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商品説明
いまや社会に不可欠な存在となったAI(人工知能)とロボット。よりよく生きるため、私たちはテクノロジーといかに向き合うべきか。工学・情報学・社会学などから一線の研究者が集合し、横断的見地から根源的テーマを論じる。【「TRC MARC」の商品解説】
いまや社会にとって不可欠な技術となった人工知能(AI)とロボット。限りなく人間に近づきつつあるテクノロジーは、果たして生命を持つようになるのか。そして私たちはAI・ロボットといかに付き合うべきか。西垣通、河島茂生、ドミニク・チェン、広井良典、富山健、江間有沙による、技術と倫理をめぐる共同研究。【商品解説】
目次
- 生命的機械の登場──まえがきにかえて……西垣 通
- ■第一部|人間と機械
- 第一章 人間と機械の連続と非連続、そして倫理──観察の複数性とシステムのありようとの関係をもとに……河島茂生
- 第二章 人新世におけるAI・ロボット……西垣 通
- ■第二部|ロボットとケア
- 第三章 非規範的な倫理生成の技術に向けて……ドミニク・チェン
- 第四章 ロボットの倫理……富山 健
著者紹介
西垣 通
- 略歴
- 〈西垣通〉1948年生まれ。東京大学大学院情報学環名誉教授。著書に「AI原論」「ビッグデータと人工知能」「ネット社会の「正義」とは何か」など。
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紙の本
AIやロボットの倫理に関する議論の現在地を知ることのできる意欲的な書
2023/07/20 16:10
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投稿者:巴里倫敦塔 - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書の問題意識は、「人間と共存することを倫理として持つ自律ロボットはどのように創れば良いかを真剣に研究すべき時が来ている」である。「人新世におけるAIとロボット」「ロボットの倫理」「AI倫理の実装をめぐる課題」などをテーマとして取り上げ、工学、情報学、メディア学、社会学の研究者が横断的に論じる。AIやロボットの倫理に関する議論の現在地を知ることのできる意欲的な書である。
執筆陣は、人類はAIやロボットといかに向き合うべきか、AIやロボットは倫理的にどういった問題をはらむのか、AIの倫理に関する自然科学と人文社会科学とのせめぎ合いなどについて、議論を展開する。議論のレベルと粒度にバラツキもあるが、学際的なテーマを扱っているので致し方がないのかもしれない。
それでも、「社会的マイノリティへの意識的・無意識的な差別の構造を理解し、包摂的な社会的な議論を経ずして倫理的な情報設計は行えない」「情報技術は常に、設計者の認知バイアスに起因する問題が出るたびに対症療法を行わざる得ない」「ビックデータやAIを過大評価し、世界の現象はすべてを予測できるという見方は退けられるべきである」といった警鐘には納得である。
国際的にELSI(倫理的・法的・社会的課題、Ethical, Legal and Social Implications)という言葉には、「AI研究を止めにきた人文社会科学」という負のイメージがあるという議論は初耳だった。RRI(責任ある研究イノベーション、Responsible Research ando Innovation)が使われるようになっているという。