紙の本
この話だ!
2019/01/06 21:03
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投稿者:水鳴 倫紅 - この投稿者のレビュー一覧を見る
「VOCALOIDの中の人がヒトデになる??」みたいな曖昧な読解力で、
ずっと作品を探していましたが、この作品でした。
表題作、格好いい生き様だと思います。
どの作品も完成度が高いですが、表題作の他に
「楽園(パラディスス)」「氷波(ひょうは)」「アステロイド・ツリーの彼方に」の3作が、
私の萌えポイント「知性を持つ機械と人間」を突いてきて楽しいです。
微力ながらレビューで支援いたします。
紙の本
バラエティーに富んだ短編集
2017/05/28 06:02
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投稿者:コスモス - この投稿者のレビュー一覧を見る
著者の本を一度も読んだことがないけれど、読もうか迷っている人はこの本を最初に手に取ることをお勧めします。
著者の作品の中でも、かなりページ数の少ない作品が複数収録されています。著者の描く世界を知るのにはうってつけです(少し長めの短編小説(もしくは中編小説)を読みたい方には、満足いかないかもしれません)。SF小説や幻想小説を得意とする著者は、作品の世界観や登場人物の考えを、難しい言葉を使うことなく説明しています。コアのSF小説の読者だけでなく、幅広い層の読者の方にも読みやすいと思います。
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幻想と現実の双方に手を伸ばせば。
2016/12/29 14:14
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投稿者:うりゃ。 - この投稿者のレビュー一覧を見る
タイトル篇の「夢みる葦笛」はアンソロジー「量子回廊」で既読。「氷波」「完全なる脳髄」も既読だが、どれも上田氏の人工物と生体を混交した科学技術の延長していった世界がきっちり構築されている。
今回印象に残ったのは「石繭」「滑車の地」と「楽園(パラディスス)」「アステロイド・ツリーの彼方へ」。
「石繭」は色彩と感覚記憶の鮮やかさがいい。
「滑車の地」は泥色の背景にもかかわらず、人間(?)関係が不思議に爽やかな読後感を感じる。誤解を恐れず言うとジプリの「ラピュタ」か。
「楽園(パラディスス)」は既読。「アステロイド・ツリーの彼方へ」の双方ともに、VR、ERなどの現存するリアリティを改変する技術の発展による、人間の変容の方向性を魅せている。
このレビュータイトルも登場人物の台詞の改変だが、脳の認識する現実が技術革新により変容し続けるだろう将来、人間の価値はまさにそこに残るのかもしれない。
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透明感のある青の装丁とタイトルにイメージがしっくりくる短編集。あちこちに掲載された作品を収録しているにもかかわらず、はっきりと指向性を感じた。短編集とは作家の夢の見方をより鮮やかに映すものなのかもしれ ません。
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アマチュア音楽家の亜紀が街中で遭遇した人型の白いモノ。イソギンチャクのような頭を持つ奇妙な生物の正体とは!? 日本SF大賞受賞作家の真骨頂! 人工知性、地下都市、パラレルワールド、人の夢―― あなたの想像を超える全10編を収録!
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『華竜の宮』を超える上田作品に出会いたい!
と思い新しいの出るとチェックし続けています。
この短編集の中にあるのかなー…
と思いつつ手にしたものの、やはり短編。
物足りないというより勿体無い…勿体無い!
これだけ一つ一つ世界を作り上げていて
短編だなんて!
『完全なる脳髄』『上海フランス租界~』あたりは
ホントこのまま長編に雪崩込んで欲しい世界。
『滑車の地』は続きを待ってしまいますよ!!
