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電子書籍
ごみ収集とまちづくり 清掃の現場から考える地方自治
著者 藤井 誠一郎
エッセンシャルワーカーとして注目を集める清掃従事者。その実態はどうなっているのか。気鋭の著者がごみ収集の現場を参与観察し労働体験することで、災害時の対応、大量廃棄、多文化...
ごみ収集とまちづくり 清掃の現場から考える地方自治
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ごみ収集とまちづくり 清掃の現場から考える地方自治 (朝日選書)
商品説明
エッセンシャルワーカーとして注目を集める清掃従事者。その実態はどうなっているのか。気鋭の著者がごみ収集の現場を参与観察し労働体験することで、災害時の対応、大量廃棄、多文化共生などの問題をあぶり出し、地方自治のあり方を問う。
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紙の本
10年前と同じにならないように
2021/11/29 13:21
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:怪人 - この投稿者のレビュー一覧を見る
ごみ収集について地方自治、行政学を専門とする大学研究者がその業務を自らも体験して、 研究を深めた。ごみ収集、処理だけでなく関連して、連帯による地域創生とまちづくりに発展した事例も紹介しながら論考したものだ。昨年のコロナ禍での収集作業への影響なども詳細に記されている。
ごみ収集作業は、住民にとって日々の生活に不可欠な公共サービスの中で、普段は感謝することさえ忘れ去られているものの一つである。行政改革によって真っ先に削減された現業と言われる部類の業務である。職員が削減された部分は次第に民間委託が拡がり、行政側の職員も少数化・高齢化が進んでいる。そのこともあり、災害時などの非常時には大混乱し、サービスが一時停止することもあり、今次のパンデミックのもとで現実化した。一方で、コロナ禍で見直され、住民にも感謝されたのだが、その気持ちも数ヶ月ぐらいしか持続しないらしい。
コロナ禍のゴミ行政を体験した著者は言う。
「・・継続的・安定的な行政サービスの提供という大局的な視点を持つのであれば、これまでの新自由主義的な改革路線が果たして私たちの生活や福祉にとって有効であったのかを考えていく必要がある。
今回のコロナ問題はゆきすぎた効率化に対する検討を促す機会を提供するものであったともいえ、行政に限らず、我々一人一人も社会のありようについて考えていく機会になったのではなかろうか。・・・」
我々一人一人の中には当然議員や政治家なども入ると思うが、そのような方々で指摘されたことを自覚している人はどのくらいいるのだろうか。喉元過ぎて以前のままにならぬことを少しばかり期待しているのだが、さてどうなるのか。
紙の本
いつもありがとうございます
2021/10/19 17:39
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:夏の雨 - この投稿者のレビュー一覧を見る
かつて犯罪都市であったニューヨーク市を安心して住めるようにしたのは、どのような施策であったか。それは地下鉄の落書きの清掃であったり、ゴミのポイ捨て禁止といった美化活動にあったという、有名な話があります。
そういうことから考えて、この本のタイトル「ごみ収集とまちづくり」は決して突飛な組み合わせではありません。
実際本書の中でも紹介されていますが、ゲイバーが多く立ち並ぶ新宿二丁目でのごみ収集と美化活動の取り組みは「世界一清潔なLGBTの街」という、今までのイメージを払拭する新しい街づくりを目指す取り組みの事例です。
この本の著者である藤井誠一郎氏は、45歳で大学職員から研究者の大学教員へと転じた経歴を持っています。
そして、学府内にとどまらず、積極的にフィールドワークをこなしていきます。
具体的にいうと、ごみ収集車に乗って実際のごみ収集業務を経験しています。
そういう経験を通して、「仲間と共に汗を流し、協力しながら街をきれいにしていく仕事は、非常にやりがいがあり尊い仕事であると思える」という一文にたどりつけたのでしょう。
さらに、2021年8月に刊行されたこの本ではコロナ禍でのごみ収集の困難さも描かれています。
コロナ禍が蔓延した際、清掃従事者へ謝意表すの貼付が広がりました。
しかし、著者はそれよりもまず「ごみをしっかり分別し、ごみ袋をきちんと結び、所定の箇所に収集しやすく並べて置く」方がより大事だといいます。
ここから、住みやすいまちづくりが生まれていくのだろうと思います。