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商品説明
戦乱の続くなか、旱魃と洪水で荒廃に瀕したアフガニスタン東部地域。過酷な自然に、日本の伝統的な工法で挑んだ15年間の灌漑事業における技術と魂の記録。カラー写真も多数収録。【「TRC MARC」の商品解説】
戦乱の続くなか、旱魃と洪水で荒廃に瀕した農地と沙漠が、伝統工法で甦る。安定潅漑は、偉大な「投資」である。過酷な自然に、日本の伝統的な工法から学びつつ挑んだ15年の技術と魂の記録。【商品解説】
目次
- 総論-アフガン東部の干ばつと対策
- PMSが取水方式にこだわるわけ
- 干ばつの発生機序
- 中小河川沿い地域の問題と対策
- 大河川沿いの問題とPMS取水方式
- 最も経済的な「投資」-干ばつ難民、干ばつと治安
- クナール河流域の気候条件と干ばつ
- 「緑の大地計画」における安定潅漑)
- 技術編-「適正技術の試み」
著者紹介
中村 哲
- 略歴
- 〈中村哲〉1946年福岡県生まれ。九州大学医学部卒業。パキスタンのペシャワール赴任以来、貧民層の診療に携わる。医師・PMS(平和医療団・日本)総院長。
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頭がさがる
2018/11/17 09:24
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:怪人 - この投稿者のレビュー一覧を見る
アフガンで長らく医療や農業支援のための活動を行っている中村哲氏の昨年出版された本である。水路や取水堰等の灌漑技術が主となる内容だ。現地の人々が維持管理できる施設の整備を考える必要があったが、そこには日本の河川技術(粗朶沈床、柳止工、布団籠など)や灌漑技術が多く活かされている。中でも、江戸時代後期に多くつくられた斜め堰をアフガニスタンの灌漑事業に導入した。原形は九州の筑後川に現存する山田堰に多くのヒントを得ている。中村氏は次のように述べている。
「今、改めて山田堰の威容を見ると、胸に迫るものがある。それは単なる過去の遺跡ではない。この堰が時空を超え、アフガニスタン現地六十万農民の生活を保障しようとしているからだ。
よく「あの遅れた時代に、原始的な技術でここまで・・・」という賞賛の声を聞く。しかし、科学に支えられて進歩した筈の現代人は人と自然との関係の中で、その洞察と忍耐、気力と謙虚さに於いて3世紀昔の祖先たちに遙かに及ばない。堰の傍らで地域の変遷を眺めてきた樹齢1400年の大楠はそう伝える。」(P166から引用)そのとおりかと思う。