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商品説明
2005年4月25日に起こった福知山線脱線事故の原因は、旧式ATSでも急カーブでもない。問題点を洗い出して逐一検証し、事故の真の原因は何だったのかを探る。新聞・テレビではわからなかったことが本書で明らかに!【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
川島 令三
- 略歴
- 〈川島令三〉1950年兵庫県生まれ。東海大学鉄道研究会を経て『鉄道ピクトリアル』編集部に勤務。現在、鉄道アナリスト、早稲田大学非常勤講師。著書に「東京圏通勤電車事情大研究」「私の電車史」など。
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紙の本
メディアの事故報道で見られたミスリードの裏事情にもの申す
2005/08/07 11:24
7人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:走ルンです - この投稿者のレビュー一覧を見る
福知山線尼崎の脱線事故は、現在も事故調査委による検証が続けられているところであり、軽々な断定は慎むべきところですが、このタイミングでの出版は、著者自身にも逡巡があったことがプロローグで語られております。
それでも鉄道アナリストとして報道現場に関わった著者として、いかにメディアによってミスリードされてしまったかについて、また本当の原因は未だ不明ながら、再発防止の観点から、既に動き始めた安全対策の成否も含めて、あえて言わなければならないという思いは理解できます。
実際報道に関わって、悲惨なVTRを何度も見、現場へも何度も足を運んだ著者のリアリティを伝えることの意味は大きいと言えます。
折しも8/5に事故調査委が通常カーブ手前でかけられるはずの常用ブレーキが、高速でカーブに突入してからかけられた点を指摘して、なぜブレーキが遅れたかに焦点が移ってきているタイミングですが、当然本書では反映されておりません。著者自身も慎重な言い回しで原因の断定は避けておりますが、報道ではあまり重視されていないブレーキの異常の可能性やボルスタレス台車の安全性への疑問など、議論の余地が多分にあるところです。
大事なのは事故の原因を当てることではなく、事故を教訓に再発を防ぎ安全性を高めていくことですから、そういった意味での建設的な議論が望ましいですし、それが安全を高めることにもつながると書評子は愚考いたします。
とかく毀誉褒貶激しい著者ではありますが、まずは一読の上、議論に参加していくというスタンスでつきあうのが良いのではないでしょうか。その意味で多くの方に読まれることを願います。