紙の本
読むと視野が広がる、素晴らしき良書です。
2022/10/30 15:31
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:広島の中日ファン - この投稿者のレビュー一覧を見る
人間はどうやって物事が見えるのかについて、非常に詳しく、かつ文章も分かりやすく、図解も駆使して説明した1冊です。
読み終えてみて、本当に物事の見方への視野が広がった感触を実感できました。購読して良かったと本気で思えた、最近刊行された新書の中でも、極めて素晴らしき良書と断言できます。
紙の本
新しい発想
2024/05/08 12:12
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:なつめ - この投稿者のレビュー一覧を見る
新しい発想を生み出すための方法が、わかりやすく解説されていてよかったです。具体にとらわれすぎないように、注意したいです。
紙の本
具体と抽象
2022/12/07 16:42
1人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:とめ - この投稿者のレビュー一覧を見る
見える世界の影響が大きいにもかかわらず見えない世界が見える世界を支配しているがごとき現代に警鐘を鳴らしている。ところで神は「無知の無知」の存在ですか?
投稿元:
レビューを見る
題名の通り、見えない世界(抽象世界)とは何かと、その見方が分かりやすく学べます。
とにかく考え方を考える一冊といった印象です。
いかにメタの視点を持てるかが重要だと感じました。
第4章では「抽象」について模式的に説明しており、とても分かりやすくおもしろかったです。
投稿元:
レビューを見る
VUCA時代を生き抜くため、抽象の力で視野を広げ、凝り固まった思考を解き放とう。『地頭力を鍛える』で知られる著者最新書下ろし
投稿元:
レビューを見る
具体・抽象という切り口で多くの著書を持つ筆者による、見えない世界の広がりと狭まる視野よって生じるコミュニケーションギャップのメカニズムを「具体と抽象」の概念で理解し、解消するために必要なことを教えてくれる1冊。
知識量と視野の広さは反比例するということを踏まえ、キーワードとなる「無知の知」を常に意識することで「抽象の目」を養っていきたいと思う。
投稿元:
レビューを見る
細谷さんの書籍は自分がいつも考えている行動の原理や感覚、指向性ととてもマッチしているように感じるがこの書籍も同じくだった。
抽象に対してメタ認知をすることは自分の可能性を広げたり、自分の能力を向上させたり、ありとあらゆるところで必要になるものだと改めて思う。
投稿元:
レビューを見る
期待しような内容ではなかった。「無知の知」を認識しようというのを、抽象・具体という道具立てでアプローチしているのだが、すっきりしない。
あと話が抽象化の効能により過ぎていると思うが、実際には抽象化と具体化を軽やかに行き来することが重要なのだと思うが、そのような視点は前著とかに書かれているのだろうか。
『「具体⇔抽象」トレーニング』を読んでたことをすっかり忘れていたな。
投稿元:
レビューを見る
今から7万年前に人類は認知革命を起こし虚構【抽象概念】を手に進化を遂げたらしい。抽象の産物がデータであるならデジタル化は太古の昔に確定していた事となる。
自然の息吹を感知せぬ世界…それは望んだものなのか。
投稿元:
レビューを見る
「具体⇄抽象」トレーニングとほぼ同内容。こちらが最新作なので、今から一冊買うならコレがいいのかも。同じ著者のものを買いすぎた。。
投稿元:
レビューを見る
見えてるものが全てだというのはそうではないかもしれない。人間の目に捉えられる光の幅は限定されているし、その先にその壁の向こうにもっと先にはなにがあってもおかしくない。抽象化とは線を引くこと。分ける線と関連付ける線。分ける時に名前をつけてラベリングしてるだけ。次元が0から無限まであるよって話。
投稿元:
レビューを見る
p12 デジタル技術は私達を便利な生活んいいざなうと同時に、すぐ先のことしか考えなくなるという形で、わたした地の視野を狭めつつあります。
もうひとつ事象の関係性という抽象概念をみにくくする
地図や時刻表、あるいは新聞では、各地点、各電車、各記事がどのように関連しつながっているか
p37 デジタル化によって私達の生活は、いつでもどこでもなんでもだれでもといういわばever化してしまった
p54 人は見えるものばかりを追いかける
p60 私達は見えるものつまり、いまあるものとか既に起こってしまったことに対しては簡単にコメントできるのですが、見えないものについて語るのは相当意識しないとできないのです
知識 見えるもの 思考 みえないもの
p64 スマホ+アプリがもたらした2つの視野狭窄
物理的、抽象的
p72 人間の見えるものに惑わされる性質
p73 見えるものは過去の投影 誰の目にも見え、正解があり不確実性がない
逆に未来は正解もなく不確実性が高い想像力や創造力の世界
p74 ベンチャー企業 未来を語る 伝統のある大企業 前例や過去の成功体験に生きる
