコスリラーやサイコサスペンスが流行ろうと、「蜜の犬」まで達してしまった作品は少ないだろう。
「獣舎のスキャット」などは後半の印象が強いかと思うが、個人的には前半の秘密めいた悪意がスリリングで非常に心地よかったりも。
中途半端な偽善など、目の鱗と一緒に引っぺがされてしまいそうな衝撃の書。
電子書籍
新年そうそうエグかった!
2017/01/05 01:01
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:szk - この投稿者のレビュー一覧を見る
年越し1冊目。狂気と猟奇に満ちた短編集。人間ってここまで心をあらわにして、快楽、悦楽のために突進できるのかと不思議に思う。全てが「むきだし」すぎて、ギラギラと照り返り硝子のように脆くなっている。そんな中、『疫病船』は良かった。コレラ船に成り果ててしまった引き揚げ船に父親が乗船している。夢にまで見た父親との再会、でもコレラ患者をみすみす陸にあげることは世間的に許されない。愛と憎しみの間にゆらぎながら父親へ投石する。その記憶がある母娘を狂わせる。『獣舎のスキャット』は自業自得の結句だけれど、恐ろしくエグい!