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美佳子さんのレビュー一覧

投稿者:美佳子

789 件中 1 件~ 15 件を表示

電子書籍

電子書籍かがみの孤城

2018/01/21 23:37

名作!

21人中、20人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

「言えない。だけど助けてほしい・・生きにくさを感じるすべての人に贈る辻村深月の最新刊。涙が止まらない、感動溢れる一冊です!」と商品紹介にあるように、きめ細やかな愛情をもって描かれたこの小説には癒しと勇気づける力が溢れています。

主人公・こころおよび主要人物たちが中学生なので、最初は感情移入がどれほどできるかちょっと疑問だったのですが、あっという間にストーリーに引き込まれました。
この不思議な城は何なのか、なぜこの7人が選ばれたのか、本当に鍵があって願い事が叶うのか。という謎解きの枠組みの中で、7人それぞれの事情が徐々に明かされて行きます。

たとえば、こころが「心の教室」とかいう不登校の子供たちのためのスクールに通い、そこの仲間たちとだんだん親しくなって、また理解のあるスクールの先生に癒され、母親の理解と援護を得ながら立ち直っていくという筋書きでも十分ドラマは成立すると思うのですが、それはリアルである一方、もしかしたら平凡で味気なかったかもしれません。けれど、こころはそのスクールにすら足がすくんで行けなかったのです。

そこに「鏡の城」というファンタジーの異空間を最後の逃げ場のように出現させ、そこに集められたの子たちの意外な繋がりが(最後に)明かされる仕掛けが加えられることで、こころの成長物語にぐっと面白味が増しているように思います。

その構成力の秀逸さもさることながら、言葉の通じない同級生や無理解な担任の先生等から受けるこころの衝撃や恐怖や憤懣がきめ細やかな愛情をもって描写されているところも素晴らしいです。是非とも「生きにくい」と感じている人ばかりでなく、10代の子供を持つ親御さんたちや学校の先生や学校教育にかかわるすべての大人たちに読んでもらいたい一冊ですね。そのメッセージが果たして通じるのか、やっぱりかなり疑問ではあるのですが。

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紙の本

原作より面白いかも?!

11人中、11人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

有川浩の「図書館戦争」シリーズを原作とする少女マンガは、原作よりも恋愛・人間関係のほうに重点を置いている。漫画と小説の見せ所は違うので、もちろん原作にはない創作部分もたくさんあるが、原作のイメージを維持しつつうまくLaLa読者層の好みを取り入れることに成功していると思う。登場人物を生き生きと描く弓きいろの画力はすばらしい!特に「堂上教官」が男前に描かれていて、私はすっかりファンになってしまった。

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紙の本

紙の本明日の子供たち

2018/06/12 02:12

繊細な気持ちの機微をやさしい視線で描写

10人中、9人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

『明日の子供たち』は児童養護施設をテーマにしたお話です。実際に児童養護施設に入ってた当時高校生の女の子が著者に、施設のことをより多くの人に正しく知ってもらいたいので、施設をテーマにした小説を書いて欲しいと手紙を書いたことがきっかけで、著者が取材して作品化したとのことです。文庫のあとがきはこのリクエストをした当事者の方が書いています。

元ソフトウエア関係の営業職だった三田村慎平が児童養護施設に転職するところから話が始まります。彼の施設の子どもたちに対する勝手な思い込みが指導担当の先輩や施設の子供たち、特にしっかりした高校生の谷村奏子に初っ端から打ち砕かれ、少しずつ施設の在り方と子どもたちに対する理解を深めて行きます。本編は5章ですが、章と章の間に子どもたち目線及び他の慎平の同僚たちの目線で書かれた番外編が挿入されています。

基本的に慎平目線で書かれていますが、目線は必ずしも固定されておらず、施設に入所している当事者と施設関係者たちのそれぞれの思いや人生を踏まえた上で、互いにぶつかり、悩み、迷い、歩み寄り、関係を築き上げていく群像劇のような印象を受けます。繊細な気持ちの機微がやさしい視線で描写されており、読者をぐいぐいとカナちゃんや慎平ちゃんや和泉ちゃんや猪俣さんなどの世界へ引っ張り込んでいきます。解説込みで522ページは文庫にしては分厚いですが、読み出したら止まらず、一気読みしました。

