なのはなさんのレビュー一覧
投稿者:なのはな
2021/09/28 12:29
愛すべきキャラ
9人中、8人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
お高くとまった意識高い系のOLのおたゃらけた話かと思っていましたが、読んでみるとなかなかこれがいい話ばかりでとっても素敵な気分になれました。主人公の白川さんはメイクが趣味で可愛い系のOLで、男性からチヤホヤされたり同性から妬まれたりしますが、白川さん自身は全然気にしてません。それが我一人行くというお高くとまっているのではなく、私もみんなも幸せになったらいいじゃん、という崇高な確固たる想いがあるからなんです。白川さんに周りの人が影響されてどんどん変わっていく様を見るのがとても嬉しかったです。白川さんはとても前向きな姿勢でそれでいて自然体という今まであまり居なかったキャラで新鮮な感じがしました。とても良い漫画だと思います。
世界一やさしい「やりたいこと」の見つけ方 人生のモヤモヤから解放される自己理解メソッド
2021/03/02 13:10
生き方の参考になります!
8人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
自分の本当にやりたいことを探して、好きなことをして一生を過ごすのを目標に作られた本書は、豊富なワークシートなどもあり、実践向きです。本当にやりたいこと、というのは、すぐにやれることではなく、長期的にやり続けられる一生ものの「やりたいこと」を探すように促しています。そしてそれを見つけたらさっさとやり始めて幸せになりましょう、と実にシンプルな主張です。導かれるままに自分のやりたいことを探してゆくとちゃんとそのきっかけが見つかるように構成された良い作りの本でした。
2021/11/29 06:29
優しさのある漫画
5人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
八田百合という紛争解決コンサルタントとでもいうべき役割の女性を主人公とする漫画です。依頼を受けて世界各地の紛争地に出向いて、そこでもトラブルを解決する話なのですが、リアルバイオレンスサスペンス的な漫画かと思いきや、ギャグテイストを含みながらもなかなかの本格的な政治漫画になっています。紛争と言ってもその国ごとに異なる事情があることがとてもよく分かる漫画ですね。学生でも大人でも読んで勉強になる作品だと思います。力で解決する場面もありますが、基本的に百合の知性的な対応が印象的です。なるべく全てが丸くおさめるように、というところを考えているのである意味とても優しさのある漫画だと感じました。
2021/08/12 02:07
見事に作者の罠にはまりました
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
サイコホラーなので、残虐な描写が多くて読みづらかったのですが、終わってみれば、とても見事な傑作ミステリでした。作者の仕掛けた巧妙な罠にまんまと嵌ってしまいました。複数の語り手の視点で、猟奇殺人について語られるのですが、ジワジワと迫り来るような事件の核心に読み手の心までグイグイ引っ張られる気がします。詳細に読むと伏線があちこちに引かれており、納得のいくトリックとなっています。サイコな話なので、ストーリーそのものは正直なところ好きになれませんが、本格ミステリとして歴史に残る傑作であることは間違いないと思います。
2020/12/21 13:59
生きる大切さを感じました!
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
とてもリアルで余命10年を宣告された茉莉の心情が見事に表現されていました。死を恐れなかった茉莉が早苗や和人らと触れ合ううちに大切に想うものが出来、死が怖くなる。それを自ら断ち切って死の準備をする茉莉の姿には胸が詰まる思いでした。明るく生きようと努めても、不条理な事実を前にして心境が不安定になり、周りに迷惑をかけてしまう茉莉の葛藤は、助けてあげられないもどかしさを感じました。生きることの大切さを考えさせられた素晴らしい物語でした。
2021/09/04 03:19
世界観の構築が上手い
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
次々と物が消滅し、秘密警察によって記憶狩りが行われ、人々の間からその物の記憶すら失われてゆくという架空の島が舞台の美しくもはかない小説です。主人公の女流作家が体験する数奇な運命。R氏との甘美な時間も、自身の消滅へのカウントダウンの前ではどうしようもなく
、主人公の悲しみの心情が伝わってきました。大切なものが消えてゆく、ということがどういうことか、そのときどんなドラマが起こり得るか、そのようなことを追究して書かれているのだろうなあと思いました。伊坂幸太郎さんや森見登美彦さんなどの小説にも通ずるものがありますが、女流作家ならではのきめの細かい描写が印象的でした。
2021/08/23 19:24
参考になります
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
コロナ禍の中、ワクチン否定派の著書はいくつか読みましたが、データに基づき詳細な分析がなされていると思います。ワクチンの材料の問題やワクチンビジネスのことなど納得できる事も多々ありますが、自説を固めるためにやや狭い見方になっているという印象を受けました。過去のワクチンが沈静化してから打っており、まったくウイルス感染を防ぐことに寄与しないばかりか、むしろワクチンのせいで感染が広がったという最初の見解に関しては、確かに裏付けるデータもありますが、私の読んだ印象としては、都合の良いデータのみを取り上げた暴論のような感じを受けました。また陰謀論などにもかなり言及しており、ワクチンを否定する説を主張する上では、このような真偽不明な極端な論は返って、この本自体の信用性を低下させているように思います。科学的に何が正しいか分かりませんが、コロナ禍の今、高齢者のワクチン接種が進むとともに高齢者の感染者数が激減した事実から考えると、すべてのワクチンにまったく効果がないという本書の主張には正直なところ賛同しかねます。この本は数年前に出された本なので今の状況は想定していなかったとは思いますが。
2021/06/29 21:21
非常にわかりやすいです
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
私は典型的な95%社員ですね。当てはまることが非常に多いです。会社にいるテキパキと仕事を進めていける少数の社員に当てはめてみると、確かにこの本に書かれているようなことが該当します。常に前向きで、動いてるけど連絡を怠らない、自分がよく動くけど周りもうまく使っている、新しいことにいつもチャレンジしている……など挙げればキリがありません。5%の社員にはなれなくても、少しでもそれに近づけるよう努力していきたいと思います。この本には模範となることがいくつも書かれているのでとても参考になります。
2021/06/29 20:58
薄巡査の動物優先の姿勢が面白い!
