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商品説明
【サントリー学芸賞(第31回)】快適な住居、美しい庭、手作りの原稿用紙、気ままな散歩、温かい紅茶…。荷風作品における女性性や女性的な視点に注目し、新たな荷風像と、その文学世界を紡ぎ出す。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
持田 叙子
- 略歴
- 〈持田叙子〉1959年生まれ。國學院大學大学院博士課程単位修了。近代文学研究者。著書に「折口信夫独身漂流」「朝寢の荷風」など。
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紙の本
カワイイ荷風
2015/01/28 12:05
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:桑畑三十郎 - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書の前半では「散歩の達人」と言われていた荷風を、あえて「家の中の人」という視点からとらえて論じている。家の中でひとり、無為にゆるやかに過ごし、家事をしながらあれこれ物思う荷風。
家事を仕事ととらえ、子供のしつけの一環とも考えていた幸田露伴との対比もおもしろい。女性ならではの視点といってよいだろう。
荷風というと近代文学の大御所というイメージを持っていたが、著者の手にかかると愛すべきカワイイ存在に思えてくる。
本書は第31回サントリー学芸賞を受賞しているが、第1回に受賞した磯田光一「永井荷風」を硬派の荷風論として読み比べるのもおもしろい。
私はこれを機に荷風の作品をいくつか読んだ。「妾宅」のとぼけた文体は漱石の「吾輩は猫である」のようだし、「来訪者」は偽書ミステリー風でおもしろい。また「九月」のこんな皮肉な文章もよい。
「勉強しないと乞食になるぞ。」然し勉強しても社会主義なぞの本を読めば乞食よりもひどい目にあふ。