広島の中日ファンさんのレビュー一覧
投稿者:広島の中日ファン

ケーキの切れない非行少年たち
2019/07/22 17:26
非行少年の思考回路を詳細に説明した1冊
28人中、25人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
重大な事件を起こして少年院に入った少年たちの思考回路がいかなるものかを、精神科医である著者が少年たちと面会した経験をもとに、著した1冊です。
こういう思考回路をした人間が世間に多々いる、それを如実に著しています。図がいくつか内蔵されていますが、いずれもショックを受ける内容です。
ぜひとも多くの方々に購読してほしい1冊です。視野が広まります。

変な家 1
2021/08/27 11:40
思わぬ展開に背筋が凍りました
14人中、11人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
ここで取り上げられている第一章については、動画を視聴して知っていました。
ですが、第二章以降は私が知らなかった話の続きが書かれており、上手くストーリーがつながっているのに驚きました。話の続きが知れたことに、購読して良かったと思います。
そして、第二章以降の話の展開が思わぬものだったので、読み進めて何度も背筋が凍りました。下手なホラー小説より数段優れたホラー作品だと思います。

スマホ脳
2021/01/07 14:46
医学と歴史も文中に取り入れています
12人中、11人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
スマホのみならず、精神科医である著者が医学について、そして人類の歴史についても文中に取り入れた1冊です。決して、著書の全てがスマホの話ではありません。また、スマホそのものをこの世から追放しよう!という話でもありません。極めて客観的に文章が書かれています。
巻末に、我々はスマホとどう付き合えばいいかの著者の結論が書かれています。ですが、できれば先に結論を読まず、ページの1ページから読み進めた上で、この結論を見てほしいです。そうすれば、理解が早まると思います。

未完の敗戦
2022/06/22 22:01
ここまで現代日本の思想について指摘するとは…感心しました。
10人中、10人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
「現代日本の思想は国民に優しくない。戦前時代となんら変わりない」という主張を、著者が様々な視点から指摘し、痛烈に批判している1冊です。
読み進めていって、よくぞ著者はここまで現代日本の思想の欠点を指摘するとは!と思いました。著者の主張のブレが極めて低く、感心しました。
今の与党政権を支持する側の方々にも、与党政権反対派の立場の著者の主張として、一度著書を読んでご覧になることをお勧めします。

貧乏国ニッポン ますます転落する国でどう生きるか
2020/06/11 05:29
現在の日本経済を一刀両断
10人中、9人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
現在の日本経済がいかに脆弱か、現代の日本人がどれだけ貧乏生活にあえいでいるか。それを著者が歯に衣着せぬ痛快な文章で著わした1冊です。
ですが、巻末には日本再浮上のコツ(著者の提案)を掲載しています。
途中、大学の経済学の授業で学ぶような内容が、教科書形式で丁寧に著されています。読む価値ありです。

一度読んだら絶対に忘れない日本史の教科書 公立高校教師YouTuberが書いた
2020/01/24 17:46
特に戦後の記述が詳しいです
10人中、9人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
姉妹版の「世界史」も重ねて読みました。2冊を比較して、パンチ力がある内容だったのは世界史の方と思います。
ですが、今回の日本史版は、特に最終章の「戦後の日本」の記述が詳しいのに感心しました。他にも、日本歴史上の面白いエピソードが満載で、気楽に読み進められました。年号が一切出ない日本史の記述が、これほど読みやすいとは、目からうろこが落ちました。
来年度の大学入試で、日本史を使おうと思う受験生に、最初に読んでほしい日本史の「参考書」です。

デジタル・ファシズム 日本の資産と主権が消える
2021/10/27 13:52
デジタル化社会の怖さを思い知りました
8人中、8人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
生活のあらゆるものをデジタル化した際、どんな怖い未来が待ち受けるかを的確に示した1冊です。著者の、特に主張したい項目に「だろうか?」と決まって著し、読者に問いかける文章で統一している点に感心しました。文章が上手いです。
私は特に、現金払いが主の日本社会がカード、スマホ決済に代わるデジタル化の怖さという項目に共感しました。

国民の底意地の悪さが、日本経済低迷の元凶
2022/03/13 14:04
「ごもっとも」ただただ納得・同意する内容です
6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
日本の経済がここ30年、低迷している理由。それは、日本人独特の考え方が大きい。という持論を著者がこれでもかと主張している1冊です。
勢いで言っている部分も見受けられますが、実際に読んでみると「ごもっとも」と思われる主張で、ただただ納得・同意する内容でした。
私は著者の主張は、ぜひ一度聞く価値が十分にあるものと思います。ぜひ多くの皆さん、日本人に読んでほしいと思います。
また、経済学の基礎も勉強し直せる1冊です。