p76 あるものからの発想 賢者の視点から物申すので賢そうにみえる 後出しジャンケン
ないものからの発想 常にまだ起こっていない未来に向けてリスクをとった発言をし、そして行動をおこす データもエビデンスもない
p86 言葉というのは同等のものをまとめて一つに扱うという抽象化の考え方と表裏一体
p104 抽象化とは2通りに線を引くこと(境界線をひく、関連付ける)
p117 動物はイマコココレの世界 つまり現在、現地、具体的な世界でしか生きられない。
p120 朝令暮改 実はその時点での最新情報に基づいて ベストの判断をすることだ かもしれない
p128 世の中を割り切ってどこかで二分することで、多くの事象をシンプルに当てはめることができるようになる反面、単純化による歪が生じてしまう
言葉というコミュニケーションツールによって、私達はf飛躍的に自分たちの考えを共有することになったわけですが、同時に同じ数だけの誤解も生み出すことになりました。所詮言葉というのは抽象化の産物なので、人によって解釈が異なるという抽象化の根本的な特徴をひきずることになるのです
p137 0次元 正誤、白黒、善悪、勝ち負け、敵味方 2値的
1次元 比較と優劣の世界観 数値的
N次元 複数の視点で多面的にみる 多値的
無限次元 常に柔軟に対象を観察する 無限の視点
p171
確証バイアス
生存者バイアス
サンクコスト
ハロー効果
ダニングクルーガー効果 できない人ほど自信満々でできると思っている
自己奉仕バイアス 自分の成功は自分の努力のたまものであるが、自分の失敗は他人や環境のせいであるというバイアス
非対称性のバイアス
他人のことは十把一絡げに一般化して考えるのに、自分は他人と違う特殊な存在だと思う
他人の言い訳はしょうもないと思うのに、じぶんはしゃあしゃあと同じような言い訳をする
私達は自分が特殊だと思うバイアスは強烈です。そしてさらに悪いことに、その痔核がないのが最大の問題点です。だからそれを他人から指摘されると、猛烈に反論したく成るのです
部分と全体のバイアス
p183 人は往々にして自分が見えている範囲が全体だと勝手に思い込み、それを無意識的に相手と同じ前提条件のもとに考えているのだと誤解してします
p185 要するに人間は、自分中心でしか物事を考えられないということ、そして自分のみているほんの一部分を全体だと思いこんでしまうことです
p196 私達は自分自身の専門家だから。自分自身のことは至近距離で見ているわけですから、ある意味視野が狭くなって当然といえます
p214 無知の無知の世界観
真ん中に既知、その外に既知の未知がある。そのそとに未知の未知があるが眼中になり
無知の知
既知があり、その外に既知の未知があり、その外に未知の未知があると気づいている
投稿元:
レビューを見る
ビジネス雑誌の書評を見て気になり読んでみた。
タイトルのキャッチーさと淡々とした中身にはギャップを感じたものの、抽象化・その思考法についてスムーズに理解できた。
図や具体例も多く使用されていてとっつきやすく、分かりやすい。
世界中の情報に簡単にアクセスできるようになり「世界は拡大」。一方、ネットニュースやYoutubeなどカスタマイズされた情報に触れることが増加。結果、視野が狭窄しているという。抽象度に関する視野狭窄化とは、関係性の理解喪失でもある。
時代が激変し、生成AIの汎用化など「知識力」のアドバンテージが薄れ、「思考力」の価値が高まっている。その思考力を可視化するのは難しく、実際に日本の教育現場でもその評価基準の設定に苦労している。発想の転換が必要。
特に印象に残っているのは、「抽象化とは”線を引くこと"」というフレーズ。大きく分けると、①区別と②関連付け。
この線引きにより、世界では多くの矛盾が生じ、それが戦争にも繋がっていると著者は例示している。
国家も線引きの一つ。それによって「味方」と「敵」を作り出している。つまり、抽象化という能力は人類を発展させてきた一方、ストレスや悩み、矛盾の根本原因にもなってしまっている。
面白い例として、抽象レベルのポリシーを明確にもった上司と、それを理解せず具体指示だけに触れ、「上司の命令がコロコロ変わる」と嘆く部下のコミュニケーションギャップというのが有った。確かに、部下が上司の「ポリシー」を知る機会は少ない。
実世界には多くの「グレー」が存在する。コロナや原子力エネルギーも、「安全か危険か」の0次的発想では前に進むことはできない。いずれもゼロリスクなど不可能。その発想から脱却する責務が、メディアにも政治家にも、そして国民一人ひとりにもある。それが国の思考力の豊かさに繋がると思う。
肌感覚として、この点は若い世代の方が優れているように感じる。
この本を読んで自分だけが抽象的思考力を高めても、世の中の問題は解決しない。むしろ、悩みやストレスの原因をより多く作ってしまうかもしれない。
それでも、この著者の「論理的思考力」系の本が多くベストセラーになっているということは、それだけ世界はより良い方向に進んでいるということ。
そう信じて、抽象化の思考力を自分は高めていきたい。日本の教育も、0次元、1次元を超えた学習の機会を増やしてほしい。
投稿元:
レビューを見る
