紙の本
俳諧と短編の組み合わせ
2023/05/14 07:58
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:nekodanshaku - この投稿者のレビュー一覧を見る
最短の文学・俳句と、それをタイトルとした短編が織りなす短編集は、興味深い試みだと思う。個々の俳句自体は優劣は不明だが、平凡な句であるとしても、17音の奥に潜む物語が彩り豊かに紡ぎだすのは、作者の技量が素晴らしいからだ。凡々と彩り豊かな物語集だ。「枯れ向日葵」のやるせない思い、「鋏刺し」の庭の鶏頭の花が切られつくされた情景、など言葉により情景が、絵画が浮かび上がる。身近な生活の中に彩りを見出す俳諧と短編、これからも2巻、3巻へと続くのだろう。
紙の本
一編の俳句から
2023/05/29 11:56
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:hid - この投稿者のレビュー一覧を見る
想像力の賜物ですね。
人の心の中にある黒い部分が出てきてる作品が多かったのは、
最近の宮部さんの作風のせいかな。
俳句の作者さんも楽しみでしょう。
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出会えてよかったと思える本のひとつ。
俳句から想像の旅に出て、一編のお話ができあがるって素敵です。魔法みたいです。
12編どれも味わいは違うのですが、リアルな肌触りのものが多く、あまりにもタイムリーなニュースとシンクロしてしまう話もありぞっとしてしまいました。
第二弾、第三弾と永遠に続いてほしいです!
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親しい人達で集っていたグループが句会に発展!
そのメンバーの作った俳句をタイトルにした短編小説w
メンバーは句会の「凡手」だけど、お菓子のボンボンのように、繊細できれいで、彩り豊かな句を読みたいと願っていて、その句を題材に書くこの短編集も彩り豊かなものに…との願いを込めて『ぼんぼん彩句』というタイトルに。
……彩り豊か? ほぼほぼホラーじゃんっっ!!!www
ええ、嬉しい裏切りで、楽しく読みましたけどねwww
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宮部さんの新刊ということで、内容も知らず読み始めたら、久しぶりの先が気になるような短編がたくさんあり一気に読了。俳句と短編がセットになっていて、短編ごとに読み終わった後、俳句を何度か見返しました。
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宮部さんの俳句仲間が創作された俳句を題材にした短編集。12話が収録されています。
そういえば、宮部さんの現代モノってイヤミス要素強めだったよね・・・という訳で、本書も全部ではないですが、サイコホラーといいますか人の悪意を絶妙に描いた“嫌な”お話が結構あります。
「月隠るついさっきまで人だった」のモラハラDV男。
「薔薇落つる丑三つの刻誰ぞいぬ」のほぼ犯罪グループ化したクズ人間。
「山降りる旅駅ごとに花びらき」の意地悪母&妹。
そして「鋏利し庭の鶏頭刎ね尽くす」のヤバすぎる夫とその家族。等々・・・。
所謂、“人として終わっている”その救いようのなさを、宮部さんの筆力でリアリティに描かれているので、“お豆腐メンタル、しかも絹ごし”の私には正直胃が痛くなるような展開もありました。
ですが、話としてはそれぞれレベルが高くて、引き込まれるものがあるので、やはり読ませる力は流石ですね。
個人的には「プレゼントコートマフラームートンブーツ」「冬晴れの遠出の先の野辺送り」の二話が、後味良くて好きでした。(後者の方は哀しさもありますけど)
あとがきを読むと、“二巻三巻と続けていきたい・・”とありましたね。なんだかんで続編出たら読んじゃうと思いますww。
因みに、一見きれいな本書の表紙ですが、よく見ると鋏と切られた鶏頭のイラストが「鋏利し庭の鶏頭刎ね尽くす」のラストを彷彿とさせて、思わず“怖っ”と身震いした次第です。
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仲間の俳句から連想して作られた12の短編
読後改めて俳句を読み上げ、俳句の作者さんになってみる。くすりと笑えたり、そう来る?となったり、流石だわと感動したり。一番好きなセットは平和さんの俳句とお話かな。ほのぼの
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この本の評価のポイントは、
俳句を章終わりに入れるべきだったかどうか
の是非です
♪♪♪
評価は
★ひとつ、マイナス~
私からの一言
俳句なくても別にいい
てっきり、宮部さんがプレバトにハマって
流行りにのって企画したものだと思ってました。
あとがきで、違うんだとわかりましたが…。
お話自体はどれもサイコパスがいっぱい出てきて
好きでしたよ
ただね~
最後の俳句で、なんじゃそれっ
ってなる
別になくても成立してるし
俳句があることによって際立つわけでも無し
普通に書いたらいかがでしょうか
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新しい試みの本。私は好きかも。俳句なので爽やかな物語が多いと勝手に思い込んでいたらいい意味で裏切られた。。。
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12人の仲間が詠んだ12の俳句。
俳句を読んで想像するのはそこにあると感じる景色だけの私には、その奥の奥に踏み込んで物語を創造するなんて!!としか言えませんでした。
さらにその創造の内容は少しずつ斜めに行くんですよ……
いろんなところに連れて行っていただきました。
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12編の短編集。いずれも内容にちなむ俳句で締め括られる。著者としては新しい試み。彩り豊かにという意図から内容は多彩なジャンルで構成されていた。家族や夫婦の話、婚約者の裏切り、不思議な現象、SF、ホラー、サスペンス、野辺送りという題材での日本原風景など。
だが、いずれの話も文末の俳句との融合性には無理があるように思われ、俳句が地に足つかず浮いているような感じがした。
物語の内容も印象に残るほど練られたものではないと感じた。
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「物理屋には歌詠みは多いが俳句詠みは少ない」と聞いたことがあります。
季語という縛りがある上に、語数の制約もきついからでしょうか?
