紙の本
重松先生の本ってどうしてこんなに優しいのでしょうか
2022/03/08 14:52
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ぴんさん - この投稿者のレビュー一覧を見る
教師を引退し、息子夫婦を事故で亡くしたアンミツ先生は、血縁のない孫・翔也と生活することになる。大人になった教え子にも再会する。不登校になったり定職に就いていないことは負けなのか、正しさと幸せについて、家族を亡くすことについて描かれた作品。震災や学校教育の話など決してライトではないけど、心温まる物語です。アンミツ先生の他の教え子の話も読んでみたい。
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小学校教師を定年退職したアンミツ先生。唐突に嫁の連れ子の義祖母としての生活が始まってしまった。かつての教え子たちに出した手紙への返信は少なかったが、そこから新しい出会いがあり新しい関係が始まった。
何歳になっても人は学べるし、子供からでも孫からでも学ぶことはできるのだ。
教師になることはできないけれど、大きなおとなで在りたいとは思う。
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なるべく「素直に読むよう」に心がけたので良かったです。
斜に構えて読んでしまうと、ちょっと胡散臭かったかも知れません。
ただ、胡散臭くても、これは大事な話なので、書き切る必要のある小説だったのだと思います。
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復興のために頑張る被災地の人たち、学校教育のあり方などを考えさせられる本でした。
個人的にはテンコさん関連の話が読んでて辛かったです。
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重松清さんの長編作品という事で、ある程度気持ちを決めないといけないと、覚悟して読み始めた。
子供の死、引きこもり、余命、震災と重た過ぎるテーマが重なり読み切れるかなと言う思いがあったが、読了。
人生讃歌と言ってしまうと軽くなってしまうかもだけど、いろんな人物の考えが交差し考えさせられた。
出てくる人、皆が全てハッピーエンドではないのかも知れないけど、良い人生を送ってほしいと思った。
ヒデヨシカッコイイ!最後は読みながら嗚咽してしまった。
また再読しなければと思います
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とても久しぶりに重松作品を読んだ。
アンミツ先生の教師としての考えとおばあちゃん(しかも息子夫婦が亡くなる前はあまりいい関係をつくっていたとはいえない血縁関係のない、かつ学校に行かないと決めている孫)としての思いに揺れ動きながら、返信をくれたかつての教え子と再会し、少しずつ翔也を受け入れていく…。
何度も苦しいなぁと思いながら読んだ。
そして、健夫が翔也に宛てて書き綴っていた日記(手紙)の内容があまりにも優しくて泣ける。こんな「大きなおとな」でありたい。
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長編小説でもあり、ストーリー自体が重たいものでもあったので読むのに結構な時間が経ってしまいました。が、読んでよかったと心から思っています。
正しさもとっても大事だけど、幸せかどうかのほうがよっぽど大事、というフレーズが沁みました。
他人に好かれていないことを自覚しながらもそれを貫こうとしてしまうテンコさんのキャラクターにすごく共感し、ヒデヨシの男らしさにはかっこよさを感じました。
またいつか読み直したい作品です。
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久しぶりの先生が主人公の作品。連載されていたのが、2012年だから、3.11後の作品。教育者である先生から考える幸せとは?生きるとは?人生とは?
いろいろと考えさせられた。めだかよ、太平洋を往け!
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ずっと苦しい話だった~もちろん心温まる、って感じではあるけど、震災を中心に、いろんな人の思いが書かれてて、それを読んでくのはちょっとつらい。重松さん久々読んだから、あ~こういう書き方する人だったな~って思った。
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震災と今の時代を絡めて幸せを題材にしている。両親を亡くし血のつながらない祖母と暮らす男の子を中心に人との関わり、悩み、考えを色々な角度で描いている。バブル期のころは過去を真似、頑張って勝つことが何より大事。だから学校もみんな仲良く、みんな同じ考えでいくことを美としているように思う。ただ、みんなと言っても世界からみたら99.9999%ぐらいの人には会えすらせず人生を終える。人の幸せになれる場所は家庭、学校、会社、その外のどこかにはあるはず。めだかが太平洋を泳いで自分の幸せの場所を探すのと同じぐらい選択肢はある。だから人と比較して悩んだり、人を苦しめたりせずに勝ち負けとかではなく、自分を見つめて幸せになるために泳ぎ続けることが大事だと気づかせてくれた。
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あっと言う間に読み終えた
