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作中作入れ子構造の多重推理ミステリー
2022/11/02 16:58
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投稿者:S910 - この投稿者のレビュー一覧を見る
20年前のノンフィクションのベストセラーミステリシリーズ最終巻で解き明かされなかった謎を巡り、大学の名探偵サークルのメンバー達が各々の推理を披露し真相に辿りつく、多重推理小説。
デザインや語り口がラノベ調で学生でもとっつきやすく読みやすい一方、作中作や多重推理、時間や叙述のトリックなどがっつりした内容でミステリー好きでも楽しめる。
恋愛小説好きの私からすれば、随所にちりばめられた主人公のわかりやすすぎる恋心の行く末も気になるので続編も出して欲しい作品。
面白かった!
紙の本
凝った構成
2024/05/06 13:59
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投稿者:nap - この投稿者のレビュー一覧を見る
タイトルの人は、実際には一度も出てこないという。
なかなかおもしろかった。
ラノベ要素も入れつつ、ミステリとして読ませる。
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久しぶりに変にこねくりまわしてないミステリー読んだ。材料が概ね全部提示されてて、とんでも推理も少なめ、探偵の変人ども低め。作中作がすげー中二病文庫なの以外は(笑)
追)元は電撃でデビューされた方なんですね。作中作のさすが具合に納得w
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名探偵倶楽部、超絶才色兼備で実家はコングロマリットな大学四年生、経費削減のためご飯を作り合う貧乏学生の先輩後輩、そして持ち込まれる謎。ってもう、ワクワクしかないじゃないですか、この設定。
しかも謎の舞台は「館」ってもう、最初から最後まで楽しみの詰め合わせ。
20年前のベストセラーの真偽を探る「名探偵たち」。
披露される謎解きに何度も何度もうなずく。けれど剥いても剝いても謎の芯は見えない。
謎の本当の姿は、どの解?謎解きの依頼者が求める「解」にたどり着くのは誰?
最初から最後までひたすらに面白い。
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本格ミステリー
作中作が出てきたり、密室殺人だったり、
好きなシチュエーション。
楽しく読んだけど、
個々の推理が読み終わったら、休む感じで
夢中になって読むというところまではいかなかった。
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正直、かなり評価が難しい。
《良いところ》
・「久遠寺写楽の死体発見以後、地の文では一度も沖影定理のことを久遠寺写楽と記述していない」というところは本当に気付かなかった
・サクサク読める
《あまりよくない》
・会話文、キャラクター形成において拭えないライトノベル感(キャラクター構成はもう少し抑えめでも良かった)
・謎が謎になっていない。簡単過ぎる。舐められてるのかと思うくらいだった
ミステリは結構重い文体、雰囲気を好むので、自分に合わなかっただけかもしれない。
伏線やヒントを散りばめ過ぎて、伏線たり得ない。特に星河かぐやの妊娠時期については本当にいただけないと思った。
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過去に繰り広げられ未解決事件となった「怪盗王」と「名探偵たち」の未解決事件の真相に探偵として立ち向かう現代の大学生のお話。
繰り広げられる多重推理に興奮するだけでなく、どんでん返しはお見事の一言でした。
読後には誰かとこの興奮を共有したい気持ちと、人にお薦めしたいミステリー小説として心に刻まれました。
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20年前と現代とが同時進行で始まり頭の中が混乱して読み辛かった。中盤からは謎解きになり終盤は一気に読み進められホッとした。
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本書は、深夜の某書店で購入。
以前、「ヨルガオ殺人事件」を購入した際と同じように、疲れ切っていて自らにミステリを処方したかったのと、また、どの本を読むか決め手に欠けていたところに出会った。
書店に足を踏み入れるまでは著者のことも存じ上げなかったけれど、手に取って、デザインも素敵ですぐに気に入って購入した。
かつて絶大な人気を博し、今では(悪い意味でも)伝説となったある「探偵小説」をめぐって、学生たちが各々の推理を語る。
作中作の推理、それから、いわゆる多重解決というのだろうか、1つの「事件」に複数の解釈が披露されてどの説もそれなりの蓋然性を持つ、という展開は、ミステリファンなら垂涎もの…少なくとも私にとっては、非常に楽しんで読める要素だと思った。
本作の場合、作中作の真相を明らかにしようとすることは、ある人物の人生を左右する重大な行為だと設定されている。そのため、より真実性の高い真相、が本来目指すべき目標のところ、より望み通りの(最善の)真相、を何とか(半ばこじつけようとしているかのように)目指そうとしているのが、ユニークな点と言えるかもしれないと思った。
最終的に明らかにされる内容も巧妙だと感じたし、何より、結末は気持ちよく終わるので、個人的には、とても楽しんで読めた。しいて言えば、物語やキャラクターの重厚感にやや乏しいようにも思う。逆に言えば、とても読みやすく、もし本書の続きがあれば…と思わせられた。
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Amazonの紹介より
大学二年生の白兎(はくと)は、アパートの隣に住む一つ年下の後輩・志希(しき)に淡い恋心を抱いていた。二人が自宅に向かう路上、体調を崩し倒れこむ女性、唯(ゆい)と出会う。彼女が手にしていたのは、唯の父、御剣大(みつるぎ・まさる)が著した20年前のベストセラー『神薙虚無(かんなぎうろむ)最後の事件』だった。「神薙虚無」シリーズは、実在した名探偵・神薙の活躍を記したミステリで、シリーズ最終巻では解かれるべき謎を残したまま完結となり、ミステリ好事家の間では伝説となっているという。
白兎と志希は、唯の依頼で大学の「名探偵倶楽部」に所属する金剛寺らとともに、作品に秘められた謎を解こうとするのだがーー。
過去と現在、物語の中と外、謎が繋がり、パンドラの箱が開くとき、目にするのは希望か絶望か!?
