電子書籍
青春ミステリかつ本格ミステリ連作短編集
2021/01/22 20:44
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投稿者:なのはな - この投稿者のレビュー一覧を見る
4つの短編からなる青春ミステリ連作集。どれもしっかりした謎解きが展開されている上に、全体を通した仕掛けも上手かったです。青春小説としての良さも感じました。ミステリ的には特に「学祭ブロードウェイ」がよく出来ていると思いました。ドレス盗難時間の真相と華麗な謎解きには驚きました。他の短編もよく考えられていると思います。化学の描写が詳しすぎたりする面もありますが、全体的には読みやすい物語だったと思います。
紙の本
共感するところも多い、瑞々しい青春小説
2017/05/14 20:28
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投稿者:しょうちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
福岡人としては、とても楽しめました。
いろいろ愚痴などもあるけれど、日常の些細なことに疑問を持ったり、自分たちで工夫したり、考えたり…
人任せにせずに、何かをしようとする主人公たちって好きなので、本当に読んでいて楽しかった!
なんだか、自分たちの青春時代を思い出しました。
描写も作者の学生時代を基本にしているので、とてもリアル! それでいて瑞々しく、共感するところもたくさんあります!
大きな事件は起こらないけれど、小さな謎を授業で習ったことや日常生活の中からヒントを得て解決するところもいいな。
学校の勉強などがムダにならないところは、中高生の学生さんたちにも響きやすいのではないでしょうか。
ただ、あらすじや帯に「天神を舞台に…」とあるけれど、ほとんど天神はストーリーに関係ありません…
なぜ、「天神」というキーワードを持ってきたのか…そこだけ謎です…汗
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最後の最後にだまされたので、星4で。
それぞれの短編の謎は、さほど謎でも無い感じのものが多いが、ラストはやられたなったって感じ。
本を表紙からじっくり読む人程、はまりがちかも。
仕掛け自体は、ありふれてるのに気付かなかったぜ。
これ、続編も期待できそう。
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これは当たりだった。まず文章がきれい。ふとした比喩なんかの表現がうまくて、読んでいて気持ちいい。あと意識的にだと思うけど色の話題があちこちにちりばめられていて、すごく彩りを感じる作品になっています。シリーズ化して欲しいな。
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《スプリング ハズ カム》
舞台は福岡、カバーはloundrawさん、作品は鮎川哲也賞最終候補に加筆修正大幅改稿されたものとくれば、手に取らず読まずにいられるだろうか。
女学生による瑞々しい語り口と知らず溢れる知識、日常の謎、ヒントをくれる年上の男性。高校と大学の違いはあるけれど、北村薫さんの「私シリーズ」を思う。
著者、吉野泉さんも、今のところは覆面作家?シリーズ化もされるのだろうか。次作も読んでみたい。
個人的には「折る紙募る紙」が好き。
導入の2人の推理(合戦?)。カラフルな折り紙。魅力的で不思議な謎。解答。解答のない、悩みに悩む1人の人間と、社会。小さな教室で起きた小さな紙にまつわる話から、大きな、全体な思考へと紡がれ話に引き込まれた。
以下、本編より
『解くことが叶わなかった問題も、真相に辿り着けなかった謎も、表現が見つからなかった言葉も、昇華できなかった感情も、すべて覚えておこうと誓ったーーー今日は見えずとも、いつの日か、形を変えて、色を変えて、手に入る鍵があるのだから。』
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四月のある日、私は親友から年上の彼氏を紹介され、同席していた大学院生の飛木さんと知り合う。彼は、天神に向かう電車で出会った婦人の奇妙な行動や、高校の文化祭でのシンデレラのドレス消失騒動など、私の周りで起こる事件をさらりと解き明かしてみせる不思議な人だった。「飛木さん、どうしたら謎が解けるようになりますか?」福岡を舞台に贈る、透明感溢れる青春ミステリ。
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舞台は福岡。しばらく住んでいたことがあるので、馴染み深く、まずそこから興味をそそられた。日常の謎を探偵役が解き明かす物語であり、主人公は高校生女子。だが、探偵役は知り合ったばかりの大学院生で、親友の彼の友人、飛木さんである。なかなか珍しい状況ではないだろうか。しかもこの飛木さん、ずいぶんシャイな印象なのだが、よく食べる。人の三倍は軽くいきそうなのである。その辺のミスマッチも魅力的。そんな彼が解き明かす謎は、いかにも高校生らしく、トラブルではあるものの青春という感じで、これもいい。そしてなにより、解き明かし方に愛があるのがいちばん好ましい。明かされた後のことまでちゃんと考えたうえで発言している飛木さん、素敵である。文章もヘンに凝ることなく、さらりとしているのが読みやすくていい。さらに最後に飛木さんに告白した名前の謎が、さすがである。なるほどーー。二人の今後も気になるし、続きも読みたい一冊である。
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【収録作品】放課後スプリング・トレイン/学祭ブロードウェイ/折る紙募る紙/カンタロープ
*懐かしく瑞々しい感覚がする。語り手・吉野の思考過程が好もしい。
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読み終わった貴方の心は何色?
