紙の本
やっぱり木内さんの本は裏切らない!
2020/12/13 18:39
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投稿者:GORI - この投稿者のレビュー一覧を見る
男の私にとって、占いはあまり興味が持てない。
何故、そんなに喜んだり、嘆いたり、占い師の言葉に一喜一憂するのか理解出来ない。
だからこの本も題を見ても、表紙のデザインを見ても、全然盛り上がらなかった。
しかし、しかし、さすが木内昇、読ませます。
占えば占うほど、不安が募り、占いに駆け込む、女たちの執念、恐ろしい。
このちょっと、薄寒い、薄気味悪い 話が良いですよね。
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投稿者:ハム - この投稿者のレビュー一覧を見る
あの人の気持ちが知りたいと、占い巡りをする。あんまり、共感できる主人公は。いませんでしたが、おもしろい。
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占いに翻弄される女性たち。
自分の思う結果が出るまで占いをやめられない、いつの間にか占い師にされていた、など他人のことだから笑っていられるのかもしれない。
一番面白くゾッとしたのは『鷺行町の朝生屋』
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悩める女性達を描いた短編集七話。
タイトルの通り“占い”をテーマに書かれたものと、占いとは異なるけれど、それっぽいものを書いたもの等、舞台は大正から昭和初期頃で、この時代の雰囲気が手に取るように伝わってきます。何となく同著者の「よこまち余話」を彷彿とさせるものがあります。
各話すべて秀逸で(勝手に“木内クオリティ”と呼ばせて頂いております)微妙なリンク具合も心憎く、上手いなぁと唸らせる構成です。
個人的には第二話「山伏村の千里眼」と第七話「北聖町の読心術」が好きでした。この二つの話に登場する、杣子さんの人間観察力とそれに導かれる結論が適格すぎて、占いというよりカウンセリング、はたまたプロファイリングか?というレベルです。
そりゃ、相談者も納得だわね・・と、なりそうなのですが、いくら筋が通っていても“自分の希望している回答ではない→納得できない”という事で、何度もやってくる相談者がいるのが面倒ですね。
そう、本書に登場する悩める女性達に共通しているのは“執着”にとらわれているという事。
なので自分で適格な判断ができず、占いだったり、それのようなものに依存してしまう・・・という心理過程の描き方がまたお上手で、感心しながら読みました。
因みに、「宵町祠の喰い師」に出てきた森崎みたいな人って、会社にも普通にいますよね。こういう困ったヤツにつける薬はないものですかねー・・。
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女性ならではの不安や辛さ。
救いを占いに求める気持ちはとてもよくわかる。
でも、結局は当るも八卦、当らぬも八卦で自分で人生を選ばなければならない。
それが望まないものでも。
それぞれの作品の登場人物が他の作品に出てくるのも魅力的な一冊だった。
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短編7編。
大正末期、男の本心が知りたくて占い師巡りを止められない翻訳家。恋愛相談に適当に答えるうち人気の「千里眼」になってしまったカフェーの会計係など、恋や仕事、家庭に悩み迷える女性たちが占い、イタコ、透視などにより自分を見つけていく。
どの話も味わい深く、外れなしの短編集。
一番面白かったのは、家業の大工の会社を継いだ若い女性の話。いい加減で努力せず、無責任な職人への対応に悩む。
占いにすがりたいという気持ちはとてもよくわかる。
仕事も恋も、何かを始める時、やめる時、諦める時も。
しかし決めるのは自分自身であり、占いは背中を押してくれるものだったり、自分の考えや事実を自分に認めさせるものであると思う。
(図書館)
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大好きな木内さんなんですけどね~~~。
タイトルが示すように占いに嵌る女性を描いた7つの短編。「時追町のトい家」「山伏村の千里眼」「頓田町の聞奇館」「深山町の双六堂」「宵町祠の喰い師」「鷺行町の朝生屋」「北聖町の読心術」。各編の登場人物が別の短編に顔を出したりしています。
時代は大正でしょうか、ややノスタルジックな雰囲気は有るのですが、それ以上に主人公の女性たちの”自己”の弱さを時代が示しているようです。自己が弱く、疑心暗鬼に陥り、ひたすら他者の目に映る自分を気にして占い(や口寄せ、読心術)に頼る。中には部分的には覚醒する人も居るけれど逃れきれるわけでもない。元々占いには興味がなく、神社に行ってもおみくじさえ引かぬ私から見れば、どうにももどかしいだけで感情移入ができません。前半ではややポジティブな「頓田町の聞奇館」が印象に残ったくらい。