題名を読む限りでは、シリーズ本かなと思いましたが、そうではなく独立した作品となっています。
未完結の作品を解いてほしいということで、名探偵倶楽部の人達が、解いていくのですが、一つの「本」から浮かび上がる多重の推理に凄いの連続でした。よく思いつくなと感心するばかりでした。
ただ、個人的には、文章には書かれていないことまで拡大解釈して推理したことになんでもありじゃんということで、推理に冷めてしまった自分もいました。確かにそういった答えがあって納得はしますが、狡さもあるように感じて、結果的に気持ちが引いてしまいました。
そう考えたがために、前半の人達の推理披露は意味ある?という考えが頭に浮かんでしまいました。
その一方で、新たな推理を披露するたびに新たな発見もあったので、そういった部分では面白かったです。
特に「本」に関するどんでん返しの真相に驚きでした。
エピローグを読んでいると、単純に「あの人」がもう少し真相を話せば、こんな事態にはならなかったと思わずにはいられませんでしたが、様々な推理が楽しめて面白かったです。
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過去の推理小説を題材に現在が推理する新しい形式だった。
怪盗の本に対する評価から叙述トリックか時系列のバラバラに絞れたが、読む限り時系列はまともなのとエレベーターの人数の制限で二重人格による叙述トリックということは読めた。
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2023.4.28読了。
初めて読む作家さんでしたが、評判通り面白い多重解決ミステリでした。
シリーズになりそうなら、次作も読みたいと思います。
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メフィスト賞と鮎川哲也賞の候補作を大幅改稿して1つの物語に仕上げた小説。劇中の架空のミステリー小説の真相について登場人物たちが推理合戦をするという入れ子構造。先に披露された推理の穴を指摘しながらそれ以上に突飛なアイデアの推理が披露されていくクライマックスの畳み掛けが面白かった。ただ、「真実が不明な以上、あなたは信じたいものを信じればいい」という着地は(もちろん劇中では優しさに由来するものだが)陰謀論が蔓延するこの時代にはやや複雑な気持ちも。
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オルゴールを模した館で起こった不可解な事件を、作中作と多重推理のフォーマットを存分に使って盛り立てていく。
その行為の先に見えてきた祈り。
ミステリのロマンって、ままならないものと対峙する意志でもあるよなあ。
利己的じゃない、知性の煌めき。
曲がりなりにもミステリが好きな人間としてフォーマットやコードを愛しているけども、そこだけを持ってきてミステリ愛が〜とか言われてもやっぱりどうとも思えない。
テーマはミステリ愛ですと帯にでかでか書いてあるような物も信用ならない。
この本からはその奥に敬意とロマンがちゃんと感じられて素敵だった。
大仰な異名に横文字のルビ、みたいな感じも懐かしいかったなあ。
最近めっきり見かけなくなりましたけども。
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個人的にこの手のライトなノベルの本格ミステリは嫌いなんだけど、これは楽しく読めた。何が違うんだろうな…?作中で自らツッコんでいくスタイルだからかな。作中作で完全にファンタジーのような武器名やら二つ名を登場させて突き抜けてるからかな。
多重推理は面白いんだけど、やっぱりというかなんというか…どの推理を採用してもある程度理屈は通るようになっているから、謎自体がそれだけ粗いというか。全体的に詰めが甘い印象は否めない。まぁそれ自体を楽しむミステリー?
叙述トリックに気付かれやすい書き方なのが少し残念かな?そこに気づいてしまうと結局それ以外の推理の説得力が下がるというか…。それ以外から先に披露する構成なのにもったいなくない?と私は思ったけど、それでも雲雀の大胆な推理は面白かった。
全体的には面白く読んだ。ラストの締め方が素敵だったな。
最大の謎は、表紙は一体誰なのか?ってとこだな。