透明感溢れるというキャッチフレーズにあるように、爽やかな高校生の日常を描きます。それも恋愛要素はあまりなく、学業やボランティア活動における謎解きなど、とても真面目な青春ミステリ。各話に散らばっている色に纏わるエピソードも本書の特色です。頭の中の情景一つ一つに鮮やかな色付けがされていき、例えようのない豊かさを生んでいます。
推理して的中できるようなタイプの謎解きではありませんし、最後のオチも微妙ですが、それでも楽しめました。
第23回鮎川哲也賞最終候補作。
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平凡な女子高生の日常に出現する小さな謎をいとも簡単に解き明かす知性豊かな大学院生。
情景描写が過剰な気がしますが、ライトな作品にもかかわらず文学的な要素を入れようとする姿勢は評価したい。
学校新聞に掲載される問題が適度なスパイスになっているので、1位に選ばれた投稿内容にもう少し捻りがあればなお良し。
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福岡が舞台だから、知ってる場所がいろいろと出てきて楽しかった。
作者の名前もミスリードなのね、読み終わって気がついた。
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主人公の吉野は高校二年生だけれど、親友の朝名の彼氏で小学校教諭の上原や、その友人で探偵役の大学院生の飛木の存在もあって、高校だけに留まらない広がりを感じた。山村暮鳥の「りんご」を悲しく取るか嬉しく取るかの話が印象的。色の描写が華やかで、光源によって色が変化するお揃いのビーズの髪飾りも綺麗だった。
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みずみずしく整った文章だが、若干回りくどく、やや説明のテンポが悪い。読んだ印象としてはどうにも散漫で印象に残る描写は少なかった。ストーリーは青春ミステリではあるのだが、謎はいまいちどれも魅力に欠けており、謎を解くというよりは嘘を暴く物語である。登場人物は皆善意で行動し、その行動のために小さな嘘をつきルールを破るというのがおおまかな構成になっているわけだが、そのついた嘘を暴くというのはどうにも後味の悪さがある。たとえ善行でも、友人を騙している以上、水臭いという気持ちのほうが先に立ってしまった。青春ミステリに苦い結末はお約束だが、いい話なのに嘘をつかれていたという、違った意味での苦さを感じる作品である。語り部の少女が、事件や犯人の対しての距離が妙に近すぎるのが原因なのだろうか。探偵役は大学院生だが、こちらは逆に舞台や事件との距離が離れすぎていて、絡む必然性がいまいち薄かったのも残念。探偵役と語り部の事件に対する距離感やそのアンバランスさが目についた作品だったが、次作以降この関係性や距離感を逆手に取ればもっと面白くなるかもしれない。あと気になった点としては、たとえ友人であろうとも、小学校の生徒と話す時は友人のことをちゃんと「先生」と呼ぶべきだと思う。配慮のある人物のように描かれていたのがここだけ凄く不自然に映ってしまった。まあそれも女子高生の主観といえばそれまでの話だが……。
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高校生らしい日常に起こった毒の無い事件。インパクトに欠けると言えばそうですが、自分の高校時代を思い出して、ほのぼのと読み進めました。成長していく彼らを見守りたく思う作品。
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福岡ローカルネタわかるともっと風景がわかって楽しいんだろうなって思った。
名前に関してはまず著者名がズルいじゃん…。
駒子シリーズ思い出すけど絶対好きやろ作者(偏見)
イッセーのキャラ造形好きなので他の話にもいっぱい出てくるといいな…。
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悪い作品ではないんだけど、唯一解まで絞り込まれてないのに謎を解いてしまう展開に違和感。それと、他人の恋愛(観)にケチつける気はないけど、かつての教え子が今やっとJKっていう社会人、、、私には無理だ。