後半は少し良くなります。「宵町祠の喰い師」の綾子の思い切り、「鷺行町の朝生屋」のホラー、「北聖町の読心術」のエンディング。
とは言え、全体としては肩透かしかな。
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大正末期、町場で、住宅街の路地裏で、占い師、口寄せ師、喰い師、読心術師らに悩みを吐き出していく女たち。
ある者は好いた男の心を知りたいと思い、またある者は仕事の憂さをただただぶつける。平凡な主婦がよその家庭をマウンティングし、職業婦人(懐かしい言葉)も主婦も、独身も既婚者も、この世の全ての者は自分にないものを求めて悩むのが常なのか・・・
占いで悪いことを言われれば信じ難く、そんなはずはないと抗い、いいことを言われればそんなうまい話はないと疑い、それでも占い師詣でを辞めることのできない女たち。
身の内に飼いならしていく「疑心暗鬼」という鬼が彼女達を蝕んでいく怖ろしさ。特に「鷺行町の朝生屋」はもうホラーです。怖かった~。
7つの短編は、どれも人間の業を描いてゾッとさせる。
悩んだ者は占いを頼るけれども、結局のところ悩みの種も解決策も我が身の内にあるということか・・・。
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【収録作品】時追町の卜い家/山伏村の千里眼/頓田町の聞奇館/深山町の双六堂/宵待祠の喰い師/鷺行町の朝生屋/北聖町の読心術
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木内昇先生の新作。占いにまつわる短編ということで、過去に何度も占いにハマったわたしはとても期待。笑
どの話の主人公の気持ちもわかる。というか、男女問わずですけど、人は迷ってるときはなにかに縋りたいって思ってしまうんですよね。けど、自分の中でこういう結果が出て欲しいと思うところがあるから、占い等で相談したとしても、それにそぐわぬ結果が出れば認めたくない。
結局は自分の中にある程度答えはあるのだなあと思いました。特に女性は。双六堂の話が怖かった。知らないこと、他人と比べること。これってとても、怖い。
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大正時代の女性を主人公にした7編の短編集。タイトルからするとすべて“占い”が絡んでいるように見えるが、本当の意味での占いは最初と最後の2編だけだ。そして一見無関係に見えるそれぞれの作品が微妙に繋がっているのもおもしろい。バラエティーに富んでいて次はどんな作品だろうとわくわくしながら読んだが、一番好きなのは「頓田町の聞奇館」、行ってみたいのは「宵待祠の食い師」かな。
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占いにまつわる連作短編、7編。
時の頃はおそらく昭和初期くらいでしょうか。
「時追町の卜い家」
一人暮らしの翻訳家の桐子が、一時同居していた伊助のことを占いに何度もトい家に通ってしまうようになる話。
占い師によって言うことが違い振り回されます。
自立した女性でも、男性のことは気になるんですね。
「山伏村の千里眼」
カフェーの女給の岩下杣子は千里眼を買われて大叔母の家で、鑑定を始めます。
千里眼とはいえ半分以上はあてずっぽうで適当なことを言っているだけで、大繁盛し、占いの舞台裏がみえて面白かったです。
他にも、イタコあり、似顔絵や読唇術など占いからちょっとはずれている物語もありますが、読ませる話が多く楽しめました。
小説家の方が占いを描いたら、こんな風に描くんだなあと思いました。
小説家と占い師ってどこか共通の要素がある気がするし、本気で作り話をすれば本物の占い師よりも面白い話をでっちあげる才能のある方が他にもたくさんいらっしゃる気がしました。
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短編集7編
ついつい占いに頼ってしまう心の弱みはどんどんエスカレートしていくようだ.だがこの主人公たちは最後に自分に立ち返り新たな一歩を踏み出している.その助けになるのは占いばかりではなく親しい友人だったりもするわけだが,占う方占われる方両面から描いていて面白い.また,各章にいろんな登場人物が重複するのが嬉しい.
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七つの物語が登場人物でゆるく繋がっていて、少しの前の時代設定と融合していい感じ。ちょっとしつこいところもありますが、まずは楽しめる”ホラー”です。
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時代背景が古いものばかりで現代物も読みたかったし、「占い」というものに対しての物語へのアプローチが浅い気がした。