紙の本
シングルファーザー2人による物語
2023/04/28 21:04
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投稿者:UMA1001 - この投稿者のレビュー一覧を見る
父親としてのあり方、女性の生きやすい社会の実現、こうなりたいと思われる先輩になるにはどうすれば、と考えさせられる良本。こうなりたいと思わない先輩は邪魔でしかない。
紙の本
プリテンド
2024/02/11 09:43
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投稿者:hid - この投稿者のレビュー一覧を見る
意味が分からなかったから調べちゃったよ。
死別してシングルファザーになった方はともかくとして。
赤の他人の赤ん坊を育てるって、どういう了見よ?
母親もね。
理解不能。
共感皆無。
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白岩さんの作品何度か読んでるつもりだったけど初めてだった…や、嘘だ、絶対レビューし忘れてるだけなような気もする。。
と、前置きはさておき、
面白かったです。シングルファーザーふたりの同居生活。社会のあり方や、人との距離感や、子どもへの未来など、考えさせられることたくさんある中で終盤はほろっと泣いてしまったり。こういう作品ってとても大事だと思う。
早速私も夫に読ませます。育休半年とは言わなくても1ヶ月は取ってほしいな。
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色々と考えさせられる、内容だった。
家族とは、親とは様々な価値観が書かぶつかり合う。これからの社会で、家族のあり方を考えるきっかけになる一冊。
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わたしは女だけど、仮にこの先家庭を持つことになっても、自分が仕事を辞めたり、専業主婦になるつもりなんて1ミリもなかったし、2人で生活する家で自分たちの子供なのに男は仕事をして女は家庭に入る、みたいな考え方が心底理解ができなくて、この話に出てくる男の人たちほぼ全員が自分とは違う生き物に見えた
章吾の、男か女か以前に子どもの親としてどうなんだっていう考えがすごく、ストンと胸に落ちて、あ〜その通りだよ〜って思った
性別が違うだけで、別に女だから生まれた時から家事と子育ての英才教育を受けているわけでもないのに、なんで男だから、女だからっていう枠組みに嵌められるんだろうね
仕事も家事も育児も全部性別なんて関係ないし、適材適所で協力していけばいいだけなのにな〜
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読みやすくてスラスラ完読。
面白かったし共感できるところもあったけど、女目線としては、前半の恭平の考え方や行動に苛つくところもあったり。
がんばれお父さん!て気持ちで読み切った。
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男性が子どもを育てるとなったときに父親の自覚を持つには、父親としての自分を受け入れて生きていくためにはどうすればいいのか。
その答えがこの小説に書いてあるような気がした。
白岩さんの著作はこれで3冊目だ。小説『たてがみを捨てたライオンたち』と山崎ナオコーラさんとのエッセイ『ミルクとコロナ』。いずれも白岩さんが男性性と父親という役割について焦点が当てられた作品になっている。
白岩さんが男性が社会にとってどんな存在であるか、どんな存在であるように押し込められているかについての眼差しは鋭い。
でもそこから発したメッセージに刺々しさが感じられないのは、白岩さんもそういう窮屈な男性性をインストールさせてくる社会に生き、現在子育てをする父親だからだ。男性が子育てをする土壌がいまだにぐらぐらと不安定で整えられていない社会のなかで仕事をしながら、もがいているからだと思う。
男性に家事や育児などの家庭参加を求める風潮が当たり前になって、男性へ求められる役割は一見増えたように見える。
でも、本当にそうなのか?と私は思う。
父親とは、男とは。また母親とは、女とはこうである、こうあるべきだという境界線(ライン)がどんどんぼかされていき、グラデーションになってきているからではないか。
そして男女ともに、父親も母親も妙に息苦しくて家庭生活と仕事との両立にへとへとなのは社会の構造はそれに追いついてない。そういうことなんだと思う。
自分の子どもを育てるために育休を取得する。それは父親としてそうする権利もあるし、何らおかしいところはない。それなのにキャリアアップへの道が閉ざされるような、パタニティハラスメントが起きている例は実際に存在する。
