電子書籍
幽霊よりも怖いもの
2020/05/14 08:30
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Todoslo - この投稿者のレビュー一覧を見る
探偵に除霊能力がある、異色の推理ものです。この世に未練を残したものたちよりも、生きている人間のたちの悪さに圧倒されます。
電子書籍
最初は
2021/02/28 20:56
2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:エムチャン - この投稿者のレビュー一覧を見る
ホラーかと思いきや……そうでもない推理モノでした!濱地健三郎の設定も良いですね。何より短編の連作なんですが、それぞれに、悪人が出てくるし……トリックが中々なのもあるし……切ない感想のもあります
紙の本
霊(くしび)なる事件簿
2020/11/29 22:12
2人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:6EQUJ5 - この投稿者のレビュー一覧を見る
心霊能力をもつ探偵濱地健三郎が主人公の短編集。怪談とミステリーの融合を目指したようですが、どうも中途半端。「肩透かし」の一冊でした。
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心霊探偵濱地健三郎の出てくる、「ミステリ色の濃い怪談」
「見知らぬ女」
「黒々した孔」
「気味の悪い家」
「あの日を境に」
「分身とアリバイ」
「霧氷館の亡霊」
「不安な寄り道」
の七編。
有栖川有栖作品の優しい視線、安心して読める倫理観が好きで、文庫化を楽しみにしてた。それは怪談でも。期待通り。
濱地探偵は江神さんとも火村先生ともまた違う紳士で、読んでいてとても楽しかった。
「笑顔のパターンをたくさん持っている」というと、本心を明かさない、仮面をつけたような人物かなと思ってしまうけど、言葉一つ一つにあたたかさがあって、安心できる優しい人物だと読み手の心を開かせてくれる。そういう登場人物が好きで有栖川作品読んてるんだよなぁ。
「あの日を境に」の物語全体の優しさが本当に好きで、うっとりした。
まだ一人前ではないからと求婚しなかった男性へかけた
「現在の自分が理想から遠かったとしても、愛する女性のそばで一人前になればいいだけのこと」
という言葉、若い人への慈愛に溢れている。自分が歳を取ったからというのもあるのかもしれないけれど、こういう一言一言がとても胸に響く。
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心霊探偵・濱地健三郎の事件簿。
苦しむ夫の枕元に立つ女はー「見知らぬ女」
俺の犯罪など露見するわけないー「黒々とした孔」
隣家はお化け屋敷か?ー「気味の悪い家」
恋人たちにさした影はー「あの日を境に」
目撃者があるのにアリバイがあるー「分身とアリバイ」
霧氷館の怪異ー「霧氷館の亡霊」
ふと立ち寄った過去の事件現場ー「不安な寄り道」
事件簿と言いながら7本のホラーファンタジー短編集。
ただただ有栖センセのきれいな文章に乗せられて流されればいいと思います。
本格ミステリではないので、手掛かりがどうとかではなく「へぇー」ってなる類のもの。
個人的にホラーファンタジーであって推理ものではないと思っているのですが、決して突飛ではない。
目に見えているものは「現象」であり、目にしてしまった不思議なことは、決して不思議ではない。
それが「現象」なのだ。
というやや哲学的な論理が背後にあるような。
最もミステリーっぽいのは「見知らぬ女」と思います。
好き嫌いは同じくらいだけど、「その場で見てみたいなぁ」と思ったのは「不安な寄り道」でした。
以下どうでもいいつぶやき
濱地センセイはなぜ年齢不詳なんだろうか。「年齢不詳」であることがすでにファンタジーなのだろうか。濱地センセイの万能感がすごすぎて「キャラクター」という見方ができないほどです。個人的にはマイナス点なのです。志摩サンめっちゃフツーの人で、ちょっとうるさいなーと思う。登場の時(「見知らぬ女」)はミステリアスな助手の態だったのに、のちのち絵の上手い一般の可愛い女の子に・・・。こっち(読者)側なのかそっち(濱地)側なのか置き場所に困る。困るんだ。
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今までもクールな主人公だったけど、更に大人でクールな探偵。
目に見えないものを扱うと、キワモノ感がでてしまいがちなのに、そこをサラッとカッコよくこなしていく。
どうやら、続きが出るそうなので楽しみで仕方ない。
