電子書籍
おもしろそう
2022/01/27 07:05
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投稿者:おどおどさん - この投稿者のレビュー一覧を見る
と思って、手にしたが、女中の奮闘記みたいな感じで、でもそれを谷崎氏自ら書いているから、苦労させたな…みたいな自覚はあるのかな?
紙の本
女中さんバンザイ!
2023/07/29 17:47
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投稿者:にゃんぱり - この投稿者のレビュー一覧を見る
はじめからおわりまで、谷崎家で活躍した女中さんの話です。
いまや日本では絶滅してしまった女中さん。
この話の終りの昭和40年頃にはすでに募集しても集まらなくなっていたようです。
それにしても、谷崎家の女中さんは個性的な人ばかりで笑いがとまりません。
暑さに疲れた方はぜひ。
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特技はお料理、按摩、ゴリラの真似。曲者揃いの女たちが、文豪の家で元気にお仕事中! 珍騒動と笑いが止まらぬ女中さん列伝。〈挿絵〉山口晃〈解説〉松田青子
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前から本書が中公文庫に入っていたのは知っていたのだが、今般の改版の機会に購入、読んでみた。
晩年に近い作品だし、日常雑記的な題材を、ユーモアを混じえた平易な文章で書いているので、とても読みやすい。
昭和11年夏に千倉家に雇われた「初」から始まり、昭和37年の千倉磊吉(本書では谷崎のこと)、数えで喜寿の祝いをするまでの間の、同家で働いた女中たちの中から、忘れることのできない人物の姿、性格、働き方などが、様々なエピソードと共に紹介されていく。
日本がまだまだ貧しくて、特に田舎の学歴もない女性には女中奉公のような仕事しかなかった時代ではあるが、磊吉が忘れることのできない人たちと言うだけに、個性豊かな女中さんたちの仕事振りやいろいろな奮闘振りが印象的だ。
結婚して初めて一人前とされていた時代だけに、終盤は各人の見合いや恋愛の末の結婚から家族へという姿が描かれ、喜寿の祝いでの久方振りの再会という形で大団円を迎える。
あくまで磊吉たち使う側からの視点で描かれているので、使われる側がどのような気持ちで働いていたかは見えないし、時代的背景が今とはだいぶん違うから、笑ってばかりでは読めないかもしれない。でも、彼女たちのたくましさには、読んでいて気持ち良くなる。
今回、山口画伯の挿絵が相当な数挿入されている。谷崎により描かれた人物像と、画伯の絵を見比べながら読むことができるのも、贅沢な楽しみである。
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いゃあ〜谷崎の文章は、美しいな〜
まず読んでそう思いました。谷崎作品に共通するテーマとしては、フェチです。サド・マゾ・レズ等、様々なフェチシズムを流麗の如く美しい文章で表現する。さすが近代文学の奇才。
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図書館で。
母が熱海の出身なので、同級生が谷崎先生のお使いでケテルにパンを買いに行かされただの、お茶のお稽古が谷崎先生に蕎麦を所望されたので中止になった(お寺の住職だか大黒様の手打ち10割蕎麦を食べたいと言われたとか)なんて話を聞いたことがあり、あの当時の作家というのは随分と大事にされていたんだなぁと思ったことがあります。母の同級生は先生の秘書と言っていたそうですが、この本を読むと「女中さん」という括りだったんだろうな、雇用主としては。
読んだ感想としては、雇用主とは言え随分と言いたいこと言われてるなぁという感じです。きちんとした雇用条件も保証も無く、気に入らなければ暇を取らされるというのは雇われる方が圧倒的に不利なような気もします。人を使うというのは結構大変だとは思うので、雇用側も苦労はあるのかな、なんて思ったりもします。が、まぁやっぱり立場の弱いのは使用人側ですよね。いくら雇用主が「娘同様に」女中さんを使っていたと言っても娘では無いのだし、その辺りは読んでいて随分おごってるなぁと思いました。いや、他の家などよりはよい思いをさせてやっているという気持ちもあったのでしょうが、その考え自体が傲慢でもありますしねぇ。(そんな食べ歩きに連れまわされるより給金を上げてもらう方が嬉しいよなぁ、実際問題)
そういう時代だったんだろうなぁと思うのと同時に、女性が好きな仕事に就けるようになったのは本当に良い事だなと思いました。女性の最終的ゴールが結婚しかない時代って…今の時代に生まれてよかったなと思いました。しみじみ。
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巨匠のフェチな視点からの女中たち。個性派揃いの娘たちを見る作家の視点。
谷崎潤一郎の晩年の作。居を熱海に移す前後から雇った女中たちを丹念に描く。娘のように可愛がる視点なのだか、特に妙にエロチックなところはさすが巨匠。川端康成と谷崎についてはもっと若い頃から読んでいたらもっとハマっていたかも。