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胸が震えるほど美しい装幀に惹かれ、購入の予定はなかったのにレジに持って行った書籍。
そして、予定していなかったのに何より大切な本になった。
筆者は「‘他‘と‘己‘との隔たり、分かり合うこと、尊重し合うこと」「人間とはなにか」「生きるとは」といった難解なテーマに対し、あたかもするっと水に潜って何かとてつもない宝物を拾い上げてくる潜水士のようにアプローチする。
傑作揃いの短編集のなかでも
「氷波」
「滑車の地」
「プテロス」
「アステロイド・ツリーの彼方へ」
は特に圧巻。
SF好きには絶対に読んでもらいたい1冊。
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様々なSFジャンルの短編10編。長編にしないのはもったいない様なお話もたくさんあってお腹いっぱい、幸せな気持ちに浸れる1冊です。
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"虚構と物語があれば何とか道を歩いていける"
今と異なるテクノロジーや世界観にいたら、人間はどうなるのか?という楽しい思考実験が味わえる。他の作品にも共通する好きなポイントとして、多様なジェンダーやセクシュアリティに対してフラットなところ。ちゃんとAセクシャルまでカバーしてるのはさすが。
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素晴らしいSF短編集。
『魚舟・獣舟』以来の傑作が現れてしまった。
表題作のどこか不気味で美しい物語から始まり、
一見SFか?と疑ってしまうような書き出しから始まる『眼神』や『上海フランス租界祁斉路320号』も非常に好み。得体の知れないものを相手にしているのに、どこか妖艶さすら感じられる。
地球から遠く離れた衛星に配置された人工知性を描く『氷波』は、
タイトルからは想像もできないような暖かな読後感を残してくれる。
『滑車の地』の荒廃した地と地下都市という世界観が素晴らしく、
これは是非とも長編で読んでみたい!
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短編集10編
人工知性体,依代,パラレルワールドなどそれぞれ味わいある世界観.どの短編も思いやりや愛や優しさをそっと忍ばせて,切なくなるような話が多く,ありえない世界がありえる現実として透明な雰囲気の中に存在していて美しい.
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「誰も見たことがない、驚異に満ちた世界がここにある」という帯の煽り文句に、これは苦手な話に違いないと思いつつも、タイトルの意味が気になったので読みました。予想は裏切られ、とても面白かったです!SFの短編10編なのですが、短編ごとに味わいが違って驚きました。一話ごとに宇宙やパラレルワールド、近未来などいろんな世界に行けて楽しかったです!上田さんの他の作品も読んでみたいです。
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華龍の宮シリーズで圧倒されたが、上田早夕里は短編でもすげえ。
10編収録の短編集だが、どれも捨て話(っていうのか?音楽アルバムなら捨て曲)なし、一つ一つ味わいが違ってどれもオモロい。この人どんだけ才能あるんやろ。
読み終わった後で、人ではないが人に近い存在との対話がテーマなのかなと思ったが、その存在の設定、存在がある世界観の構築、その世界だからこそ展開するストーリー、そして読者が(今はまだ)人間だからこそストンと腑に落ちる核心。全部そろってるねんな。10編ともに、かなりエエスペックで。
この短編集の中から「魚船・獣舟」みたいに長編に展開される作品もあるんだろうな、と予感させる(もう始まってるかもしれない)後味と余韻を引く10編。SFファンだけでなく、AIや人工知能の人格云々について興味のある方々等、広く読んでもらいたい良作だと思う。
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アマチュア音楽家の亜紀が街中で遭遇した人型の白いモノ。イソギンチャクのような頭を持つ奇妙な生物の正体とは!? 日本SF大賞受賞作家の真骨頂! 人工知性、地下都市、パラレルワールド、人の夢―― あなたの想像を超える全10編を収録!
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夢見る葦笛、眼神、完全なる脳髄、石繭、氷波、滑車の地、プテロス、楽園(パラディスス)、上海フランス租界祁斉路三二〇号、アステロイド・ツリーの彼方へ。
一編一編の完成度がすごい。
「アステロイド・ツリーの彼方へ」だけ既読でした。
そうだなあ、「完全なる脳髄」、「滑車の地」、「楽園(パラディスス)」…「上海フランス租界祁斉路三二〇号」も好きだなあ。