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  • カテゴリ:一般
  • 発売日:2007/11/28
  • 出版社: 小学館
  • サイズ:20cm/333p
  • 利用対象:一般
  • ISBN:978-4-09-386196-0

紙の本

のぼうの城

著者 和田 竜 (著)

時は乱世。天下統一を目指す秀吉の軍勢が唯一、落とせない城があった。武州・忍城。周囲を湖で囲まれ、「浮城」と呼ばれていた。城主・成田長親は、領民から「のぼう様」と呼ばれ、泰...

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のぼうの城

税込 1,650 15pt

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セット商品

骨太小学館歴史小説セット 6巻セット

  • 税込価格:11,330103pt
  • 発送可能日:購入できません

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商品説明

時は乱世。天下統一を目指す秀吉の軍勢が唯一、落とせない城があった。武州・忍城。周囲を湖で囲まれ、「浮城」と呼ばれていた。城主・成田長親は、領民から「のぼう様」と呼ばれ、泰然としている男。智も仁も勇もないが、しかし、誰も及ばぬ「人気」があった—。【「BOOK」データベースの商品解説】

時は乱世。天下統一を目指す秀吉の軍勢が唯一、落とせない城があった。武州・忍城。城主・成田長親は領民から「のぼう様」と呼ばれ泰然としている男だった…。智も仁も勇もないが人間臭い魅力で衆人を惹きつける英傑像を描く。【「TRC MARC」の商品解説】

戦国期、天下統一を目前に控えた豊臣秀吉は関東の雄・北条家に大軍を投じた。そのなかで最後まで落ちなかった支城があった。武州・忍城。周囲を湖で取り囲まれた「浮き城」の異名を持つ難攻不落の城である。秀吉方約2万の大軍を指揮した石田三成の水攻めにも屈せず、僅かの兵で抗戦した城代・成田長親は、領民たちに木偶の棒から取った「のぼう様」などと呼ばれても泰然としている御仁。城代として何ひとつふさわしい力を持たぬ、文字通りの木偶の棒であったが、外見からはおおよそ窺い知れない坂東武者としての誇りを持ち、方円の器に従う水のごとき底の知れないスケールの大きさで、人心を掌握していた。武・智・仁で統率する従来の武将とは異なる、新しい英傑像を提示したエンターテインメント小説。
カバー・イラストはオノ・ナツメ。【商品解説】

著者紹介

和田 竜

略歴
〈和田竜〉1969年大阪府生まれ。早稲田大学経済学部卒。「忍ぶの城」で脚本界の大きな新人賞である「第29回城戸賞」を受賞。

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著者/著名人のレビュー

豊臣秀吉の天下統一が...

ジュンク堂

豊臣秀吉の天下統一が目前に迫る戦国時代末期。石田三成二万の軍勢をたった二千の兵で撃退した忍城。その頭目は領民から「のぼう様」と呼ばれる男でした。この男、なにをするわけでもありませんが、他のどの戦国武将にも真似できない「自分らしさ」で勝負します。そして武士の誇も、領民も守ることができました。爽快な戦闘シーンと意外な武将の姿が読む人を選びません。

みんなのレビュー918件

みんなの評価4.0

評価内訳

紙の本

痛快時代小説

2008/09/28 14:51

7人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:いけちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る

今の埼玉県行田市にある忍城に、時は秀吉の北条攻め、石田光成、大谷吉継、長束正家の連合軍が、成田氏居城を攻める。結局は、小田原開城で戦争は終結するが、この城はおちなかった。高松城ばりの水攻めまでしたが、光成はかてなかった。この主人公のぼう様の人身掌握(?)には脱帽。本当に痛快な歴史小説。本の内容からは、かなり調査がれたあとがあった。うれしいのは、成田氏のその後がしっかり説明されているので、すごくすっ清美終えられます。

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紙の本

ある地方ではそこそこ有名でも、全国レベルでは無名の存在や事件というのがあります。それに新しい角度から光を当てれば思いもかけなかったものが見えてくる。相手は大物ほどいい。それに魅力的な人間が配されればもっといい。その好例でしょうか。ま、知らないのは私だけかもしれませんが、忍城・・・

2010/02/26 21:03

5人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:みーちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る

私のモットーは、他人が騒いだ本は読まない。無論、私が読んだ本を人が騒ぐのは構わない。これでもあまり困らないのは、昨今の本の出版点数が新旧取り混ぜてあまりに多いのと、デビューする新人の数も空前ではないか、という出版界の現状があります。で、この「のぼう」も書店がかなり気合をいれて売っていました。だから、私はそっぽを向いていたわけです。