そんな状況なら父親にならないほうが得だ。これはマタニティハラスメントにも言える。
子どもを産むことが、家族を増やすことが生きるうえで枷になるのだ。そりゃあ少子化は止まらない。社会が、企業が、子どもを産むことを歓迎してないのだから。
子どもを持ち、パートナーと育てていきたい。
そんな男性の気持ちをくじいて、踏みつけるような仕組みや思想が残り続けている。
白岩さんがエッセイ『ミルクとコロナ』でも書いていたことだが、男性が父親としての実感を得るためには精神的なものではなくて、ただひたすらに子どもと接する時間(母親がいない状態)を増やすしかないのではないかと言っていた。
私もそうだと思う。子どもに対して少しずつ日常を積み重ねていく、一緒に生活をする(寝泊まりする部屋を同じ場所にするというだけではなく)ことでしか親には、家族にはなれない。
また個人的に思うのは男性が父親同士のつながりを持ちにくい、できにくいということだ。そこに目をつけた父親同士の悩みを相談しあうマッチングアプリや掲示板のようなサービスはないのだろうか。
これは子育てをしている友だちから聞いたことだが、自治体のサービスも母親教室や母親へ向けた相談やカウンセリングの場はあるのに父親へ向けたものはほとんどないというのだ。
母親が子育ての情報共有ができる母親友だちがほしいように、男性だって父親として��悩みや雑談なんかができる場所があったほうがいいだろうと思う。
『プリテンド・ファーザー』は恭平と章吾が子育てを通して、今の現実を受け入れそれぞれのこれからへ向け、どうありたいがどうすべきかという姿勢を手に入れる。二人の子育てを通した連帯が見られる。
いま現在子育てをしている年代や適齢期とされる人たちは働き盛りであることが多いと思う。そしてちょうど男性の家庭参加へ向けた風潮が大きく変化して、小さいころは男性は仕事で、女性は家庭と言われてきたのに高校生や大学生ぐらいからは男性も家事を!育児を!の風潮になる。そんな過渡期を生きている人が多いのではないか。
ちょうど恭平がそんな男性なのだ。急激な社会で求められる父親や男性としての価値観が変わり、戸惑いや(じゃあ、どうしろってんだ!)という不安を抱えている人もいるだろう。
そんな男性にこそ読んでほしい。男性で父親である白岩玄さんから同じく男性へ向けての手紙のような小説であった。
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性格も違う2人の同級生が、共同生活を始める。
それは、2人ともシングルファーザーだった為で、互いの利害が一致したことによる共同生活だった。
亡き妻あと、4歳の娘を育てる恭平は家事育児を全くしてなかった為、保育園の後はシッターさんにお願いしてたわけだが、営業職を離れ人事に回されても不満を言えるわけもなく心身ともにギリギリだった。
章吾は、保育士を辞めシッターをしているが、妻が単身赴任で海外へ行ったため1人で1歳半の息子を育てていた。
ちょいちょい恭平の元部下の女性である井口さんは、ズバッと本音を言うのだが、なかなか鋭いのである。
「世の中にはそういう無意識な偏見を持っている男の人がたくさんいるんですよ。そしてその偏見の集まりが男社会の大枠を作ってるんです。男は男同士で子どもを育てない、育てるなら夫婦関係にある男と女、しかも女がこのほとんどを担うのが子どもにとって望ましいって、どっかでそう決めつけてないですか?」
女は所詮、結婚や出産で仕事を離れる可能性が高いのだから、大きな仕事を任せたり、重要なポストを与える必要はないと下に見られている。と言うそれに対して違うと声を大にして言い返せる男っているだろうか?と思った。
これは仕事上でのことだが、子育てにしても誰が育ててるのかというより、子どもにとって大事なのは信頼できる大人が近くにいるかどうかで、子どもに対する愛情は誰が注いだっていいんじゃないと言った叔母さんにそうだよなぁと共感した。
最後に章吾が言った「子どもを持つことが、つらく苦しいことだって思う人が、少しでも減ればいいなっていう思いがあるからなんだ。まぁ、それが自分にできる唯一のことだったいうのもあるんだけど…なんていうか、子どもたちをみてると、たとえ親のエゴでこの世に生まれたんだとしても、彼らが大人たちから歓迎されない社会にはしたくないって思うんだよ。だって、自分が受け入れられることを疑わずに生まれてくるのに、最初から面倒な存在だと思われてたらあんまりじゃない?」
これは恭平だけじゃなく私にも響いてきた。シッターの仕事をこのように考えてるなんて凄いなあと感心しかない。
男の子育て、なかなか良いじゃないか。
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本当に面白かった。そして色々考えさせられた。
妻を亡くした4歳の女の子の父親の恭平と、妻が海外に単身赴任中でひとりで1歳の男の子を育てている章吾。
