死にかけ聖女と皇帝の帰還 （コバルト文庫）

1人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者：S910　-　この投稿者のレビュー一覧を見る

「死にかけ花嫁と革命の鐘」の息子がヒーローの話。
前作で倒された暴君皇帝のせいで困窮していた修道院が苦肉の策としてはじめた偽装聖女。偽りの演出のために常に血を垂れ流して貧血なルチアと、捻くれ者の策謀好きに育った前作カップルの息子ヒーローが互いに民を救うために手を組み惹かれ合う陰謀劇。

結局一緒に劇を観ることはできたのかしら。
約束を果たすために帝都に劇場を作っていそうですね。
次世代編というのがどうも比較してしまうし前作キャラの贔屓を探してしまうので苦手で、最初はとっつきにくかったけど読み終えたら楽しかった。

効果的な聖女の奇跡の演出を科学的な詐欺行為として終始一貫して見せた内容が良い。
それに「病弱で死にかけだけど生きることを諦めないヒロイン」だった前作に対して「演出のために死にかけになってるだけでなく、本当は死んで楽になりたいと願っているヒロイン」という対比も上手かった。
あと順調にいっていたら足元掬われてピンチになったりして、でもそこで絆を深めてハッピーエンドを掴み取る流れも好きだな。