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投稿者:きりん - この投稿者のレビュー一覧を見る
ある意味、家族再生の物語なんでしょうけれど……こういった夢物語を受け入れられる人にはいいかな。現実はもっとキツイ。
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2018/05/30
「波」にて連載されていたエッセイを加筆修正、再構成したもの
ウェブで読んでいたから大体は分かっていたけど、それでもギョッとしたりニヨッとしたり胸をガバッと捕まれ圧が掛けられたように痛んだり哀しく?切なくなったりと忙しかった。
スーさんの、話を綺麗にし過ぎないというか美しい思い出だけにしないところが好き。
両親との色々なんてそんな簡単に単純な感情では纏められないやな。
良かったフレーズなんて沢山ありすぎてメモせにゃ分からんわ。メモりゃえかったな…。
うまく感想書けないーー、良かったのになぁ(´;ω;`)語彙力
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大好きなスーさんのエッセイ、今回はお父上について。
ラジオで時々聞いていたお父上のキャラを少しは知っていたけど、本作では…。いつものスーさんの軽快な文章なんだけど、今までの作品とはやはり全然違う趣だった。
三人家族の頼みの綱であった母上は、スーさんが若いころに病死。当時の話が詳細に書かれていて…読んでて息がし辛くなる章だった。一人娘で両親とも大変な時期で、自分一人ではどうにもならずに「あの人」に頼らざるをえない状況。という描写がキツイ。
父上の心が壊れた場面は「女性は愛する人の看護ができるが、男性は難しいらしい」という話を思い出した。
実家の整理の話も厳しかった。そして見つけてしまった母の秘密。
私も父との相性がすこぶる悪い。ちょっとだけ「親子なのにこれでいいのか」と悩んだこともあったが、今は「相容れない親子関係だってある」と開き直り。幸い弟がいて、それぞれ結婚して配偶者もいるから…今後両親に何かあったときに「一人で立ち向かわなければならない」目には遭わずに済みそうだけど。
そんな現状に甘えて、私はスーさんのように父と向き合うことが今後もできない気がする。それとも私が中年以降まで歳を重ねたら、知りたいと思えるようになるんだろうか。
でも読んでよかった。
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愛憎うずまく親娘関係に、著者ならではの巧みな表現が散りばめられていて、思わず声に出して笑ってしまう。男性目線としては父親に、子供目線では著者に共感しながらも、だらしのない父親に著者と一緒になって苛立ったりもする。だけど一貫して徹底してる女性への軟派な態度は、段々とカッコよく、粋に見えてくるから不思議だ。一時期商売が相当成功していたというのも決して無関係ではないのかも知れない。ひょっとしたら競合他社の人間は「怪文書を回す」ことしか出来ないくらい、父と取引先の関係が蜜月だったのかも知れない。著者の軽妙で洒脱な文章の才能の一部は、間違いなくこの父から受け継がれたものであろう。決して相性が良いとは言えない「父」と「娘」だが、その関係も中年を過ぎて「人」と「人」として接する時にようやくうまく付き合えるものなのかもしれない。でもそれは「母」の不在があったらばこそだと思う。ようやく三人家族になれたこの先をまた是非読んでみたい。
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母娘というのも大いなる関係ではあるのだけど、父娘となるとまた違った大いなる関係だ。特に一人娘の場合は。
銀座についてのエッセイでこの方非常にお嬢様だと思ったのだけど、この本を読むとその辺りの事情がわかる。根っからのど庶民の私とは違い東京生まれ東京育ち、しかも文京区。
この本の内容だけで、戦後日本の一代記を読んだ気分になる。生まれこそ戦前だが戦中を乗り越え戦後に聡明な妻を得てビジネスで成功を収めて…その後すっからかんになるまで。お母様も魅力ある方だったろうけれど、ここに描かれるお父様も非常に魅力ある人物なのだろう。
ただそれが家族、娘となるとまた別。その一端を垣間見せてもらった。
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すでに亡くなられたお父さんのことが書かれているのかと思っていたら、ご存命でした。失礼しました。
思っていたよりソフトな内容で、ジェーン・スーさんはいたってまっとうな親思いの娘であった。そこらへんに共感するか、なんとなくもの足りないと思うか、人によって受け止め方は違うだろう。私は後者かな。お父さんの戦争体験を聞くくだりなど、もうちょっと突っ込んであったら良かったとも思う。
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禍福は糾える縄の如し、と。
血縁とは厄介で尚且つ愛おしい。
親と子は生まれ落ちて亡くなるまで、いや亡くなっても尚親子なのだ。
