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- カテゴリ:一般
- 発売日:2023/11/09
- 出版社: 講談社
- サイズ:20cm/207p
- 利用対象:一般
- ISBN:978-4-06-533650-2
読割 50
紙の本
歩山録
著者 上出 遼平 (著)
何より理屈を愛する山田が思い立った登山は、完璧な計画通りに遂行されるはずだった。山中で出会った博士風の奇怪な男の一言を発端に、山田はいつしか思いもよらない異常事態に迷い込...
歩山録
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商品説明
何より理屈を愛する山田が思い立った登山は、完璧な計画通りに遂行されるはずだった。山中で出会った博士風の奇怪な男の一言を発端に、山田はいつしか思いもよらない異常事態に迷い込み…。『群像』連載を加筆し書籍化。【「TRC MARC」の商品解説】
どうなっているんだ、ここは――?
完璧な登山のはずが――男に襲い掛かるイレギュラーの数々!
奇想天外&予測不能!
狂信者を量産したドキュメンタリー番組「ハイパーハードボイルドグルメリポート」の生みの親が描く、スーパーサイケデリックマウンテンノベル!
奥多摩から埼玉、長野の県境を歩いて山梨の北杜市へ。
製薬会社勤務6年目、何より理屈を愛する男・山田が思い立った登山は、完璧な計画通りに遂行されるはず、だった――。
「あなたは少年を探しにここまで来たのでしょう?」
山中で出会った博士風の奇怪な男の一言を発端に、山田はいつしか思いもよらない異常事態に迷い込む。
理屈が通らない混沌の先、山田を待ち受けていた運命は――?
【商品解説】
著者紹介
上出 遼平
- 略歴
- 〈上出遼平〉東京都生まれ。テレビディレクター、プロデューサー、作家。ドキュメンタリー番組「ハイパーハードボイルドグルメリポート」シリーズの企画、演出から撮影、編集と、制作の全行程を手掛ける。
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紙の本
自意識に殺される
2023/11/21 20:40
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ホワイトベア - この投稿者のレビュー一覧を見る
生きづらさを抱えるすべての人に読んでほしい。 この小説は「自意識」に翻弄され、人生を遭難する現代人への警鐘でもある。 幼少期から「見られること」を強く意識し、周囲の視線への最適解だけを求めて生き続けてきた主人公山田の病巣は、SNSにより他人の視線がより顕在化された現代人にとっても他人事ではない。 しかしこの小説がより不幸なのは、山田がその最適解を出し続けた成功体験こそが、山田の視界を曇らせたこと。「聡明な」山田は、都市を『思考停止』と位置づけ、我こそが現代人に一石を投じるとばかりに、都市の対比としての「山」に向かう。しかし、一石を投じる動機は愛や平和のためなどでは決してないのだ。他人から「一目置かれる」自分を演出するため、もしくは一段高い場所から他人を見下ろすという承認欲求を満たすために山に入る山田。その行動こそ「自意識の奴隷」に他ならず、山田自身もまた自意識下の『思考停止』にあることを山田本人は気づいていないという皮肉。 そんな山田を待ち受けるものとは。果たして山田は目を覚ますことができるのか。 視線の呪縛から逃れて生きることができない今だからこそ、必読の小説だと思った。 またこの小説を通して、生きる上での「役割」に対する問題提起もなされているように感じるが、一貫したテーマである「自意識」から解放された時に、「役割」の答えが見えてくるように思う。 哲学的な内容を、SF要素も込めて表現された独特な小説。次回作にも期待したい。
紙の本
予測不能な登山物語
2023/11/29 18:54
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:くみみ - この投稿者のレビュー一覧を見る
先の見えない息苦しい人生の澱を、凝り固まった理屈を抱えて登山で昇華しようとする男の、予測不能な「歩山録」。
一所にとどまる事なく巡り巡る運命を「ババ抜き」に喩えたり、不思議な感覚を惹き起こす表現の数々に魅力を感じた。
哲学的な部分は言葉では理解し難いが、山田の歩みを追っていくと、少しずつ意識が共有されていくような独特なテイストの作品。