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普通に幽霊が出てくるけどミステリ的解決があるのでミステリとして読める。
そして怖い話では全然ないので怖いの苦手な人も読めると思う。
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心霊探偵、濱地健三郎と助手の志摩ユリエさんの短編集。
心霊モノだからトリックは何でもアリで本格ミステリ好きの人には物足りないかもしれないけど、私は好き。
有栖川有栖の無駄遣い感は若干あるけど。
切ないお話が多め。それだけ強い想いがあるから霊になる。
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心霊とミステリーが融合した短編集。
個人的には、第2作目を読んでから、この作品を読破。
心霊現象というと、普通は「これは〇〇で起こせる」や「〇〇を使えば再現できる」など否定する作品が多いですが、この作品は、心霊を肯定し、それをうまく使ってミステリーと相まっているので、新しい切り口で攻めてきている印象で、斬新でした。全7作から構成されていて、それぞれ程よい量なので、気軽に読めるかと思います。
あらゆる心霊現象から解決するまでのロジックがしっかりとしているので、なるほどと思うことが多くありました。ただ、衝撃的や驚きの展開というわけではありませんが、スーッと納得したという感覚がありました。
色々事件を紹介していましたが、個人的に思うことは幽霊よりも生身の人間が恐ろしいと感じました。人間の怨念や悔しさ、恨みは計り知れないなと思いました。口で説明すると、ホラーのような印象を受けますが、文章からはそういった恐怖はなく、一つのミステリーとして楽しめました。
登場人物は個性溢れる人たちですが、なんといっても探偵の濱地健三郎のスタイリッシュさが際立っていました。
濱地の過去が気になるところですが、実写化するなら、谷原章介さんかなと思いました。
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まずは文章が美しい。慣れない現象に戸惑いながらも、読むことをやめられなかった。このあと、濱地探偵が登場する、『幻坂』を再読しようと思う。
−異論を唱えたいですね。人生の楽しみは無数にあります。無数から一を引いても、依然として無数です。−
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初の有栖川さん作品でした!
ホラーを内包したミステリー短編集という感じで、
全体的に読みやすかったです。
次も出ているそうなので文庫版が出たら読みたい!
主役になる心霊探偵の濱地健三郎が落ち着いた年齢不詳みのあるイケオジで好きです。
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とあるビルの2階に構えられた探偵事務所。探偵は年齢不詳のダンディーな心霊探偵。
スマホも出てくる現代設定なんだけど、なぜかそこはかとなくする昭和感。いや、本編には特に影響ないんだけど、ビルの2階とか、登場人物の名前とかでなんとなくノスタルジーを感じた。
幽霊が関わってくるのだけど、論理的な推理で真相を解き明かす濱地さん。
やっぱり怖いのは生きてる人間。
助手のユリエさんと彼氏との行く末も気になるので、続きも読もう。
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再読。心霊探偵濱地健三郎シリーズ第一弾。その肩書のとおり心霊探偵の濱地健三郎とその助手の志摩ユリエが事件を解決していく、という心霊以外は真っ当な探偵物。短編集なためどの話も短いがどれもちゃんとした(というとちょっとおかしいが)幽霊や心霊現象を扱いつつも、有栖川有栖先生らしい論理的にもちゃんとした解決が用意されている。「不安な寄り道」で示されたような探偵と事件のありようは他の作品でも見られるが、こういうわかりやすい形で表されるのは珍しいと思う。
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敷居が高くてこれまで手にとれなかった
有栖川有栖さんに初挑戦。
ど真ん中のミステリーではなく、
敢えて特殊設定ものにしました。
心霊探偵の濱地健三郎と助手とユリエが
依頼者からの謎を解いてゆく物語。
次は同シリーズを読むか、
ど真ん中のミステリーにいくか
悩むのも楽しいです。
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心霊現象が起こることを前提として読めば、筋の通ったミステリー。
著者の他シリーズの火村より、さらに探偵が大人な感じ。ホラーというよりはミステリー感が強いので、怖くはない。