重松作品全部は読んでいないが、いつも泣かされる
この作品を読みながら、小学生、中学生の自分が横にいるような気になった
そして、その時代に自分の横にいた先生の名前と姿が走馬灯のように思い出された
その評価はあえて控えようかな
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外出先で涙が止まらなくなって困りました。
教育は何が正解かわからないし、その正解が全ての子に当てはまるはずはない。
それでも自分の信念を持って、それを伝えようとする人にこそ教育者になってほしい。
こんな先生が今いるのかわからないけど、本の中のアンミツ先生から教わることがたくさんありました。
個人的には息子の健夫が翔也にあてた手紙が、心に響きました。
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定年退職したアンミツ先生。今までの教え子たちに現況を訊ねる手紙を出す。数十年を経て大人になった教え子。息子夫婦を、亡くし血縁のない登校拒否の孫。東日本大震災の翌年に書かれた感動作品。
2012年から14 年に新聞連載された小説の加筆修正の文庫オリジナル版。
題名はアンミツ先生が卒業生に伝えてきた「太平洋を泳ぐめだかになりなさい」という言葉から。
登場人物は少ないが構成が秀逸。
無限の可能性があると思っていた小学生の頃。大人になった教え子たち、自分の教えてきたことは正しかったのだろうか、先生の自問自答。
同居することとなった血縁のない孫の登校拒否の問題。担任もまた教え子。東日本大震災の被災地支援を通じて、心を開いていく姿が素晴らしい。
重松清作品は決して奥行きの深い職人的なワザがあるわけではなく、登場人物にも如何にも創作された感があるが、ちょっとしたセリフやフレーズが胸を打ち、読んでいるうちに独自の世界に引き込まれて涙してしまう。
無限の未来を持った子供の頃、自身の限界を余命を含め知った大人たち。数十年たったも変わらない深い絆と信頼関係。
教育と震災復興の問題も絡ませた感動作でした。
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(*星4.5相当です)
重松清の凄さを知った
現在活躍している作家の作品を読むという事は、個々人の感じた何気ない事柄を、外側から肯定・補強して貰うことに他ならない。
3.11関連のことをここまで明確に描くためには相当な取材も重ねられただろうし、その心意気と責任に感服しました。
ヒデヨシの生き様、正義漢のテンコ先生、利発な翔也。そしてアンミツ先生の息子の純粋な所。こういう男の人っているんよね、どこまでも優しい。「人の心のやらかい(柔らかい)場所」。
自分はテンコ先生に似た所があるので、ともすれば仕事上のパフォーマンスの良さが最も大切で、人柄や考え方は二の次。になってしまいがちなのですが、そうではないのだよということを教えてくれるメダカ達。わだばクジラになる!
そういえば自分は、そこまで心に残る先生とは出会っていない気がするな。大体は底が透けて見えてたな。と思う程度にはずる賢くて性格の悪い子供でした。
-追記-
重松清といえば、以前NHKの新日曜名作座で朗読を聞いた「ひこばえ」も良かったです。あれは広義における「百年の孤独」だと思いました。
そういう脈々と受け継がれる系の物って、何か芯になるような宗教観とかあるのかな。
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重松氏らしい心にじんわりと響く作品。
518ページあっても、全然長さを感じさせない。
どんどん作品の中に引き込まれる。
生きること、生き抜くこと、そして死。
かなしいけれど、しっかりと今を生きようと思わせる。
大切に持っておきたい一冊です。
メモ
「ひととひとを比べてはいけない」
「迷惑をかけてもいいのよ、心配をかけてもいいのよ、一緒に暮らすっていうのは、そういうのを全部引き受けるってことなんだから」
「どうせすぐに死んじゃうめだかなんだけど、死ぬ前に誰かの役に立つことができて喜んでいるのかもしれないねって」
「すべての子どもには「楽しい場所」が必要なの。だから、教室を少しでも「楽しい場所」にするのが、先生のしごとなのよ。」
「楽しい」というのは、テレビのバラエティ番組のような面白さだけじゃない。「楽」には「ラク」という読み方もある。ここにいれば気持ちが楽になって、心が安らいで、つらいことも忘れられる、、、、そういうのも、とても大事な「楽しい」なのだ
20人21脚
「みんな」の中でほんとうにうまくやっていくたみに必要なものは、じつは「正しさ」ではなく、「ずるさ」だったりするものなのだから。
「正しさ」はとても大切なことでも、「幸せ」の方がもっと大切でもっと尊い。学校とは、子どもたちに「正しい人生」を歩ませるために設けられた教育の場ではなく、子どもたちに「幸せな人生」を送ってほしいからこそそのために必要な知識や知恵や「正しさ」を教える場ではないのか
「ストレスは「解消」じゃなく「解決」しなくちゃだめなんじゃないんですか?」
「そう、優秀な教師や、正しい教師、強い教師じゃなくて、いろいろな子どもたちを包み込める大きな教師になりなさい」
「だって、世界中に何十億人っていう人間がいて、その九九、九九九九九九九パーセントのひととは一生出会えないわけでしょ?だから「出会う」っていうのは「奇跡」と同じ意味だと思ったんだ、僕」