私も児童福祉問題に関してはくわしくはないので、この小説を通していろいろと勉強させていただきました。児童福祉は社会の投資であり、「負担」ではないというのは私からすれば当たり前の考え方ですが、「施設の子どもたちはいずれ大人になる【未来の票田】」という見方は目から鱗が落ちるほど斬新に感じました。考えてみればそれも道理なのですが、その道理が児童福祉をもっと重視するように政治家に訴える際にとっさに出て来るかといえば、決してそうではない視点だと思います。

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紙の本

紙の本架空通貨

2014/04/12 23:31

破滅の群像

6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

池井戸潤の江戸川乱歩賞受賞作品“架空通貨“、読後感はあまり良くないですね。破滅の群像みたいで。ストーリーはある女子校生の父の会社が破綻し、娘が何か打開策はないか試行錯誤する過程でクラスの副担任をしている社会の先生に相談することで始まる。この先生は実は元商社マンで、信用調査をしていたので、その当時のコネを生かして真相を確かめ、できれば彼女の父の会社を救おうと努力する、というのが主線。所有している社債を期限前に償還してもらおうと発行元の会社に交渉に行ったら、その会社は企業城下町の頂点をなす企業で、自社の資金調達のために社債以外にも振興券なるものを発行しており、それが地元で闇金として流通して地元経済を狂わせ始めていた、というのがサブ舞台。かなり読み応えあるけど、ハッピーにはなれない (・へ・)
しかし、文学としての完成度は非常に高いと思う。

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電子書籍

電子書籍花嫁選びの儀、獣王の黄金愛

2016/06/19 20:37

姫と獅子の純愛物語

5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

表題の通り、お姫様と獅子の純愛物語なのかと思いきや、もうひとつの一途な愛が隠されていて、二度美味しい作品でした。不覚にもちょっと涙ぐんでしまった。

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紙の本

紙の本空飛ぶ広報室

2016/05/22 22:49

自衛隊ラブコメシリーズとはまた一味違った自衛隊作品

5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

この作品は実際のエピソードや人物をモデルにしているそうで、非常にリアリティーに富んだ物語となっています。P免になった空井大祐の葛藤と広報官として立ち直る過程、そして記者からTVディレクターに不本意に転身させらえた稲葉リカの苦悩。日本で職業を持つ女性の悩みも、往々にして理不尽な批判・言いがかりを受ける自衛官の悔しさなど、リアルな人間ドラマが盛りだくさんです。
311後に加筆された「あの日の松島」では、松島基地がどのような被害にあい、自衛官たちがどのように被災者救援活動をしたか、またその時どんな思いを抱えていたのかが、描かれています。思わずもらい泣きしました。

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電子書籍

普通の人たちの言葉がぎっしり

5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

チェルノブイリ原発事故から約10年経って、被災者や、リクイダートル、その妻たち、「チェルノブイリの子ども」たち、などの言葉が集められたこの本はデータや情報としてのチェルノブイリではなく、普通の人たちにとってのチェルノブイリ、放射能なんて聞いたこともない、危険性など理解できないあるいは理解できなかった人たちにとってのチェルノブイリ原発事故の側面を見せてくれます。分からないでもがく人たち、または分かり過ぎているがゆえに政府や党の方針とぶつかりもがく人たち、自分が死ぬことを理解している子どもたちなどなど、決して読んで気持ちのいい話ではありません。でも、貴重な体験談や感想です。