しかも、この本、1500円もする割りに装幀が安っぽい。新人だから軽装、というのは分かりますが、このカバーデザインの安っぽさは、紙質、装画も含めて、いかに出版元がこの作品を軽く見ていたかが伝わるものです。特に色のセンスの悪いことといったら。要するに私に近寄るな、ってオーラをダブルで発しているわけです。

でも、気にはなる。だって、一年近くにわたって書店に推薦させ続けるっていうのは、生半可じゃあない。「2009年本屋大賞」2位受賞!! っていうのも、書店の支持があればこその結果です。で、ついに私も落城。嫌々ながら? 手にしました。早速奥付チェック。初版第一刷が2007年12月3日で、手元にあるのは2009年2月18日16刷、ふむ、30万部というのも嘘じゃあなさそうです。

で読みました。序、本文四章、終、の六章構成なんですが、はっきり言います、序で躓きました。豊臣秀吉? 石田治部? 私、徳川方の人間としましては、この二人、皇族なみに嫌いなんです。特に三成が。無論、小栗旬は好きですよ。でも、三成だけはいや。あの官僚然としたところが、現在と全く同じ。手を汚さず、頭の中だけで小賢しく動き回るその姿が、ゴキブリなみに嫌いなんです。

読まなきゃよかった、って思いましたよ、実際。でも、後悔したのはここまで。序が終ると、ありがたいことに秀吉が登場しなくなります。後半、ちょっと素っ裸で顔をだしますが、それだけ。それと、これは書いてもいいと思いますが、三成が負けるんです。誰にとは言いませんが、負ける。いや、勝ちはするんですが、でも負ける。それが嬉しいです。

で、この小説の成功はやはり、有名な合戦を扱わなかったことにあると思います。ま、私などは未だにこの話が史実に基いているのか全くの嘘っぱちなのか半信半疑なんですが、ともかく誰もが知る戦いではありません。無論、背景にある秀吉の小田原城攻めや一夜城は私でも知っていますが、武州・忍城なんて全く知りません。

埼玉県の人で、特に行田近辺に住む人はともかく、普通の日本人なら知らないでしょう。行田だって知らない。ま、宇都宮のギョーザなら分かるんでしょうが。そういう場所のお話、それだけで新鮮です。そのかわり、といってはナンですが登場人物の性格付けは決して斬新ではありません。ただ、その分、親しみ易いことは事実です。

しかも、チョイ役で有名人が友情出演してくれるわけですから、歴史心を擽るわけです。あ、あたい、この人知ってるよ、なんてコチョコチョ。で、こういう話の持っていき方っていうのは、一つのあり方として正しいと思うんです。舞城王太郎みたいに「新しい酒を新しい革袋に入れる」っていうのは、これはこれで凄いんですが、それを皆がやる必要はない。

「新しい酒を古い革袋に入れるな」は当然としても「古い酒を新しい革袋に入れる」ことは、そんなに悪いものではありません。しかも、ちょっと現在テイストが入れば十分楽しめるわけです。たとえば〈のぼう〉こと成田長親ですが、名前の由来が〈でくのぼう〉というのはともかく、器量が大きいのか、ただのバカか最後まで分からない男、なんていうのは目新しくありません。

でも、酒巻靭負が、家老になって一年たらずの、合戦の経験がなく兵書ばかり読みあさった22歳の若者で、男勝りの甲斐姫に思いを寄せる、しかも童貞だというあたりは今風でしょう。隆慶一郎なら、さっさと吉原に連れ出して筆卸をさせてしまうのでしょうが、和田はそこまで旧弊ではありません。

成田氏長が藤原鎌足から続く名家成田家当主で、容姿端麗で挙措も鮮やかだが凡庸で、大勢に流されるタイプだが、あんがいものの見方はしっかりしているあたりは、よくありそうですが、その娘で18歳の甲斐姫が傾城の容色として、忍領内はおろか、他領にも知れ渡る美女、まではともかく、性格が男勝りで、なぜか長親に惹かれていて大胆な行動をとるあたりは、ちょっぴり今風。

長親の父で75歳の成田泰季は氏長の父 長泰の弟で、血筋と傑出した実績から長泰亡き後「一門の棟梁」「脇総領」とも称され、この老武者の発言は当主氏長より重いとされるものの、老齢のため床に伏せっていることが多いとか、正木丹波守利英が成田家の家老で、家中で武辺の最も優れた者だけが持つ「皆朱の槍」を許された男というあたりは決して新しくはありません。