最近は短歌を楽しむ人が増えているようですが、本書は俳句をタイトルにした25頁前後から成る12編の短編小説集です。
俳句の解説集ではないので、タイトル句の作者の創意とはかけ離れた物語になってもOKという内容です。
本書を「第一巻」と言っていて今後も創作を続けるようですが、年に3編ほどのペースなので「第二巻」は4年後でしょうか。
角川の「俳句」という雑誌に寄稿したものの単行本化でした。
肝心の各短編の内容ですが、少し物足りなさを感じました。
俳句→物語 というチャレンジングな創作なのですが、宮部みゆきさんの作品は十分に練られた長編が好きなのかも知れません。
私に俳句心がなさすぎるのか、作品タイトルになっている俳句の意味もよく分からないし、
各物語の最後にもう一度、俳句が登場するのだが、作品内容とうまく結びつけられなくてモヤモヤしました。
宮部みゆきさんは、存在自体が不愉快に感じるように邪悪な人を描写するのがうまい。
だが、短編で次から次へと気持ち悪い人物が登場してくるので、読後感は良くなかった。
タイトルと表紙の絵から、爽やかさと人情味を期待して読み始めてしまったのが失敗でした。
期待を裏切られながらも読めてしまったのは、先を読みたいという気にさせる宮部みゆきさんの文才なんだろうなと思います。
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Amazonの紹介より
俳句と小説の新しい出会い。17音の奥に潜む繊細で彩り豊かな12の物語。
宮部みゆきが深い洞察力と鑑賞力で12の俳句から紡ぎだした玉手箱。社会派からホラー、SFに至るまで、あらゆるジャンルに足跡を残してきた宮部文学の新たなる挑戦!
一つの句から、一つの短編小説へと話が膨らんでいくことに宮部さんの凄さが窺えました。
てっきり、小説を元に俳句が完成されたのかと思いきや、それぞれの人が句会で発表された句を元に宮部さんが書いたそうです。なので、句を作った本人にとってみれば、違う解釈で小説が書かれた作品もあるので、俳句の解釈の奥深さを感じました。
全体的にSFやホラーなどバラエティに富んではいるものの、婚約破棄や浮気、供養といった暗い話ばかりでした。ただ、最終的には、前向きにといった明るい兆し?のような展開でしたので、気持ちとしては、そんなに重い気持ちにはなりませんでした。
ただ17音だけで、こんな世界が広がるんだといった宮部ワールドを堪能できました。それぞれの作品の最後には、もう一度俳句を紹介されるのですが、内容を知った後に俳句を読むので、また違った楽しみ方ができ、読了後ジワジワと俳句の奥深さを感じました。
時折感じる、不気味な雰囲気を漂いながらの怖さがたまらなかったです。
個人的に印象深かったのは、
「鋏利し 庭の鶏頭 刎ね尽くす」
「山降りる 旅駅ごとに 花ひらき」
「薔薇落つる 丑三つ刻 誰ぞいぬ」
でした。どれも嫌な展開ではあったものの、最後はスカッとしたような余韻に浸れたので、面白かったです。
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◆おすすめ度◆
・ユニークなミステリー短編小説集度:★★★★
・登場人物がヤバそう度:★★★★
◆感想◆
句会の仲間が作った俳句をヒントに短編小説を作っちゃうという、一枚の写真から短編映画を作るような、お題噺みたいな。
著者の小説には心優しい人物がよく登場しますが、本書は珍しくアブナイ登場人物が多いかんじです。
『鋏利し庭の鶏頭刎ね尽くす』の登場人物が、本当は一番ヤバそうです。
桑原桑原。
それはそうと、俳句をヒントに短編小説を作るという離れ業。 普通は思いつかないですよね。もう軽業師なみのテクニックです。
コミュニティ力が強い女性ならではの発想でしょうか。
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俳句からのインスピレーションで生まれた短編集。
宮部みゆきファンで、短歌(惜しい!)好きの自分には、まさに一冊で二倍の美味しさ!でも宮部みゆきが俳句にハマっているとは知らなかった。
まだ続編があるようなので、楽しみ。