二人は高校の同級生だが在学中はそれぼど交流はなかったが、ある日、お互い子連れでチェーン店のカフェで再開する。
話の成り行きから恭平のマンションに章吾がシッターという形で同居することになる。
最初は利害関係からの同居だったが、子育てや家族関係に悩みながら少しずつ関係が変わっていき同志のようになっていく。
境遇も考え方も違う二人だが、だからこそ悩みを打ち明け、一緒に子育てしていけるかもしれない。
恭平の家族関係はあまり明らかではないが、章吾の親子関係は良好ではない。そんな中で叔母との関係にはホッとさせられる。
恭平の周りは今どきの社会問題が様々渦巻いている。
以前の恭平なら上司達と同じ考えで処理したのだろうが彼も変わっていく。
恭平と章吾、知らぬ間にお互いの生き方が良い方に影響しあっていく。
多様な家族像、男性の子育て、社会に存在する様々なハラスメント、多くの問題を提起している話だった。
世間の視線など気にせず、ふたりはきっと父親になっていくんだろう、協力しながら。
最後の場面を読みながらそんなことを思った。
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妻に先立たれシングルファザーとして娘を育てる恭平。
そして、シッターの仕事をしながら息子を育てる章吾。
期間限定で、共同生活を始める。
それぞれが抱える問題、心情が丁寧に書かれている印象。
男性が積極的に育児に関わることは
珍しいことではないと思うのだけれど。
街中でも、お父さん(男性)が子供の手を引く姿を
目にすることが増えたので。
恭平、章吾が子育てをする中で
壁にぶつかったり悶々と悩んだりするのは
著者の白岩玄さんご自身に近いのかな。
(インタビュー記事をいくつか読んで思ったこと)
家族の形もひとつではない。
章吾たちをあたたかく見守る叔母。
こういう人が一人でもいたら楽になれる。
登場人物の中で一番好き。
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他の方の感想読んで気になって読んだけど、シングルファーザーのドタバタ育児日記みたいなノリかと思ったら淡々と男親、女親と区別するとは?みたいな感じで進むので読みやすく爽やかな話だった。
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シングルファーザーとして子どもを育てる2人の同級生。真逆の2人が一緒に生活することになり、、、。
4歳の娘を育てるまっすぐな性格の恭平。妻を亡くして、子どもを育てるために営業職から部署異動をし。
一歳半の息子を育てる章吾。妻は海外転勤で、シッターとして働いている。
2人の視点から交互に描かれるが、2人とも好感が持て、共感できるキャラクターで読みやすかった。
本作で描かれている子育てや介護などのケア労働、家事など家のことは基本的に女性がやるものだという考えへのアンチテーゼには納得できた。まだまだ世の中、性別による役割の違いは大きいと感じる。
産休、育休に入るかもしれないから採用しづらい、女性は仕事をやめても家庭に入れる、男性の長期育休はまだまだ取りづらい、そんな社会に対して、子どもたちが大きくなった際にそんな社会のままでいいのか!?という疑問を本作は投げかけている。
恭平の性格?というか根本の考え方は自分とは違うけど、真っ直ぐ行動しているところには共感した。
章吾には、、、妻?に対する恋心というか、その辺に関しては少しモヤっとするところもあった。
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男性の育児に対する当事者意識を高めるためにはどうしたら良いのだろう。中には何も言われなくても積極的に子育てに取り組まれている方もいるとは思うが、個人的な経験からすると夫はいつも妻のヘルパー(サブ)としての存在にいて、その先に一歩踏み出し積極的に子供と接しているように見受けられない。妻が子供の第一監督者である。という意識を無意識レベルで持っていることを自覚して、週末だけでも良いから積極的な父親の振りをするところから少しずつ変化してほしいと思う。その第一歩として本書を夫にも読ませたい!
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最近読んだ本の中では間違いなく1番の作品。自分には恭平に似た部分が多く、章吾のように相手に心地よさを与えることができるような心を持たなくてはと強く感じた。さらには、育児、家族の在り方、男中心の縦社会など今までに自分の中に持っていた固定概念を大きく変えていく必要があることを感じさせた作品であった。
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「私たちが後に続きたいと思えるような先輩になって下さい。じゃないと邪魔でしょうがない」。アッパレ、井口!