でも同じ成田家の家老でも、柴崎家の総領息子の和泉守が子沢山の武辺者であるのはともかく、強さだけでいえば、丹波守より自分のほうが強いと思っているとか、妻の〈ちよ〉が成田家のものに乱暴されたことから、城主をはじめ成田家に恨みを持つにいたる〈かぞう〉や、娘の〈ちどり〉、父親の〈たへえ〉などはちょっぴり今風。

文章は、極めてオーソドックス。だから売れるんです。老人でも理解出来るし若者でも共感できる。主人公が単なるスーパーマンより身近なわけだし、酒巻靭負の子供っぽいオタクさかげんなんて、俺もそう、なんていう若者が出てもおかしくない。そこまで美女じゃなくても甲斐姫みたいな奔放さをもった娘っコなら案外多いでしょう。

そういう意味で、凄い、とか、斬新、とかいう言葉が当て嵌まらなくても、面白いことだけは確かなわけです。ただ、これがよく知られた時代や場所、人ばかりになった時、どこまで楽しめるか。和田の将来はそこにかかっていそうですが、次作の『小太郎の左腕』は『のぼう』を凌ぐ、といわれていますから当分は安心かもしれません。

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紙の本

本屋大賞を見て読みました。

2014/10/12 10:44

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:shingo - この投稿者のレビュー一覧を見る

本屋大賞を見て読みました。
石田三成VS成田長親の歴史小説。歴史的な話で物語がよく中断しますが、それでも実に読みやすく、メリハリが利いています。歴史も知れる、エンターテイメント小説と感じました。

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紙の本

痛快です!

2013/04/23 09:33

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:櫻良 - この投稿者のレビュー一覧を見る

こんな 歴史小説まってました! といった感じです
読み進めば 読み進むほど 加速していくそして、のめりこんでいく
もう 最後の1ページまでまっしぐらです
終わり方も 後腐れなし! よみ終わった時には爽快感さえありました^^;

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紙の本

これもひとつの英雄譚といえます。際立つキャラクター。

2012/01/29 16:29

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:Pin - この投稿者のレビュー一覧を見る

映画か、マンガのような「ビジュアル」歴史小説といえばいいのでしょうか。登場人物にキャラクターがきっちり割り振られていて「キャラが立って」ます。内容は、秀吉の天下統一の仕上げである「北条・小田原城攻め」に遭遇した忍城(埼玉県行田市)の奮戦記。攻めるは石田三成・大谷吉継・長束正家、守るは「でくのぼう」を略して「のぼう様」と呼ばれる城主の従弟で城代となった成田長親(城主・氏長は兄弟で小田原城へ籠城中)。力攻めで作戦負けした三成は、秀吉の備中・高松城の水攻めを、より大規模にして再現を試みるもこれも打ち破られ、忍城は小田原城落城後まで唯一攻め落とされなかった支城となる。「のぼう様」とそれを取り巻く登場人物や敵方とのやりとりがとっても面白い。

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紙の本

でくのぼうの城

2010/06/27 21:44

5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:kumataro - この投稿者のレビュー一覧を見る

のぼうの城 和田竜 小学館

 「のぼう」とは、「でくのぼう」の「のぼう」であり、「でくのぼう」とは、城主成田長親(ながちか)氏を指します。城の名前が「忍城(おしじょう)」、現在の埼玉県行田市(ぎょうだし)となっています。最初は、豊臣秀吉の小田原城攻めに取り掛かる場面があるので、のぼうの城は小田原城だと勘違いしました。その記述の前に備中高松城の水攻めの様子が描かれています。秀吉の豪快な水攻めに感動した石田三成は、「忍城(おしじょう)」を水攻めにしますが、大失態を演じてしまいます。なにゆえそうなったかの経過が歴史事実を基に創作されています。
 戦闘シーンの記述は、映画「レッド・クリフ」を見ているようでした。ときには、漫画が思い浮かびました。この物語は面白いのですが、でくのぼうである成田長親(ながちか)氏の魅力がいまひとつ足りません。性格がはっきりしないのです。英雄ではあるけれど、強く支持もできないのです。脳に障害があるのだろうかと思うような行動を感じました。物語の流れも、多勢に無勢で敵を倒しつつも最後は悲劇的な滅亡に向かっていくと予想したのですが、そうでもありませんでした。
 総じて、勝利のためには、人心をつかむことが大切と教えてくれる物語でした。

