紙の本
人の人生の裏側はわからないものだ
2021/04/20 20:43
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投稿者:ピーちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
テレビ出演で有名な先生。
その先生が私生活で実母の痛み止めによる薬物依存という問題に直面されていたとは驚きだった。
身内の薬物依存は、その家族の知らぬ間の手助けで抜け出せないで居るという事実を学び、家族として開眼。
色々と壮絶な思いをもって歩まれ、母親にしてあげられなかった事、その贖罪として今の法務省矯正局の医師をされている。
依存症に関する考え方、環境が依存症をなくせるネズミの話なども、色々とか書かれていて、勉強になった。
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自伝というよりはお母さんとの関係。壮絶だったんだな。淡々とかけていてすごいと思うけど、それ以上でもないですね…書けて、おおたわさんも少しすっきりしているならいいなと思います。更生に携わっているとのことで、この経験を活かしてもらいたいな、と思ってます。
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おおたわ先生がTVで紹介されていてその場でポチった本。薬物依存以外にも、精神的依存を求める人を家族に持つ人にも読む価値があると思えた一冊。
午前中に届き、その日中に一気に読み終えました。
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医療関係者の合法薬物依存症については大分昔に聞いたことがあったが、メディアに出ている方の身内にそういった人がいたと知って驚いた。
自身は元看護士で夫は開業医、娘も長じて医師になるという環境にありながら、嵌まってしまったまま抜け出すことのできない「依存症」というものに改めて恐怖を覚えた。
筆者が己を責めすぎることの無いよう、切に願う。
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『毒親』(中野信子 著)より先に読み終わっていたが、レビューを書けずにいた。
『母を捨てるということ』自体、とても気になるタイトルだったけれど、なんとなく敬遠していた。
レビューは、本当はとんでもなく長文になってしまったが、これでも3分の1くらいにまとめたのでご容赦願いたい。そして、少しでも毒親育ちの生きにくさに興味を持った方には、ぜひこの本を読んでいただきたい。
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おおたわさんが育った家庭は、典型的な機能不全家族だった。両親がきちんと結婚したのは、彼女が物心ついてからのこと。看護師(母)が、当時妻帯者の男性医師(父)を妻から奪うというかたちで、おおたわさんを授かった。何不自由のない生活を手に入れたが、母は、母自身の生育環境や性質などもあり、重度の薬物依存症になってしまう。ありのままの自分を見つめ直したり、受け入れたりできない。自分に自信がない。素直に甘えることもできない。だから、薬に依存して現実逃避することを選んだのだろう。
おおたわさんが小学生の頃、母親は、抜き打ちで子ども部屋を覗きに行く。おおたわさんが勉強していなかったことに腹を立て、タバコの火を押しつけようとする。とにかく必死に謝ったことで免れることができたが、なぜこんなに謝らなくてはならないのか、途中からわからなくなっていた、と、おおたわさん。
小学校高学年の頃には、はやりの前髪にしてもらい、近所のおばさんに褒められたが、それを見た母は「おまえらしくない」と言って短くザクザク刈ってしまったそうだ。
母親自身は何度も美容整形を受けるような人だったとのことだから、娘であるおおたわさんが、自分より美しくなることを望まなかったのだと思う。「競う母」は、この世の中には予想以上に多いものだ。
「幸せになってもいい。でも自分より幸せになってはいけない。」毒親あるある・・・
中学時代の夢としておおたわさんが友達に言ったのは「心から安心できる場所がひとつ欲しい」。
頑張って医師になったのは(そもそもは)母親から医師になれと言われたから。その一択しかなかった。
マスコミに出るようになったのは、承認欲求が大きいから、と書かれていた。
おおたわさんは触れていなかったけれど、おそらく彼女はHSP(非常に感受性が強く敏感な気質もった人)だと思われる。とても知的で感受性の強い彼女が、実の母から心身ともに傷つけられ、医師という立派な肩書を持つようになってからも、それは続いていた。想像すると、胸が張り裂けるような思いになった。
幼い子どもにとって、特に一人っ子にとっては、親こそが世界そのもの。気まぐれな神のご機嫌をうかがいながら、息をひそめて生きるのは本当につらい。気まぐれに楽しみを取り上げられ、喜ばせようと思ってしたことをくだらないと一蹴され、頑張ってもできて当たり前と言われ。外に救いを求めたくても許されないし、助けを求める方法もわからない・・・
生きてるだけでもすごいと讃えたい。
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結局彼女は、母の死に目にあうことはできなかったが、
現在は、受刑者��正施設の矯正医官に就任。
母に対して「今の自分ならこんな風に手を差し伸べられた」という後悔を、受刑者たちの救済に注いでいるようだ。
おおたわさんのことは、テレビ出演を拝見するたび、西川女史枠なのか、なぜ彼女がマスコミに呼ばれるのか不思議な方、という程度の認識だったのだが・・・
この本を読んだことで、ぜひ幸せになって欲しい、と願う人のひとりとなった。
