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紙の本
蜻蛉日記 (角川ソフィア文庫 ビギナーズ・クラシックス 日本の古典)
美貌と歌才に恵まれ、藤原兼家という出世街道まっしぐらな権門の夫をもちながら、蜻蛉のようにはかない自らの身の上を嘆く道綱母の21年間の日記。上巻の15年を中心に、中・下巻と...
蜻蛉日記 (角川ソフィア文庫 ビギナーズ・クラシックス 日本の古典)
蜻蛉日記 ビギナーズ・クラシックス 日本の古典
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商品説明
美貌と歌才に恵まれ、藤原兼家という出世街道まっしぐらな権門の夫をもちながら、蜻蛉のようにはかない自らの身の上を嘆く道綱母の21年間の日記。上巻の15年を中心に、中・下巻と鋭く人生を見つめ、夫の愛情に絶望していく心理を繊細に描く。現代語訳を前面に出し、難解な日記がしっかり理解できるよう構成。千有余年の時を超えて真摯に生きた一女性の真情が伝わってくる。現代語訳・原文ともにふりがな付きで朗読にも最適。【商品解説】
目次
- 上巻
- 中巻
- 下巻
- 解説
- 一 『蜻蛉日記』について
- 二 堀辰雄『かげろふの日記』『ほととぎす』
- 三 室生犀星『かげろふの日記遺文』
- 四 参考図書
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紙の本
女心は昔も今もみな同じ
2006/03/26 12:33
6人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ろこのすけ - この投稿者のレビュー一覧を見る
「かくありし時過ぎて、世の中に、いともはかなく、とにもかくにもつかで、世に経る人ありけり。」
(こうして女盛りの時もむなしく過ぎ去ってしまって・・・)
という序文からはじまる「蜻蛉日記」。
平安時代中期、十世紀末ごろ書かれた日記文学である。
作者は本朝三美人の一人ともいわれ、歌人としても評判が高かった才媛「藤原道綱の母」である。
作者は19歳で藤原兼家の妻となった。
夫、兼家は右大臣藤原師輔の三男。情が深くて、出世街道驀進の御曹司、冗談好きの色男。和歌もそこそこに詠み、教養もある超もてもて男。
一方、作者はたいそう美人で、和歌に秀でている才女。プライドが高く、お嬢様育ちの女。
この二人が結ばれて、人も羨むカップルの誕生のはずが、モテモテ夫は一夫多妻の時代とあって、あっちにふらふら、こっちにふらふら。
お嬢様育ちの女はプライドが高くて甘えべた、美人なのでこびたりへつらったりするなんてできない。
さあさあ、どうする、どうする?
すねたり、喜んだり、いじけたり、悲しんだり。もてもて夫をひたすらむなしく待ち続けた21年間の女の苦悶。それが「蜻蛉日記」と、ひとくくりにしては実も蓋もない。
そこは天下の和歌の名人にして才媛。むなしい結婚生活を上巻(15年)、中・下巻(各3年)、計21年分を回想して書かれた日記文学となっている。
本書が一千年も前のものとはとても思えないほど身につまされ、身近に感じるから不思議。
なぜだろう?文明が発達しても男と女の生態や思考は変わらないからだろうか。
夫の浮気相手に嫉妬したり、待ち焦がれていた夫に素直に甘えられないで、つい、いやみを言ってしまったり・・・
女心の愛らしさ、いじらしさ、醜さ、矜持、など作者の心の揺らめきが深い陰影を帯びてその華麗な和歌と共に読者の胸に食い込んで共感と哀感とを呼ぶのである。
歌人としても名だたる作者の和歌はひときわの光彩を放っており、この和歌をとりまく詞書としての日記は文学の香り高い。
内面を物語る日記文学は紀貫之の「土佐日記」から受け継ぐものであり、本書はこの先、誕生する「源氏物語」の先駆的役割も帯びている。
さて、この一千年前の日記文学がすいすい読めてしまったのはなぜだろうか?
その秘密は本書の構成の妙に負うところ大なのである。
すなわち、本書は現代語訳と原文を併記し、その後解説がついており、実に分かりやすく、読みやすく、古典に親しみやすくなっている。
「ビギナーズ・クラッシック」と銘打っている道理である。
歴史をひもときつつ、時を超えて真摯に人生をみつめてきた一人の女性の息遣いが確かに現代に届いた作品だった。
紙の本
いつの時代も変わらない
2021/10/27 08:39
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:マリコ - この投稿者のレビュー一覧を見る
夫婦の仲は冷めていても、子どもがいるから、どうにか成り立っている。いつの時代も変わらないなと思いました。
紙の本
王朝日記
2021/04/10 05:26
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:七無齋 - この投稿者のレビュー一覧を見る
源氏物語よりも古い時代の貴族の恋愛模様。古典でも古い時代の私情がわかる。初心者向けなので抜粋であるが最初に現代語訳があり原文の理解が進む。年表も掲載されているので流れもつかみやすい。
紙の本
物語自体はさほど面白くないかも。
2016/05/03 02:35
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:美佳子 - この投稿者のレビュー一覧を見る
古典日記文学を色々読んでみようと思い、「蜻蛉日記」も手にしてみました。ビギナーズ・クラシックスシリーズならではの現代語訳、原文、解説という構成が古文への苦手意識を和らげてくれますが、物語自体はまあ頼りない女の日記と言うことでダンナの薄情さを嘆くことがメインテーマなので、さほど面白くは感じませんでした。