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紙の本

戦国で優しさを説く

2009/03/22 21:38

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ばー - この投稿者のレビュー一覧を見る

 どこかにいるよねこういうひと。
 
 それがこの『のぼうの城』の主人公、成田長親に対する印象だ。

 傍から見ても何を考えているか分からない顔、その顔は決してお世辞にも容姿端麗とは言えず、つまり醜男。背格好は大きく、だが、ただ大きいだけ。機知に富んだ性質ではなく、その言動、姿は百姓にも小馬鹿にされる始末。「でくのぼう」を省略して「のぼう様」。超然としているのか、ただぼーっとしているだけなのか。
 ただ、そんな「のぼう様」、成田長親は人気だけは篤い。無論、信頼等ではなく、上下関係、主従関係、などを取っ払った人望。それはまさしく、なにやらよく分からんが現代でもたまーに見かける「しかたねぇなあ、あいつは」である。

 長親の為に百姓達が【「しょうがねぇなぁ、あの仁も」】と戦に進んで参戦していったのには、思わず「いいねいいね」と喝采。そして、民を想う長親の策が三成軍を退けたのにも喝采。武士らしい爽やかな終幕には、心がすかっとする。ハリウッド的?ええやん別に。本当に史実かどうか分からんけど、実際忍城は最後まで落城しなかったし。ちょっとぐらいの脚色はええやん別に。この本の場合、要は、その構成や筋書きよりも、「長親のような人物が主人公で、大いに活躍する」ことに意味があるんじゃなかろうか。

 理知や力や才ではなく、人望で戦に勝つ。普段は百姓にまで小馬鹿にされるけど、実は思わぬ才を持っている。そこは確かにいい。

 私がこの小説をめちゃくちゃ良い!と思ったのは、めちゃくちゃ長親に肩入れしてしまうのは、長親も、長親の周りの人間もとっても優しいからだ。不器用な長親が百姓の手伝いをして失敗ばかりやらかしても、ため息ついて「手伝わなくて良いからそこで見てて」と言う百姓たち。どんだけ愚図でも、友として怒ってくれる馴染みの友人。結局はそこらを含めて人望、隠れた才なのかもしれないが、その優しさは見てて気持ちいいものである。それに応えるかのように、自分の命を賭して戦を終わらせようとする長親。優しさが伝播して広がっていくのが気持ちいい。

 峻烈な戦国時代の中の、恐らくは「if」の話だけど、だからこそ良いよね、こういうの、と際立つ。
 最近の激烈な世の中には、長親のような潤滑油が必要だ!なんて思ったり。すれてすれてみんな擦り切れてしまいそうな時こそこういう人材が必要なのではあるまいか。理想論だが。
 
 百姓たちは長親に才を見ずとも戦った。臣下の者は長親に才を見ても小馬鹿にした。それは長親の策か、と言われれば答えづらい。それでも長親の、人望を盾に取ったあくどさが全面に出ないのは、長親が愚者であり、愚者であることを自覚した将であるからだ。そこをつけこませる余裕、うーん、無意識なんだろうね。

 愚者を装う才人には私はピンとこない。隠れた才を持った本当の愚者の方がいい。しかも「やっぱり馬鹿は馬鹿か」なんてな結末になったら最高である。それは私が愚者であることへの慰めなのかもしれない。だからこそこの物語は痛快なのかもしれない。
 長親という一見愚者の才人を描いたこの本は、優しいに溢れるいい物語だった。
 

