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紙の本
北の詩人 改版 新装版 (角川文庫)
著者 松本 清張 (著)
第二次世界大戦後まもなくの朝鮮半島。民族文学の再建を目指す詩人・林和は、日本帝国主義の植民地政策に加担したという暗い過去を抱えていた。弱みを握るアメリカ諜報機関は林和をス...
北の詩人 改版 新装版 (角川文庫)
北の詩人 新装版
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商品説明
第二次世界大戦後まもなくの朝鮮半島。民族文学の再建を目指す詩人・林和は、日本帝国主義の植民地政策に加担したという暗い過去を抱えていた。弱みを握るアメリカ諜報機関は林和をスパイとして操ろうとして…。【「TRC MARC」の商品解説】
第二次世界大戦後間もなくの朝鮮半島。
民族文学の再建を目指す詩人・林和はかつて祖国を裏切り、日本帝国主義の植民地政策に加担したという暗い過去を抱えていた。
その弱みを握るアメリカ軍諜報機関は林和を脅し、スパイとして操ろうとする。
自由を求める彼を待っていたのは、あまりに過酷な弾圧の日々だった……。
朝鮮の南北分断の悲劇を1人の詩人の目線から捉え直した、巨匠・松本清張による異色のノンフィクション・ノベル。【商品解説】
著者紹介
松本 清張
- 略歴
- 1909年、福岡県生まれ。92年没。印刷工を経て朝日新聞九州支社広告部に入社。52年、「或る『小倉日記』伝」で芥川賞を受賞。以降、社会派推理、昭和史、古代史など様々な分野で旺盛な作家活動を続ける。代表作に「砂の器」「昭和史発掘」など多数。
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紙の本
タイトルが良いですね
2023/12/31 19:31
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:a - この投稿者のレビュー一覧を見る
これは素晴らしい作品です。戦後の朝鮮半島の政治情勢がよく分かるだけでなく、日本に進駐していたGHQがそれまでの容共政策を一気に転換し、保守化した理由もよく分かります。
紙の本
「38度線の北」の記述みたい
2022/04/24 23:16
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:オタク。 - この投稿者のレビュー一覧を見る
寺尾五郎は「38度線の北」で北朝鮮の輝かしい「民族的土壌に根をしっかりおろした文化運動」を礼賛する為に、「無批判なソビェト文化のものまね式が流行した」から「この動きに対しては、朴昌玉一派の、林和、奇石福、鄭律などの文化人たちが、猛烈に反対した」(188ページ)と書いている。ソ連派の中に南労党裁判で死刑になった林和が入っているのに気がついていないから、北朝鮮か朝鮮総聯が準備した資料を元にして引き写しているのだろうか?
「北の詩人」という作品は、光復直後のソウルの状況について、結構細かく描かれているから、松本清張がある程度、朝鮮戦争への「謀略」を調べる過程で状況を知っているにしろ、当時のソウルに住んでいた人から取材したのだろうか。尹致昊が人望があったにも関わらず、昭和になってから「親日派」になり、貴族院議員に「勅撰候補の噂」という変な記述があるが。さすがに林和が以北でいかなる「スパイ活動」をして「摘発」されたかは書かない(または書けない)。
林和の詩の断片や朴憲永の演説が引用され、光復直後の左派系の文化人の動向までは朝鮮共産党が信託統治反対から賛成に廻った事や精版社事件などと違って、誰か協力者がいた事がうかがえる。この小説について、松本清張の読者でも背景を知っている人でない限り、単なる「アメリカ帝国主義の謀略」ものくらいにしか思わないだろうが、「スパイ"M"の謀略」のような風間丈吉が個人的に知っていた事もあって日本共産党中央に潜入して家屋資金局を牛耳ったクートヴェ帰りのスパイで、何故か神山茂夫が本名を知ったので公表した男、という程度の情報しかなかったはずの男の種明かし、ではない。北朝鮮が南労党裁判で書いたシナリオ通りに、それも実名で書かれた「問題作」だ。
林和が「君と僕」の製作に関わった事が「重罪」だと印象づけているが、そんな事を言い出したら、主演女優は人民俳優で、主演を演じた歌手は帰国運動で移住した際に大々的に歓迎したではないのか、になる。
解説はよく分からない文章だ。林和とはどういう詩人で、冒頭に引用した「暗黒の精神」を全文掲載して(萩原遼が「正論」で「北の詩人」を批判した際に紹介しているが、四六判の雑誌で2ページ半くらい)、当時の状況について説明してくれた方がいい。