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- カテゴリ:一般
- 発行年月:2000.7
- 出版社: メディアファクトリー
- サイズ:20cm/257p
- 利用対象:一般
- ISBN:4-8401-0054-3
紙の本
おまえは世界の王様か!
著者 原田 宗典 (著)
小説家を目指していた20歳のハラダくんは、読後感想のメモから演劇や映画のこと、日記までをカードに綴っていた。この読書ノートをめぐり、40歳のハラダさんとやりあう抱腹エッセ...
おまえは世界の王様か!
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商品説明
小説家を目指していた20歳のハラダくんは、読後感想のメモから演劇や映画のこと、日記までをカードに綴っていた。この読書ノートをめぐり、40歳のハラダさんとやりあう抱腹エッセイ。『ダ・ヴィンチ』連載を集成。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
原田 宗典
- 略歴
- 〈原田宗典〉1959年東京都生まれ。早稲田大学第一文学部演劇科卒業。84年「おまえと暮らせない」ですばる文学賞入選。著書に「ゆめうつつ草紙」「青空について」「道草食う記」など多数。
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紙の本
読書王時代の自分に苦笑、ハラダ氏のタイムトラベル書評。
2001/03/26 20:38
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:澤木凛 - この投稿者のレビュー一覧を見る
この本、少し変わったタイトルがついているが、王様とは実は原田氏自身のことを指していっている。いや、正確に言うと二十年前の二十歳の時の原田氏のことをさして四十歳の氏が言っているのである。
ことの発端は氏が実家に帰ったときに母上から「あんたが昔かいてたカードが沢山出てきたよ」というところから始まる。氏は二十歳くらいの時に読書記録を京大式カードに書きつづっていたのだ。それが二十年の時を経て発見された。読んでみると、実に偉そうなことが書き記してある。今の氏をして「お前は世界の王様か」と言わしめるばかりの感想文なのである。これを取り上げて笑ってみよう、というのがこの本はスタートしている。実に楽しい構成で、読んでいてなかなか愉快である。
この手の本を面白くなるかそうでないかの境目は何だろうか。これは「書いている本人が楽しんで書いているかどうか」という部分が大きいと思う。本人が「これはむちゃくちゃ面白い!」と思って書いているとやはり読む方もそれに引きずりこまれていく。逆に本人が楽しめないものは読者も夢中になれない。この本では昔の自分との対話が楽しいであろう。昔の自分の日記を読むと「こんなこと考えていたんだ」とか「むちゃくちゃ言っているなぁ」とかがあって、しかもそのことをいくらでも批判しても誰も怒らない(当たり前だけど)。昔の自分との距離があいていればあいているほど、そのギャップが大きくなって面白い。ちょうど昔の自分が書いた日記をみて笑ってしまうのと似ている。
推奨の一冊、小難しいことは一切無し、すっきり読める。しかし、なんといっても偉大なのは「若さ」か。これだけの読書を毎日飽きることなく続け、それを記録として残しているところにこの本の最大の素晴らしさがある。若い頃のインプットがきっと原田氏を「かっちょいい」オヤジにしたのだろう。この本を読んで自分も「もっと精進しないと」と思ったらそれで十分読む価値はあったといえる。
紙の本
勘違いバンザイ!
2001/01/20 00:28
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:nory - この投稿者のレビュー一覧を見る
この本は著者が大学生のときに書いた数百枚の読書カードを、いまになって身悶えして恥ずかしがりながら振り返っているものだ。学生時代の著者は「おまえは世界の王様か!」と突っ込みたくなるようなおごりたかぶった態度で、文豪たちをメッタ斬りにしている。
三島由紀夫を駄作と言い切り、安部公房を類型的と揶揄する。大江健三郎にいたっては、小説を図解したあとに陳腐と結論付ける。いやぁ、若さってスバラシイ!しかしこの高飛車な態度は、こころざしの高さゆえの所産だと思う。この時点ですでに小説家を目指してしたため、文豪たちがライバルにみえたのではないだろうか。
それにしても、現在の原田宗典のあたふたとして謝りっぱなしの解説がめちゃめちゃ笑える。
人間勘違いしてまで王様(もしくは女王様)にならないとなんにもできないときがあると思う。恥や遠慮なんかいらない。自分自身の頂点、つまり王座にたどりつくためのエネルギーは、王様になりきることによって生まれるのだ。ただし、裸の王様になる危険性もあるのだけれど。