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紙の本

軽妙な物語

2009/10/29 16:19

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ふぉあぁ - この投稿者のレビュー一覧を見る

主人公と個性豊かな脇役達が、まるで映画を見ているかのような軽妙な物語廻しが見事です。

と、裏書きをみたら作者はシナリオライターなのですね。

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紙の本

明るく痛快、マンガチック新感覚歴史小説の登場

2011/12/14 15:57

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ががんぼ - この投稿者のレビュー一覧を見る

 新感覚の歴史小説の登場として話題になった本。そもそも映画のシナリオとして書いて、それが賞をもらって、今度は小説化したものらしい。そういえば映画も来年秋に公開されるとか。
 素材は、関白秀吉が天下統一の過程、小田原攻めと同時に石田三成の担当で進めた北条傘下の成田氏、忍城攻めで、圧倒的な多勢に対抗して城を守りきった成田方を、城代を務めた成田長親を主人公に描いたもの。
 ポイントは2つ。一見愚昧な人物があっと驚く活躍をするパタン。第二は、圧倒的不利を乗り越える少数派の健闘への讃歌。その痛快さ、明るさが新しさとして人気を呼ぶのかもしれない。
 この明るさとわかりやすさはマンガ的だ。そこが、そもそも映画のシナリオらしいところで、時間的にも短いし、戦国史の壮大からすれば、ごく小さなエピソードを、コンパクトに描いたところも売りだろう。歴史の重さのようなものはちっとも感じさせない。その点不満と言えば不満だが、話を絞って、家臣団やら敵方を含め(三成がこれだけ魅力を持って描かれるのも珍しいだろう)魅力的な人物群をひたすら痛快に描いてみせた。文章もコンパクトで相当書ける感じだし、楽しめた。が、食い足りない部分を次の作品で試してみたい気持ちは出てくるのではないか。

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紙の本

近々行田市の郷土博物館に行ってみよう。これは行田市の町おこしに一役も二役もかっているベストセラーである。

2008/06/24 16:26

10人中、10人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:よっちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る

埼玉県に住んでいながら、この物語の舞台となった忍城(おしじょう)や城主であった成田一族についてはほとんど知らなかった。戦国時代を描いた数々の歴史小説でもこれを取り上げたものはあまりないのかもしれないと興味津々として読み始めた。それにしても「忍城」といい別名「浮き城」といい、城攻めが難しい秘密の仕掛けを用意した忍者屋敷のようで、いかにも冒険とロマンにあふれている。この作品はまさにその雰囲気そのままに波乱万丈であったよ。

埼玉県行田市(ぎょうだし)の観光協会ホームページはこう案内している。
「関東七名城の一つとされる忍城は、室町時代の文明年間に築城されました。時は戦国時代の終わり、豊臣秀吉の関東平定に際して、石田三成らによる水攻めにも果敢に耐えたことから『浮き城』の別名が生まれたと伝えられています。現在の忍城御三階櫓は、明治6年に取り壊されたものを再建したもので、最上階からは市内の景色が一望できます。昭和63年に開館した郷土博物館は、かつての忍城本丸跡地にあり、………。」

またここの郷土資料館のホームページでは
「戦国時代、行田周辺の武蔵武士の中から、現在の熊谷市上之を本拠地とする成田氏が台頭し、忍城を築城しました。文明11年(1479)の古河公方足利成氏の書状に『忍城』、『成田』とでてくることから、このころには築城されていたと考えられます。当時の城主は成田顕泰といい、以後親泰、長泰、氏長と四代にわたり、天正18年(1590)まで、約百年のあいだ成田氏が忍城主でした。」

そしてこの作品のあらすじは
「時は乱世。天下統一を目指す秀吉の軍勢が唯一、落とせない城があった。武州・忍城。周囲を湖で囲まれ、『浮城』と呼ばれていた。総大将・成田長親は領民から『のぼう様』と呼ばれ、泰然としている男。智も仁もないが、しかし、誰も及ばぬ『人気』があった。この城、敵に回したが、間違いか。石田三成二万の軍勢に、たった二千で立ち向かった男がいた。」

文芸作品としての歴史小説は史実の重みの中で現代に通じる人間の喜怒哀楽を描いているところに魅力があって、しかも漢字の持つ豊かな表現力でその魅力を倍増させている作品が多い。この作品はそうではない。エンタメ系の平易な文体で史実重視というよりは著者の豊かな創造力が生んだ痛快時代小説に近い楽しさがある。

領民から「のぼう様」と親しまれているこの主人公・成田長親の人物像はおそらく著者が独自に味付けしたものであろう。本当かしら?と思われるほど知恵も力もない飛びぬけた「のぼう振り」では、忍城水攻めで男を上げようとしている石田三成の軍勢を前にひとたまりもないはずである。だから読み手としてはどうなるんだろうどうなるんだろうと心配しつつ読み進むことになる。彼を取り巻く武者たちは関東武士の根性を見せてやれとばかりに血気盛んな男たちでウイットとユーモアがあり、単純な奴が多い。その戦闘シーンは昔読んだ真田十勇士の奇想天外な防衛戦を髣髴させ、ワクワクさせられる。
中央政権に歯向かう地方小藩であり、この図式は先日読んだ火坂雅志『臥龍の天』と同じだ。なるほど、地方分権、これからは地方の時代といわれながら実際は取り残されていく地方。これが現代の非情な政治力学であるから、このウップンを読書で晴らそうとすることはおおいに結構なことだ。それに民を治めるということは民とともに生きるということだと、最近では為政者もまったく口にしない政治の要諦を抜け抜けと感動的に料理したこの作品、絵空事だけどすっきりした気持ちにさせてくれます。

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紙の本

こーゆー歴史モノもわるくはないが...