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紙の本

目から鱗

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

本書の目的は、明治維新→大日本帝国憲法制定を日本の立憲主義の原点とする見方を「長州史観」として断罪し、赤松小三郎という優れた兵法学者で政治思想家にスポットを当てることで、幕末期に既に現行の日本国憲法の理念と比べて遜色のない内容の憲法草案「御改正口上書」が存在したことを示し、明治政府(長州レジーム)による大日本帝国憲法が幕末期の憲法草案に比べて、いかに内容的に後退した、専制体制と軍の暴走を可能にするとんでもないものであったかを明らかにし、現在安倍政権が改憲の根拠としている押しつけ憲法論議が長州レジームを踏襲するもので、それがいかに危ういものであるかを批判することにあります。
関良基氏は、政治的な目的を遂げるためには手段を選ばず、人の命を犠牲にすることもなんとも思わないという思想の起源の一つとして吉田松陰と松下村塾を挙げており、玉砕しても良いと精神論で戦争したがるのが松蔭主義者の特質であると喝破しています(p179)。あとがきでも吉田松陰を尊敬する安倍晋三首相の危うさを再三指摘し、だからこそ今「明治維新」を見直し、長州レジームから脱却することが現在日本の喫緊の課題だと訴えておられます。

ここまでくっきりと歴史と現代が繋がっていることが記された歴史関係の本は珍しいのではないでしょうか。非常に興味深く、目から鱗が落ちる体験をしながら読ませていただきました。

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電子書籍

電子書籍ハヤブサ消防団

2022/11/29 08:25

誰が本当の敵なのか、スパイが誰なのか分からない

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

『ハヤブサ消防団』は、亡き父の故郷に東京から移住した売れないミステリ作家・三馬太郎が主人公のミステリーです。
中国地方の田園地帯。田舎なので人々はよそ者には開放的ではないのですが、太郎は両親の離婚のせいで疎遠になっていたものの、祖父母が健在の時代は訪れることもあったので、「ああ、野々村さんとこの息子か」と出戻った村の子のようにすんなり受け入れられます。
濃厚な人間関係も含めて田舎暮らしの醍醐味と心得、村人たちに誘われるまま自治会に入り、その会合の後の飲み会で、今度はハヤブサ地区の消防分団に勧誘を受け、それにも愛郷心を示そうとして引くに引けなくなって入団することになります。
そして入団式の日、放火と思われる火事が起きて早速出動することに。実はハヤブサ地区では立て続けに謎の火事が起こっており、放火か過失または事故かうやむやになったままで、村人たちは何かおかしなことが起こっているという不安に苛まされており、消防団は村と村人を守るために気合を入れています。
もう1つの村の悩みは太陽光発電の会社による土地の買い取りだった。村人が様々な事情でその会社に土地を売り、その後に作られたソーラーパネルパークが景観を損ねています。その会社が土地を買い占めようとしているのは他に目的もあるようだ。
長閑な田舎に放火犯、殺人犯、ソーラー会社、ハヤブサ地区にいい感情を抱いていない村長、新興宗教などが複雑に絡み合い、不穏な影を落とす中、太郎はミステリ作家としての推理力を発揮して真相の究明をめざしますが、その身には危険が迫り、誰が本当の敵なのか、スパイが誰なのか分からなくなり、ハラハラします。
見事な長編小説です。

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電子書籍

電子書籍十角館の殺人〈新装改訂版〉

2018/12/16 15:23

「そしてだれもいなくなった」のオマージュ

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

『十角館の殺人』は文藝春秋の東西ミステリーベスト100(2012)の第8位にランクインしている日本の本格ミステリーの一つで、アガサ・クリスティーの『そして誰もいなくなった』をなぞった、無人島に集まった男女が外界との連絡手段がないまま次々に殺されていく話です。もちろん動機や使われたトリックも違いますし、犯人が死なないという点も違います。

舞台となるのは角島と呼ばれる個人所有だった小さな島で、そこでは半年前に所有者中村青司とその妻および使用人夫婦が青屋敷と呼ばれる本館で殺害された上焼死体となって発見された曰く付きの場所。この四重殺人の犯人はその事件以来行方不明となっている庭師と推測されているものの腑に落ちない謎が多く残っている状況です。その島には建築家であった中村青司が自ら建てた十角館と呼ばれる別館が残っており、その物件を不動産業者が買い取り、その甥が大学のミステリー研究会のメンバーに島を訪れることを提案します。こうして5人の男と2人の女が角島へ集まって1週間滞在することになります。彼らは本名ではなく海外のミステリー作家の名前を渾名として呼び合っており、それ自体が犯人を読者から隠すトリックとなっています。

