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紙の本
鬼子の歌 偏愛音楽的日本近現代史
著者 片山杜秀 (著)
政治思想史家にして音楽評論家である著者が「クラシック音楽」で読む、日本の近現代100年。山田耕筰、伊福部昭、黛敏郎、三善晃らの名曲を辿りながら、この国の歩みに迫る。『群像...
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商品説明
政治思想史家にして音楽評論家である著者が「クラシック音楽」で読む、日本の近現代100年。山田耕筰、伊福部昭、黛敏郎、三善晃らの名曲を辿りながら、この国の歩みに迫る。『群像』連載に書き下ろしを加え単行本化。【「TRC MARC」の商品解説】
各紙誌絶賛。朝日新聞、読売新聞、毎日新聞、共同通信、週刊文春、週刊新潮、群像、週刊読書人、週刊金曜日ほかで続々紹介。
芸術は政治から自由だと思っているのはその時代だけである。(略)彼らの生きた時代が彼らの音楽にこれほど深く浸透しているとは、との思いを禁じ得ない。読み応えのある傑作評論である。――三浦雅士(毎日新聞3/24)
幅広い好奇心と博覧強記でなる著者にしか著せない本であろう。(略)14名の日本人クラシック作曲家たちの名曲にまつわる論考が収められた大著だが一気に読ませる。――佐伯一麦(朝日新聞3/2)
奇書、である。(略)正直私はここでとりあげられる作品の半分も聴いたことはない。しかし本書を読んでいるうちに、これらが自分の大好きな曲であったかのような気になってきた。批評の究極のマジックである。――岡田暁生(共同通信)
まず対象とする作品、作家への「愛」がある。(略)そこから時代の精神、また、対象となる当人達でさえ「そういう事なのか……」と恐らくは唸らせてしまうであろう眼力の鋭さに読者は圧倒されてしまう。――新垣隆(週刊文春4/4号)
「クラシック音楽」で読む日本の近現代100年。山田耕筰、伊福部昭、黛敏郎、三善晃――。怒濤の近現代を生きた音楽家の作品を辿りながら、この国の歩みに迫り、暴き、吠える。鬼才の本気に刮目せよ! ある時は西洋列強に文明国と認められるため。ある時は戦時中の国民を奮闘させるため。きわめて政治的で社会的で実用的な面がある「音楽」。政治思想史家にして音楽評論家である著者が、14の名曲から近現代史を解説する。【商品解説】
目次
- 前口上
- 第1章 三善晃のオペラ『遠い帆』
- 第2章 伊福部昭の『ゴジラ』
- 第3章 山田耕筰のオペラ『黒船』
- 第4章 尾高尚忠の交響曲第一番
- 第5章 別宮貞雄のオペラ『有間皇子』
- 第6章 諸井三郎のピアノ協奏曲第二番
- 第7章 早坂文雄の『左方の舞と右方の舞』
- 第8章 深井史郎の交響的映像『ジャワの唄声』
- 第9章 山田一雄の『おほむたから』
著者紹介
片山杜秀
- 略歴
- 〈片山杜秀〉1963年仙台市生まれ。慶應義塾大学大学院法学研究科後期博士課程単位取得退学。同大学法学部教授。音楽評論家、政治思想史研究者。「未完のファシズム」で司馬遼太郎賞受賞。
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まだ語り尽くしていない。
2019/06/26 15:50
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:名取の姫小松 - この投稿者のレビュー一覧を見る
クラッシック音楽に使われる楽器や有名な奏者、作曲家を見回せば、日本ではなくヨーロッパを中心にして発展してきた音楽体系であるのは明白。そのクラッシック音楽を我が物しようと、そして日本の風土や言葉、音感に合わせて創り上げようと努力してきた人たちがいる。
ほかの分野の芸術で世界に認められた日本人がいるように、クラッシック音楽の作曲家でも当然いる。ただ、本場は日本ではないとか、知名度がそれほどでもとかで、少し寂しい。
音楽評論家である片山杜秀が山田耕筰から始まる、日本クラッシック音楽の作曲にまつわる話を縦横無尽に語る語る。しかし、これだけの厚さの本になりながら語り尽くされた感がない。
まだまだ筆者は語りたいようだ。