2012/06/20 13:16

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:のちもち - この投稿者のレビュー一覧を見る

天下取り目前の秀吉が、落とせなかった武州・忍城。この城を舞台にした半史実・半小説。タイトルの「のぼう」という意味がわからず読み始めたが、忍城の城代・成田長親が農民などから呼ばれている通称であり、そもそもの意味は「でくのぼう」だという。この「のぼう様」が、数的に圧倒的に劣勢でありながらも、石田三成軍を寄せつかなかった戦。その戦の始まる背景から終結まで、「人間」を中心にストーリーは展開されます。

個人的には、この時代の歴史ものが最も面白い。本書では「脇役」であるが、秀吉のキャラ、秀吉に従った者たちの個性、それに対抗する少数勢力が、それぞれ光を放っているように思えるからだ。それほどこの手の歴史モノを数多く読んでいるわけではないけれど、忍城という、歴史の教科書では出てこない、それなりの小説でも一部触れられているようなところにスポットを当てるその発想からしてユニーク。そして「のぼう様」が、剣の達人であるわけでも、戦略戦術に長けているわけでもなく、そんな「主人公」が、どのような魅力で、武士、農民をまとめているのか...

次第に、「のぼう様」のキャラがわかってきますが、残念ながらその魅力を存分に感じる、というレベルまでは至りませんでした。脇を固める武士の卓越した技量にむしろ「かっこよさ」を感じながら、戦のダイナミック感、人心のうつろいやすさ、それから石田三成の残念な性格(...)を読んできます。三成に関する史実では、この忍城の一件は確かに汚点(最初の)だったようです。本書では主人公との対比で描かれているので、より彼の「欠点」が明らかになっているようでした。
秀吉は本書ではホントに脇役で、「特別出演」くらいの扱い。確かに、全ての戦の現場で秀吉が存在したわけではないし、本書に描かれた支城での戦いなど、もはや目にする機会がないことの方が多いのだろうと思う。

歴史モノにそれほど強くない自分でも、「小説」としてエキサイティングに読めるものです。逆に史実に明るい読者は物足りないのかもしれない。個人的には、楽しめたものの、もうしょっとは「有名人」の出演場面もあってよかったかなあ、と思う。「知っている名前」を見つけると結構うれしかったりするから...

【ことば】「この忍城の者どもは、士分も領民も一つになっておる...所詮は、利で繋がった我らが勝てる相手ではなかったのさ」

三成はわかっているのだ。これをその後に活かさなかったのはイタイけれど...自ら敗軍の将に声をかけるなど、三成のどこかに「人間的」なものがあったのは彼を語るエピソードの中では、ちょっとだけ光があたる「いい」部分。

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紙の本

自分で本屋大賞を決めよう 第3弾

2009/02/24 01:45

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:redhelink - この投稿者のレビュー一覧を見る

 本屋大賞ノミネート作品。割と会話文が多かったので、300ページほどあ

りましたが、早く読み終えました。



 内容は、豊臣秀吉が全国統一をする際に、北条氏を攻め滅ぼしますが、そ

の途中での一城攻めの話です。城攻めをされる城主の政治的意図のない、多

数の百姓が抱く想いをもった描写が人間臭さを感じました。

 しかも武芸や戦略知などまったくなく、百姓から正面切って「のぼう様」

(でくのぼうが由来)と呼ばれる始末。そんな城主が一瞬の輝きを放ちま

す。



 感想。

・・・え~参考文献の数がすごかったことからもわかるのですが、非常に細

かい。歴史オタクならそういう説明文も嬉々として喜ぶのでしょうが、はっ

きりいって多すぎる。しかも作品内に著者のコメントが載るあたりが小説で

ない雰囲気を出してしまうのです。虚構に浸っている最中に現実に戻さなく

てもいいじゃんと思いました。



 中途半端な感じが時間の浪費というイメージとつながりそうな、そんな個

人的意見も入れておきたいと思います。

 大賞を授かる作品候補は、個人的に残り7つから出ると思っています。

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2012/01/19 06:08

投稿元:ブクログ

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2013/06/08 11:00

投稿元:ブクログ

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2007/11/28 01:51

投稿元:ブクログ

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