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
須藤元警部補と薄巡査のコンビが面白かったです。特に薄巡査の動物愛は本物で徹底していて、それが憎めなくて逆に好印象でした。殺伐とした事件を扱うミステリにもかかわらず、薄巡査はもちろんですが、須藤元警部補からも動物愛が感じられて、小説そのものが優しさを醸し出しているように思いました。本格ミステリとしても伏線や手掛かりいっぱいの、推理が冴える本格的なものになっています。
2021/03/18 22:49
自己啓発本ですが、良い物語でもあります!
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
「夢を叶えるゾウ」と似たような設定ですが、ある少女が喋るぬいぐるみのアドバイスに従って夢を実現させてゆくストーリーです。終始前向きなストーリーで、ダンスの振り付け好きな主人公が、ダンス部に起こった問題を解説して新しいことを始めてゆく展開でした。キーワードはシンプルで、ノートやペンを使って実際に実践すれば本当な身につきそうな気がします。
物語中では普通の女子高生に過ぎない主人公に実は才能があったというちょっとご都合主義的部分はありますが、夢を言葉にして語ることは見習いたいと思います。
2021/03/15 12:29
糖質についてよく分かりました
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
糖質制限がブームで言葉は聞いていましたが、内容がいまいち分かっていませんでした。この本はそんな私でもわかるように丁寧に書かれていました。一つ一つの項目は最低限のことしか書いてないと思いますが、関係する項目が多岐に渡り、もれなく言及してあるので、実用的な感じがします。表や数字データもたくさん載っているので、頭に入りやすいし信頼できます。最初に糖尿病の危険と予防について書いてあり、思ったより多くの人がなりやすい病気なのだとびっくりしました。何を食べたら良いかについても説明が豊富で、私も毎日の生活の中で実践していこうと思います。
「もう傷つきたくない」あなたが執着を手放して「幸せ」になる本
2021/03/02 13:15
タイトル通りの啓発書
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
「執着する」とはどういうことか、について書かれています。執着をやめるというのは、別れるとか捨てるのような暗いイメージがありますが、実はもっと前向きで明るいことなんだよ、とこの本は教えてくれます。いろいろな事例をもとにパターンを解析し、執着の正体と執着のはずし方を指南する本書は悩める人々の助けとなることでしょう。
言葉でいうと簡単そうですが、こればかりは自分が実際に試してみて実感しないことには前に進めないんだろうな、と思いました。
新・日本列島から日本人が消える日 加筆版 下巻
2021/02/03 12:14
豊富な事象を取り上げているのに感心しました
4人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
上巻よりもさらに読みやすいものになっています。とても素晴らしいと感じました。ここまであらゆる事象に対して真っ向から向き合って、矛盾のないような理屈を築き上げ、最後までご都合主義だらけで突っ走った本には今まで出会ったことがありません。創り話はここまで徹底的にやってこそ、説得力が増すのだなあと感心しました。世界の、歴史の複雑な情勢から綻びが出ないようにうまく事象を選んで辻褄の合うように組み上げる技術はたいしたものです。確かに誤字はあるし、下巻は特にもうほとんど「教え」みたいになっていますが、それでもとても面白い読み物でした。
2020/10/30 22:41
新しいタイプの本格ミステリ!
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
良い意味でとんでもない本格ミステリでした。ゾンビが今にも襲ってくるかもしれないのに殺人事件の推理に勤んでいるのはシュールな状況ではありますが、謎解き自体は実に論理的で、犯人とトリックには驚きました。ゾンビの特性を最大限に発揮させた上でのアクロバティックな密室殺人事件の謎解きには特に感銘を受けました。またもちろんパニック小説としても面白いです。続きを予感させるストーリーの締め方、良かったです。
2024/08/22 21:13
設定の繊細さに驚いた
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
謎の深い穴で生活する環境を細かいところまで完璧に設計した漫画で、その設定の繊細さに驚きました。主要キャラは少年少女たちで、そのやりとりは独特のユーモラスな雰囲気がありますが、死と隣り合わせの深い穴への挑戦を軸とするストーリー設定は本格SF幻想物語そのものです。逆に他の場所や歴史的経緯など余分な設定は省いてる点も潔く、この漫画ではそれが良い判断だと感じます。とても人間が挑めるとは思えない過酷な現実があるのですが、そこを乗り越えて挑むリコたちの姿には感動さえ覚えます。謎もいろいろとあり、また人間以外のキャラもこれからたくさん出てきそうな点も楽しみです。