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依存症の家族に巻き込まれている状態から離れる。
「依存症の子どもが社会性を持って成長すること自体奇跡に近い。」
依存症に依存させるイネイブラー
「ありがとう、良い娘を持って幸せでした。残されたママのことを頼む。」
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私自身、母との関係がうまくいかない時期を長く過ごしました。「母を捨てる」とはいったいどういうことなのか、それを本にするのはなぜなのか知りたくて、この本を手にとりました。
依存症というのは、易きに流される弱い心が原因なのだと思っていました。でも、違うのですね。本人が、生きづらさや自己肯定感の低さにもがき苦しむ中で見出した、救いの道なのですね。
著者のお母様の場合、とても気の毒なのは、合法的な薬による治療の過程で依存症になってしまったということ。誰も悪意があったわけではないのに、気付かぬうちに家族が依存症に導いてしまったこと。
きっと、著作もお父様もご自身を責めて苦しまれたことと思います。文章にしたことで、著者の気持ちが少しでも整理され、平穏に近づいていることを願います。
また、依存症に対応する方法が分かりやすく示してあり、私自身も問題を抱えていますので、心構えが出来ました。
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心が熱くなる本でした。小さい頃の母親との関係は、いい思い出ばかりじゃなかった。本を読みながら当時の辛かった記憶が引き出されたけど、私も母親になり理解できることもある。母親も精一杯生活する中で、そのような行動をとってしまったんだなと。今では笑って世間話をできるようになったけど、ふとした時に辛い思いでも湧き上がる。子どもたちには、私と同じ思いをさせたくない。
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ワイドショーのコメンテーターなどでも知られている医師、おおたわ史絵さんの著書です。
私はこの世代で医師をしている女性はみな、恵まれた家庭で育ったと勝手に思っていました。(父親は開業医なので、経済的には恵まれているとは思います。)
ブログにて詳しいレビューしています*
https://happybooks.fun/entry/2021/10/30/173000
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辛い体験であろうに、サッパリとした文章で書かれている。それが、筆者の心の整理が進んでいることの現れだったらいいなと思う。
私も親との関係がそれほどよくないから、筆者が抱えなければいけなかった重荷を思うと心が痛い。
それとは別に、依存症に対するイメージは改善されなければならないのだろうと思った。心の弱さが原因なんだとどうしても思ってしまうけれど、ネズミの実験の部分を読んで、違うのだと感じた。
とても難しいことだけど、少しずつ、知ってもらうことからでも。
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テレビでみているおおたわさんからは想像できない、お母さんが依存症という前情報があってから読んでもそれの100倍はしんどかった。
私には身内にも依存症がいるからなおさらだ。
通院にこぎ着けるまで10年かかった。
とくにおおたわさんの場合は母子、という関係だったことも辛かっただろうなと思う。
依存症に限らず、いわゆる毒親、というものをもつ人にすすめたい、いやすすめたくない、いや、すすめたい、と思う本だった。
つらいしんどい本だけどおおたわさんがいることは希望なのかなと思った。
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普通の母親に育てられた自分に心から感謝したい。ご自身の依存症家族としての経験を赤裸々に綴られている。依存症というものを完全に勘違いしていた。「プリズンドクター」のインパクトも凄かったが、これが実話かと思うと本当に凄まじい…史絵さん、よく普通に育ったなぁ…
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捨てたいほど憎い母を、捨てずに母も父も自分も救ったひとりの女性の話。
辛かったね、がんばったね、と声をかけたい。当時の彼女に。
そしてまた、現在進行形で苦しんでいる当事者に。特に無力な子どもに。
依存症の問題はもっと関心が寄せられるべき、社会の問題。
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薬物依存の母との壮絶な戦い。
最後の方に、新しい依存症治療法がいろいろ書かれているが、どれも決定的なものではないのだろうな。再犯を繰り返す有名人などを見ると、治癒というのがどれほど大変なことか。
それにしても、著者はよくぞまともに育ったものだと思う。家政婦さんの力も大きかったに違いない。
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家族・依存症・母と娘…
そんなキーワードから手にした本。
淡々と綴る幼少期の風景、プロローグの数行を読むだけで著者のそれからの長い道のりを想像し、読み進める手が止まりそうになる。。。
でも。。。
読み終えた後は、このタイトルからは想像できない感動で打ち震える。
著者は母を捨てていない。
泥中の蓮のように凛と生き延びた著者の母を想う視線が、凍てついた心を溶かす言葉とともにエピローグにたどりつく。
数少ない日本のプリズンドクターになった著者の活動に注目していきたい。
#本 #おおたわ史絵