角島に行ったミステリー研究会のメンバーとは別に、元メンバーである江南孝明(かわみなみたかあき)のもとに「お前たちが殺した千織は、私の娘だった」というワープロ打ちの手紙が死んだはずの「中村青司」から届きます。ちょうど春休みで暇を持て余していた彼はこの手紙の謎を追及する過程でこの館シリーズの探偵(?)島田潔と知り合い、共に半年前の事件の解明に向かいます。

ストーリーは島の状況と本土での調査状況が交互に語られながら進行していきます。次々に殺害されていく様子は『そして誰もいなくなった』に似ているところがかなりありますが、磁器の人形が壊される代わりに「第一犠牲者」「第二犠牲者」「第三犠牲者」と書かれたプレートが犠牲者の部屋のドアに貼られて行きます。これらのプレートは島に上陸した翌朝に十角館の中央ホールに並べられます。「犠牲者」のプレートは5人分で、後は「探偵」と「殺人犯人」と書かれたプレート。それが本当に殺人予告なのかミステリーファンならではのただのいたずらなのか議論になりますが、残念ながら本物の殺人予告であったことが翌朝に明らかになります。

犯人の独白が最後にあり、一見裁きを逃れたかに見えるのですが、最後の最後で「審判」が来るところが物語として引き締まった終わり方で素晴らしいと思いました。探偵の島田が「犯人を突き止めた」と明言せずに暗示に留めているところもすっきりしていい印象を受けました。

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電子書籍

電子書籍ツナグ(新潮文庫)

2018/01/22 09:54

心が震えて、癒される

4人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

一生に一度だけ、死者との再会を叶えてくれるという「使者(ツナグ)」のお話。突然死したアイドルが心の支えだったOL、年老いた母に癌告知出来なかった頑固な息子、親友に抱いた嫉妬心に苛まれる女子高生、失踪した婚約者を待ち続ける会社員。

もし一生に一度だけ死者に会えるとしたら、誰に会いたいか、まずはそこからして重い問いです。それができるという前提で進行する物語ですが、依頼者にはそこに至るまでのそれぞれの事情と葛藤があり、それを描写する筆致が素晴らしいです。「アイドルの心得」と「長男の心得」はどちらかというと「ほっこり」する展開ですが、「親友の心得」はどちらかというと心をえぐられるような痛みのある展開、「待ち人の心得」は切なく、そのすべてのエピソードの裏側を描く「使者の心得」で諸々の事情に合点が行き、また仲介者としてその邂逅の前後を目の当たりにする17歳の少年・歩美の感じ、考えたことは何かが語られますが、彼の出した結論は祖母に対する思いやりに溢れていて「ほっこり」できます。

辻村深月の作品を読んだのはこれで3作目ですが、この方は人と人の関りとその関係の中で生まれるあらゆる感情を細かな心の襞まで言語化できる鋭い観察眼と筆力を持っているのだと思います。そして彼女の言葉から感じられるのは包み込むような優しさで、今回もまた泣かされました (´;ω;`)

娯楽性やエンタメ性が極めて低く重いテーマですが、心が震えて、癒される作品です。

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電子書籍

電子書籍言いにくいことの上手な伝え方

2016/06/16 18:34

お役立ち情報満載

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

「言いにくいことの上手な伝え方」は期待以上のお役立ち情報が満載でした。
たとえば「雑談力」の基本は聞く(質問する)力として、上司や同僚、男女別に適したネタの例が具体的に挙げられていたり。
また、『困った』人の分類・分析そしてそれぞれの対処法も常に具体例が挙げられているので抽象的にならず、分かりやすく参考にしやすいです。
オブラートに包んだ言い回しの例もたくさんあって、すぐに使えそう。