たちどまって考える
2020/09/24 16:04
コロナ禍から、日本社会を斬る内容
6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
現在のコロナ禍を受けた上で、イタリアに関わる著者が、日本社会の生き辛さを「西洋民主主義」の視点から斬っている1冊です。
「こういうものの見方もあるのか」と思えることでしょう。日本社会で生きる多くの方々に読んでほしい1冊です。かなり考えさせられることでしょう。

「空気」を読んでも従わない 生き苦しさからラクになる
2019/07/22 16:55
日本独特の考え方への果敢な挑戦
6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
我が国独特の考え方、「空気」について著者が果敢に異論を提唱した、斬新で痛快な著書です。ぜひとも、多感な小中高生に読んでほしい1冊です。学校とは違うものの見方を会得できます。それはやがて、大人になってから役に立つでしょう。
やはり、日本はもっと海外を見ないといけないですね。私も勉強になりました。

「心の病」の脳科学 なぜ生じるのか、どうすれば治るのか
2023/04/25 14:44
精神病・発達障害の最新医療研究が分かる、盛り沢山の内容です。
5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
統合失調症・双極性障害・うつ病といった精神病や発達障害などの病気に対し、最新医学はどこまで研究が進んでいるかが、当書を読めば分かります。
多数の研究者による共著です。内容は極めて盛り沢山で、読み飽きません。値段に合った、濃い内容です。

感染症の日本史
2020/09/30 19:53
大変勉強になりました
5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
「感染症の世界史」は数多く刊行されていますが、「感染症の日本史」は初めて聞いたので、勉強のために購読しました。
読んでみて驚きました。ここまで詳細に、日本での感染症の歴史が分かっているとは、思いもしなかったです。知識が一気に増えました。感染症拡大を防ぐために、今でいう「ソーシャル・ディスタンス」などの策が取られていたなどのエピソードは、驚くとともに感心しました。
今後、我々が新型コロナウイルスとどう対処すればいいかについても言及しており、大変参考になりました。ぜひ、数多くの方々に読んでほしい1冊です。
ラストの第九章は、著者と著者の恩師に当たる方が取り組んでいる、学問について著者が熱く紹介しています。著者の経歴とその理由にも言及しています。

恐怖の正体 トラウマ・恐怖症からホラーまで
2023/11/13 21:50
医学的にではなく、小説引用で追求する内容に驚きました。
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
高所恐怖症や集合体恐怖など、様々な人間の恐怖症について、著者が追求していく内容の1冊です。
当書の最大の特徴は、著者は現役の医師ですが、決して医学的に恐怖症を説くのではなく、様々な恐怖に人が脅えるシーンの文章を引用して説明している点です。他にも、著者ご自身の様々な恐怖体験を余すことなく掲載し、大変人間味の溢れる内容になっています。「医師の書いた本だから」と構えずに、気を楽に読み進められる、およそ科学書とは違う書籍です。それにしても、著者は様々な小説をご存知だな、とその文学への博識ぶりに感心しました。

見えないものを見る「抽象の目」 「具体の谷」からの脱出
2022/10/30 15:31
読むと視野が広がる、素晴らしき良書です。
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
人間はどうやって物事が見えるのかについて、非常に詳しく、かつ文章も分かりやすく、図解も駆使して説明した1冊です。
読み終えてみて、本当に物事の見方への視野が広がった感触を実感できました。購読して良かったと本気で思えた、最近刊行された新書の中でも、極めて素晴らしき良書と断言できます。

国鉄 「日本最大の企業」の栄光と崩壊
2022/09/27 15:41
国鉄の話が盛りだくさんの内容で、大満足でした。
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
かつての国鉄に勤務し、分割民営化直後のJR九州の初代社長を務めた著者が、国鉄についてあらゆる方面から説明した1冊です。
400頁弱の分厚い紙幅で、本当に国鉄の話が盛りだくさんで、JRの前の日本の鉄道事情が分かり、鉄道ファンの一人として大満足の内容でした。
紙幅が厚いと前述しましたが、個人的にはかなりハイペースで読み切れました(私が好きな分野だったからでしょうが)。面白かったです。