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どんなことが起こってもこれだけは本当だ,ということ.
著者 加藤典洋
犬も歩けば,棒にあたる――一度何もかもを手放し,徒手空拳の犬になる.すると,何かにぶつかる.コツンと乾いた音がして周囲が一瞬明るくなり,そこから次の展開が生まれてくる.そ...
どんなことが起こってもこれだけは本当だ,ということ.
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どんなことが起こってもこれだけは本当だ、ということ。 幕末・戦後・現在 (岩波ブックレット)
商品説明
犬も歩けば,棒にあたる――一度何もかもを手放し,徒手空拳の犬になる.すると,何かにぶつかる.コツンと乾いた音がして周囲が一瞬明るくなり,そこから次の展開が生まれてくる.それが「開かれたかたちで,考える」ということの指標だ.幕末から戦後,そして現在を貫いて,紋切り型の「正しさ」を内側から覆す,新しい思考の流儀.
目次
- はじめに 演題について
- 1 「犬も歩けば、棒にあたる」ということ
- 2 間違う思考は、間違いか 吉本隆明さんとのやりとり
- 3 「内在」から「関係」への転轍 『日本人の自画像』
- 4 現代世界と尊皇攘夷の「変態力」
- 5 幕末の攘夷思想と昭和前期の皇国思想
- 6 吉本隆明の一九四五年
- 7 護憲論の二階建て構造
- 8 壁にぶつかる護憲論
- 9 憲法九条から日米安保へ
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紙の本
いま求められる冷静な思考
2018/07/23 11:52
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:魚太郎 - この投稿者のレビュー一覧を見る
この時代の現実にたいして、感情的になるのではなく冷静に、腰を落ち着けて理性を働かせなければならない。それが今の我々に求められる判断である。「どんなことが起こっても」とは、憲法9条が現政権によって空文化され、戦争を阻止できなくなったという事実のことである。さらにその政権によって憲法そのものが「改正」されるとすれば、立憲主義のもとで正義(と思われること)を主張することはできなくなる。著者は、憲法9条からいったん離れて考えなければならないと言う。「これだけは本当だ」とは、戦争はダメだという戦争体験の初心のことであると理解したが。
紙の本
なるほどこういう観方もあるのか、と思わず膝打ち
2023/03/01 00:12
1人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Haserumio - この投稿者のレビュー一覧を見る
後半の護憲論+日米安保条約解消論はさておき、特に尊王攘夷思想と皇国思想を「変態力」の有無という切り口で剖解した#3~5は秀逸。(恥ずかしながら、かの「連合」赤軍が京浜安保共闘と赤軍派の合体であり、「禁欲的な党派である」前者と「都市文化の洗礼を受けた」後者の風土差がリンチ事件を生んだ背景にある(31頁参照)ことは、本書で初めて知りました。かつての水戸藩や今日のISも同じことだったとは。)「二層構造性を・・・備えていないと、思想は生き生きと人を動かさない」(39頁)という指摘も目鱗。思想的純化・尖鋭性といい加減さ・地べたの普遍性の二重合金、これこそが強さとしなやかさの秘訣。企業経営にも同じことが云えましょう。『増補 もうすぐやってくる尊王攘夷思想のために』も、併せて読みたく。