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電子書籍

電子書籍漫画家 アリスンセット vol.2

2016/05/23 08:19

いいセレクション

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

アリスンの作画の素晴らしさもさることながら、収録作品のストーリーもどれも素敵なお話。私的には「不公平な恋の神様」一番きました。

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電子書籍

愛がありますねー

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

表紙の絵の美しさにつられて買いました。
最初はなかなか話が見えなかったのですが、異次元の存在であるデーモンが地球で己を支配し繋ぎとめられる存在「鎖」を探し、その過程で接触した「鎖」になる素質のない人間は時間が逆流して無に帰ってしまう。デーモンたちの本能は「鎖」、更には「聖典(サクリード)」といえるものに出会い、そのものから愛の言葉を受け取ると、本来永遠に生きられる彼らは「恍惚の死」を得られる。一方、人間の方は彼らを駆除するための組織を世界規模で立ち上げて、増えすぎたデーモンたちと戦う。
母から「鎖」の素質を受け継いだもな。双子のりなは母がデーモンであるミカと接触したときに、体内で2次接触をしたため、遅行性の「逆行症候群(リターン・シンドローム」を発症し、少しずつ若返ってゆく。もなはりなを救うため、ミカの勧めるまま呼び出されたデーモン(ビースト)を支配下に置く。ビーストは「K2」と名付けられる。「デーモン聖典」はこのK2の成長物語でもあります。私は彼が一番かわいくて好きです。
記憶喪失になって身寄りのないもなとりなを遠縁として引き取った忍もいろいろ訳アリですが、トラウマもあったりしていい味出してます。
「デーモンたちが愛の言葉による恍惚の死を求める」というのは変わった着想で、面白いですね。

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紙の本

日本への米国の干渉波想像以上!

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

孫崎享氏の「戦後史の正体」(386p)、いろいろ衝撃的でした。想像以上にアメリカが日本の内政に干渉していることが克明に記されています。ザックリまとめると、アメリカに都合のよくない政権は短命になるということ。その為に活躍したのがGHQであり、CIAであり、親米派の官僚やマスメディアでした。きっと現在もそうです。

踏んではならないアメリカの「虎の尾」とは:1.米国抜きの日本の独自外交、特に日中関係の強化や、2.日米軍の削減・または撤退、3.冷戦後は日本の経済的繁栄(これを崩すためのプラザ合意、米国債買い、TPP)です。

政権を倒すパターンは孫崎氏によると以下の通り。

1.占領軍の指示により公職追放:鳩山一郎、石橋湛山
2.検察が起訴し、マスコミが大々的に報道し、政治生命を絶つ(検察、中でも特捜部の前身はGHQ指揮下の「隠匿退蔵物資事件捜査部」で、設立当初からアメリカと密接な関係):芦田均、田中角栄、小沢一郎、(竹下登のリクルート事件もこのカテゴリーに入る可能性あり)
3.政権内の重要人物を切ることを求め、結果的に内閣を崩壊させる:片山哲、細川護熙
4.米国が支持していないことを強調し、党内の反対勢力の勢いを強める:鳩山由紀夫、福田康夫
5.選挙で敗北:宮沢喜一
6.大衆を動員し、政権を崩壊させる:岸信介(60年安保にはCIAが日本の財界を通して資金提供)。
6のパターンはイランのパーレビ国王打倒・イラン革命、エジプトやチュニジアの『アラブの春』等でお馴染ですが、岸信介の場合、自身がCIAのエージェントだったという噂もある人なので、意外でした。どうも彼の「駐留米軍の最大限の撤退(有事駐留のみにする)」と「日中貿易拡大」路線がアメリカの逆鱗に触れたようです。
これに比べれば鳩山由紀夫の「最低でも県外」という要求など可愛いものですが、あっさり葬られましたね。


「米国からの圧力」を軸に戦後70年を読み解く、という本ですが、実際そういう視点で戦後史を見ていると色々と辻褄が合ってきて、納得できることが激増します。今後も様々な政治家のスキャンダルがマスコミで騒がれることがあるでしょうが、その渦中の人物がどのような政治姿勢を持っていたか、米国の「虎の尾」を踏んでないかどうかを考えてみれば、でっち上げかそうでないかが見えてくるかもしれません。

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