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自分の意志で繋がったわけでもなく、愛憎入り混じるのに縁は切れない魔法のような呪いのような人間関係である家族。著者のユーモラスな文体に思わず笑ってしまうが、同時に他所の家の光景なのだろうか?とも思えてくる。切れない縁だったはずの実家や両親がいなくなる日って誰にでも訪れるんだよな。
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内容(「BOOK」データベースより)
私が父について書こうと決めたのには、理由がある―。20年前に母を亡くし、気づけば父は80歳、娘は40代半ば。一時は絶縁寸前までいったけれど、いま父の人生を聞いておかなければ、一生後悔する。父と娘をやり直すのは、これが最後のチャンスかもしれない―。父への愛憎と家族の裏表を描く、普遍にして特別な物語。
だれだこれ?という所から興味を抱き、すましたぽっちゃりさんの容貌を見て、バラエティ系かと思いきやラジオMCだという。ふむふむ、どんなもんかのうと読んでみれば、家族というものにどっしりと向き合った名著でありました。
年老いた父親は傍若無人だった若かりし日の名残りを残しつつも、次第に物柔らかになり、それでも過去の遺恨は今でも残っている。勝手にしろと思いながらも甘やかしてしまう。
相反する感情を抱き、緩衝剤になっていた母の不在を埋めようとする歩み寄りの物語であります。かなりのもて男だったようで、いまだに女性の影がちらほら。そりゃ娘としてはざわざわ落ち着かないのも仕方が無いか。
抑制が効きながらも、感情の波が伝わってくるのがとてもいい。どっしりした雰囲気の中に分かりにくいユーモアがちりばめられているのも素敵。親と自分との関係を鑑みて色々考えさせられました。
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心地の良いテンポの文章
今の時代では見かけなくなった昭和なハチャメチャお父さん
反発しながらもお父さん大好き娘
3つが上手く噛み合って過酷な話も笑って読める
子供の時どんな風に育ったかが
その後の人生にかかわってくる
辛いこともいろいろ有ったかもしれないが
豊かに大切に人生の機微を教えてもらったのも確かである
ジェーン・スーはご両親のお陰で今がある
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ジェーンスーさんをテレビでお見かけして、とても魅力的な方だなぁと思っていました。図書館でたまたま目に留まって(購入せずにごめんなさい)読んでみました。おもしろい!!
大好きなお母様が亡くなられて、お父様とは別居されてはいるものの、月に一度のお母様のお墓参りに一緒に行かれることから、幼少からのいろんな辛い思い出が、憎しみが、一つ一つ『愛』(と言っていいのかな)変わっていくさまが、ご本人の素敵な描写で、時には感涙いたしました。これからますます深い父娘関係になっていくと確信しました。
また、ジェーンスーさんの語彙の豊富さに、『my vocabulary note pad』にもドンドン書き込みさせていただきました。いろいろと勉強になる1冊でした。
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気軽に読めたのは良かった。
ただ40歳過ぎた著者が今でもしっかり『娘・子供』で有り続けているのにはちょっと驚いた。
多分、子を持つ親なら自分と同じ違和感を持つ人が多いんじゃなかろうか。
著者には悪いけど、人は自分の子を持って初めて親の真の姿が見えてくると思う。
ちなみに批判ではありません。子を持ちたくても持てない人も世の中にはたくさん居るので・・・。
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同じ家族構成、スーさんとはほぼ同い年の身としては読まずにはいられなかった一冊。
幸いまだ両親ともに健在だけど、もしも母が先に旅立ってしまったら何かにつけてC調な父とどう対峙すればいいのか。
そんなばくぜんとした不安を先に辿ってもらったというか、ちょこっと予習できたような、なんとも不思議な読後感でした。
ただ「父」よりも「あの人」の存在感が、そんなに文字数を割かれていない割には大きく感じました。
家族ではない異分子が家族に及ぼす影響って想像よりもはるかに根深い。
その存在についてつとめて冷静に著そうとしているように感じたけれど、その受け止め方は人によって違いそう。
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親子の関係は難しい.それをさらりとユーモアとウイットに富んだ小説を読んでいるようなエッセイに仕上げている.二人の中で常に存在感を放っている母も偉大で,表紙の「父親とか」の下に母の好きだったカラーの絵があるのは「母親とか」ということなのだろうと思った.
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2019.01.02
母より父が長生きしたら、こういう日常が待っているのかな。彼女の父親とは比べ物にならないくらい地味な父だけど、私の知らない歴史がたくさんあるんだろうな。今はあまり、知りたいとは思わないけど…。
父や母が亡くなったら一体どうなるんだろう。母に先立たれたら…と思うと憂鬱で仕方ない。
母が亡くなったら私の父との関係はどうなるんだろかと考えさせられた一冊だった。