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司馬遼太郎に日本人を学ぶ
著者 森史朗
司馬遼太郎の作品は何から読めばいいのか?長編、短編あわせて67編。テーマは戦国時代から江戸期、明治維新へと多岐にわたり、エッセイや紀行文『街道をゆく』では日本各地のみなら...
司馬遼太郎に日本人を学ぶ
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司馬遼太郎に日本人を学ぶ (文春新書)
商品説明
司馬遼太郎の作品は何から読めばいいのか?
長編、短編あわせて67編。テーマは戦国時代から江戸期、明治維新へと多岐にわたり、エッセイや紀行文『街道をゆく』では日本各地のみならず、モンゴル、中国、北米、ヨーロッパへと足を伸ばす。
驚異的な仕事を遺した前人未到の巨人作家、司馬遼太郎。
司馬遼太郎の謦咳に接した担当編集者で、戦史家の著者が、偉大なる作家の秘話をまじえつつ、その豊穣かつ膨大な作品世界への取り組み方を若い世代へ伝授。
日本人が誇るべき共通の財産、司馬作品、格好の読書ガイド。
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紙の本
まだまだ読まないと
2016/04/15 07:38
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投稿者:夏の雨 - この投稿者のレビュー一覧を見る
作家司馬遼太郎さんが亡くなったのが1996年2月12日。今年(2016年)没後20年ということもあってTVや出版での企画が相続いている。
この本もそういう一冊となるのだろう。
司馬さんの最後の病床を見舞った、かつて「文藝春秋」で司馬さんの担当でもあった著者が、長短編合わせると67篇に及ぶ司馬さんの著作をどのように読み進めればよいかを指南した一冊である。
物心ついた時には司馬さんがこの世にいなかったという世代が増えているし、これからも益々増えていく。
一時の情熱で読まれる作家は多いが、漱石のように時代を越えて読まれる作家は数多くない。どんな時代であっても揺るぎない作品の力が必要だろう。
司馬さんの作品は小説だけでなく、『街道をゆく』といった紀行文や『草原の記』といったエッセイに至るまで、後世の日本人にも読んでもらいたいし、生き残る力は大きい。
とはいっても、これだけの作品群があるのだから、この本のような読み方の指南書があってもいい。しかし、残念ながらこの本をもってしてももれている司馬さんの著作は多い。
例えば、直木賞を受賞した『梟の城』や後期の代表作である『菜の花の沖』などである。
これはやや惜しい。
惜しいついでに書けば、司馬さんの年表は入れて欲しかった。
著者がまず第一にあげている作品は、新選組副長土方歳三の生涯を描いた『燃えよ剣』である。この選択には賛成である。
小説として滅法面白い。しかも生き生きとした青春小説になっている。
この作品で司馬さんの山脈に踏み入るのはいい。
あとはどちらかといえば歴史年表をたどるように紹介されている。
すなわち『竜馬がゆく』、『最後の将軍』、『世に棲む日日』、『翔ぶが如く』、そして『坂の上の雲』。
もちろんこれらは司馬さんの代表作に過ぎない。
ましてや、自分の読書歴と合わせても、まだまだ司馬さんの作品全貌まではおいつかない。
この本には司馬さんが書けなかったノモンハンや太平洋戦争への記述もあるが、むしろ紙面は紹介されなかった作品の記述にあてて欲しかったという思いも、少しある。