新書だからかいつものキレがイマイチかな?でも具体と抽象に進化論的視点を絡めるのは新しいかもしれません。世の中のほとんどの人が0次元と1次元で生きててN次元と♾️次元には量ではなく質の違いがある。自分の次元を上げる方法は無知の知だとして、他人の次元を上げる方法はあるのか?天井はマジックミラーなので経験的にはないような気がするんだよな。。。そこが自分の限界であるように思う。
投稿元:
レビューを見る
●=引用
●全力で走っているプレーヤーBに対してパスを出す際、(略)当然のことながら、プレーヤーBにパスを送ろうと思えば、プレーヤーAはBの動きを「先に読んで」、いまBがいないどこかにパスを出す必要があります。このような「小学生にもわかること」が、実際に理解されていないように見えるのが実際の社会やビジネスの世界です。(略)「いま売れているもの」から直接的に発想する人がほとんどと言ってよいのではないでしょうか。(略)しかしながら、同じ発想を新規事業やイノベーションのように、長期的なスパンで考えるものに当てはめるには無理があることに気づいている人は、意外に少数派です。近距離に見えるものから判断することは、「過去のデータを論理的に分析して予想する」ことです。それは、過去と現在を反映するものではあっても、その後どうなるかはいくら過去のデータを分析したところで完全に予想することは不可能です。
●先の「言うことがコロコロ変わる」を例にとって説明しましょう。(略)ところがこのような「個別具体の話」には、必ずその「背景や意図」となることがあります。先に解説した手段と目的の関係を思い出してもらえばわかると思いますが、ここでの「個々の発言」とその「背景や意図」との関係は、まさに先の「手段と目的」の関係とほとんど同じ構図であると言ってもよいでしょう。例えば「言うことがコロコロ変わるように見える人」の仕事に対するポリシーが、「常にその時点での最新情報に基づいてベストの判断をすること」だったとしたらどうでしょう。まさにポリシー(という抽象度の高い方針)に1ミリのブレがないがゆえに、具体的な指示がコロコロ変わってくることになるのです。つまり、具体レベルと抽象レベルというのは矛盾することがあり、それがコミュニケーションギャップの根本的な発生理由になっているというわけです。
●人は往々にして自分が見えている範囲が全体だと勝手に思い込み、それを無意識的に相手と同じ前提条件のもとに考えているのだと誤解しています。これが部分を全体だと思ってしまうバイアスです。いかに頻繁に起こり、私たちの争いの根本的な要因になっているかがおわかりいただけたのではないかと思います。
●つまり、無知の知というのは、自分に対して客観的視点をもって気づきを得ているという状態です。(略)「見えないもの」を意識するために本書で目指すのは、まさにそのような人を見て批判したり笑ったりすることではなく(これがまさに「無知の無知」の状態なので)、ここから「人の振り見て我が振り直せ」と、自らの気づきに変えることで「無知の知」の境地にいたることです(このために、第6章でお話しした自分と他人の非対称バイアスを自覚する必要が出てきます)。
●そして第3の輪というのが「心の声」です。よく「潜在ニーズ」と言われるものがこれです。要は、顧客が口にして言っていないが、潜在的に思っていることです。新聞発のヒット商品や新たなイノベーションと言われるような製品というのは、このような潜在的な顧客ニーズに応えたものが多いのです。例えばスマ��トフォンが出てくる前の「ガラケーの時代」に「スマホが欲しい」と言った顧客はいないし、ポケモンGOが出てくる前にポケモンGOが欲しいと言った人はいないのです(これらの事例はまさに製品やサービスにおける新しい次元=変数を見出した例と言ってよいでしょう)。ところが、世の多くの人は第2の輪までしか見えていないために、顧客が直接口に出して言っていることやクレームに対応するだけという形で顧客の声に踊らされ、改善型の商品や「いまある変数の最適値」しか思いつかない人がほとんどなのです。ここでも「無知の知」を実践している人は、「実際には顧客が口にしていないが、『あったら便利だ』と思えるものが必ずその外側にあるはずだ」という認識を常に持っているために、目に見える(耳で聞こえる)顧客の声というのは顧客の要望の「ほんの一部である」ことがわかっているのです。
●ところが実際には、顧客になることを想定していなかった顧客というのだってありうるはずです。例えば女性用の化粧品を実は男性が買っているかもしれないとか、子供向けのやさしい解説書を実は大人が読むかもしれないといったことです。(略)そもそもこのような「顧客」は最初から想定することはできないのですが、それでも「想定外の顧客がいるかもしれない」と③の領域を頭に入れながら商品開発をしたり売上データを分析することで、新たなニーズをつかまえることが可能になるというのが「無知の知」的な発想です。
●正誤の価値観を使いたくなった時(自分は正しくて他の人は間違っていると言いたくなった時)は徹底的にその価値観を疑ってみること、そこに上位の次元への道が広がっているのではないかということです。
「遅いインターネット」、「メタ認知」参照。