神様のカルテ ３ （小学館文庫）

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神様のカルテ、第三作目。
今回もとてもよかった。イチを取り巻く人々が優しくとても逞しく読んでいて和み力がわいてくる。
イチの新しい決断に次作も期待

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この時期、仕事がとても忙しく、朝は早くから夜は遅くまで、土曜も毎週出勤が続き、かなりしんどい。
そういう時にこの本を読めば、私よりもずっと栗原先生は忙しく、それでも恬淡と患者と向き合う姿に触れる。
患者が来れば、いつ何時であっても、『道なき山も、橋なき河も、意地と矜持で舗装して、行けるところまで進んでいくのが、我らの歩みというものだ』と応じていく姿に、クタクタな自分でもやはりそうありたいと思う。
しかし、このシリーズ、最初読んだ時はどうってことなかったのだけど、だんだん良くなるよねぇ。今回は、新任女医の小幡先生の苛烈さと対比させて、栗原先生に自分の生き方の是非を突きつける。
大狸先生は、医者にとって一番大事なものは続けることだと言ったけど、サラリーマンも一緒だな。
これから大学へ行って、また新しいことを経験し人生を豊かにしていく栗原先生を羨ましく思いながら、私にだって、悔いは多いながらも、途中で逃げずに、自分に出来ることを少しずつ積み上げてきた人生があることを、今更ながらに、ちょっと嬉しく思う。

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やっと3読んだよ－。
一部完結ってことでイチさんはここからまた新たなステージへって感じですかね。
砂山先生と進藤先生と栗原先生の旧友トリオの絡み（というかホモ関係の噂のある2人の絡み）が地味に好きだったので次からは減るのかと思うと寂しいですけども。

あ！小幡先生なんか嫌な人だなって思ったけど、後半で好きになった！かっこいい女医さんです。
実写化されたら誰がやるのだろうか。

あ…あとジャン・クリストフ読みたくなった。難しそうだけど。

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夏川草介のペンネームが面白い。
夏は夏目漱石、川は川端康成、介は芥川龍之介で、草は漱石の「草枕」からだそうですね。医師であり小説家でもある。

※（本文から抜粋）
　利便とは時間を測定する働きであり、風情とは時間の測定を辞める働きである。
　両者の両立はできぬ以上、どこかでバランスをとらなければならないのに、利便にばかり突き進むのが今の世の中だ。いずれこの世は物差しばかりが敷き詰められた、まことに四角い世界へと変ずることであろう。
※（抜粋終り）
　この小説は、解答を出すためにあるのではないと思う。
問題を投げかけ、読者に問うているのでしょう。
その前提条件は、人生には解答がなく、それでも何かを選ばなければ、すべてが始まらないと云うことです。深いですね。

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『神様のカルテ３』
夏川草介

　とても素晴らしい一冊だった。
　正直、物語も進み蛇足となるのではないかと心配にもなっていたが、それは杞憂であった。

　まず、「第一話　夏祭り」。
　相変わらずの本庄病院と栗原一止の日々に加え、前作で問題の人であった進藤辰哉が本庄病院で働く様子が描かれている。
　つぎに今回の問題の人、小幡奈美の登場と東西ナオミの恋話。中心となるのは後者だが、小幡先生が逆にそつなく書かれていて、「第三話　冬銀河」での彼女の不可解な行動が目立つようになる。
　今回の物語はここから始まるといってもいい。新しい患者、医者、そして新しい壁に出会う一止。だがさらに問題が露になってゆく。
　一止の級友であり、親友の砂山次郎。彼が最後に本庄病院で行う手術、小幡先生の過去の秘密により物語が終わりへ向かう予感を覚える。だがそれで終わらないのが、この小説のすごいところ。
　最後に「第五話　宴」。衝撃的な展開と、一止が進む道が提示される。まさに

「牛のように図々しく進んでゆくのが大事です。」

　この言葉を表す様に物語は締められる。

　まるで一つの組曲の様に美しく構成されている。逆に構成を念頭に作られていると考えてもよいだろう。
　作者の気概が伺える一冊だった。

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文庫本発売の翌日にげっと。本屋さんで新着の位置に積まれていたものの、表紙が地味だったので見過ごすところだった。2の文庫をその数日前に読んだばかり。嬉しくて、飛びついて、その日のうちに読みきってしまった。

このシリーズのすきなところは、豊富な情景描写が、いつだって作品の世界をより深く、繊細にわたしの心の中に描いてくれること。読み飛ばしているはずのそういった描写の数々が、気付くと人物の動きや彼らそれぞれの心の機微とあいまって、深い感動へと繋げてくれる。医者達とその家族や地域の人々の何気ない日常にほっこりし、引き込まれて読んでいくうちに、最後にはすっと心がすっきり。3作目も、永久保存版みたいだ。

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心地よい。あぁ心地よい。陽だまりのような文章やなぁ、と思っていたら、真ん中辺りから緊迫感が増し、最後は、涙、涙、涙。また、電車で泣いてしもた^_^;

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24時間365日救急受入を謳う本庄病院は、そこで働く内科医 栗原一止は、今日も相変わらず忙しい。
「忙しいという字は心を亡くすと書く」とは使い古された言葉だが、そんな中でも心を亡くすどころか、患者のために足掻き続ける一止や、彼を取り巻く人々の物語は、すすすーっと心に染み入って、いろんなことを考えさせたり、気持ちを昂ぶらせたり、泣かせたりする。それがとても気持ちよい。
そんな一止が本巻では三十歳を迎え、クライマックスでは、ある大きな決断を下す。
彼の今後の便りを、楽しみに待ちたい。

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主人公が医者としての岐路に立つ第３巻。医者の資質って何やろか。技術か、熱意か。色んな仕事にも言えることやけど、難しい問題やよね。熱意だけでは限界が来るよね。
大狸先生の「続けること」と言う言葉は熱い。

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３冊目。毎回毎回、大切にしたい言葉を多く、くれます。

しばらく寝かせておいて、内容を忘れかけたら読みかえそう。