結婚が終着点、女性の幸せという所が現在の価値観とは異なるが、結婚後も幸せに暮らす女中たちの姿に安心のラスト。
挿絵も良い。
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初は「いけすかない爺さん」と主人に言い放ち、銀は大恋愛に猪突猛進、百合は昭和の大女優をもたじたじとさせ…。文豪の屋敷でのびのび働く女中さんを、愛情とユーモアを込めて描く。
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この作品、何で谷崎作品の中ではあんまり有名じゃないんだろう?と思うくらい面白かった。
次々女中さんの紹介をしていくだけの小説といったらそれまでだけど、ぐいぐい読まされちゃう。さすが文豪。
解説が松田青子さんなのも得した気分。
確かに、今の時代だと人権的にどうなの、みたいな描写もあるけども、出てくる女中さんたちが、出て行けと言われたらさっさと出て行くもののしれっと戻ってきたり、仕事をサボって恋愛沙汰で大騒ぎしたり、雇い主が作ってくれた俳句に文句を言って書き直させたり、とにかく自由でパワフルなものだから、私は気にならなかった。
『細雪』の雰囲気が好きな人は本書も好きだと思う。
逆に『細雪』に挑戦したいけど長いし…と思っている人にもおすすめ。
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登場する人たちが、それぞれ魅力的。特別な出来事が無くても、ひとの日常の話を聴いて楽しいのと似ている。
会話や描写がおもしろくて笑ってしまう。
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111108さんのレビューが読むきっかけになりました。ありがとうございました。
谷崎万華鏡で予習していたので、山口晃さんの挿絵が随所に散りばめられて登場人物のキャラの理解に役立つ。「編集部が抜粋し、再編成」とある。小説家の被り物が見慣れると違和感ないのは何故。
「家の中が派手で賑やかな方が好きな」千倉家一家と個性的な女中の皆さんとの戦前戦後の様子を生き生きと描かれている。女中さんたち、なんとまあしっかりしていること。
どの女中さんも愛嬌があってチャーミング。料理の場面は本当に美味しそう。百合の愛読書を『谷崎源氏』としているのには笑ってしまった。臙脂の着物を着た鈴の美しさやブルーのモヘアのカーディガンが似合っている銀。「私でなければ駒さんを理解できる人はいませんよ」樫村さんかっこよすぎ。頼吉さんとお気に入りの女中さんとの散歩や食事、足裏マッサージの様子などほっこりする。嫁入りやお里へ帰るなどで千倉家から卒業していくまでの女中達に翻弄される様子を一緒に楽しむことができる。
時々磊吉さんが読む歌がまた良い。
さつま潟とまりの浜に漁る日も伊豆のいでゆをわすれざらなん
さざなみの滋賀の海女こそかしこけれ捕へし魚を遂にはなさず
湯が原の春吟堂に客絶えずさくら咲く日もみかん実る日も
磊吉さんの喜寿祝いで幕を閉じることになるのだが、とても名残惜しい。1960年代映画化されたよう。出演者の豪華さにびっくり。
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谷崎はエッセイが本当におもしろい 「読者に一切苦痛を生じさせず文章を読ませる」技術がとにかく卓越してる
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初版は中央公論社、1963年。「夢の浮橋」が後の潺湲亭のオモテ側を美しく描いた作品とすれば、こちらはその舞台裏とも言うべき小説。大所帯だった谷崎家の暮らしを支えた女中さんたちの「活躍」が列伝風に書き込まれる。
ほんとうに久しぶりの再読だったが、谷崎が女中部屋を「鹿児島県人会」と呼ぶほど、鹿児島からの娘たちが次々とやってきていた、という話はやはり興味深い。高峰秀子の付き人の一人が谷崎家からの紹介だったことも記憶しておきたい。
後の潺湲亭は住宅としては決して大きいとは言えないものだったから、最大で7人の家族と5〜6人の女中さんがいたというからには、相当に賑やかな家だったのだろう。「なぜそんなエピソードを知っているのか?」と思わせるほど、微に入り細にわたって彼女たちの「生態」(?)が綴られるあたり、『細雪』の創作ノートにも通じる谷崎の観察力、耳の鋭さが存分に発揮されている。
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純文学の谷崎などと気構えず、気軽に読める、個性豊かで楽しい女中さん列伝。
山口晃さんによる挿し絵が楽しい。
特にウサギ耳の被り物をしている磊吉がクセになる可愛らしさ 笑
文豪千倉磊吉の屋敷で働く女中さんたちが主役。
姉御肌で、困っている同郷の娘を放っておけずに、次々と女中部屋に泊めてしまう初(はつ)。
「女中部屋と云いましても、せいぜい畳数四畳半くらいで、そこに多い時は七八人もの娘たちが鮪のように折り重なって寝るのですから、その騒ぎと云ったらありません。」
凄い様子だ 笑
彼女たちは鹿児島弁で話すから、方言も紹介されている。
鹿児島弁が分からないのをいいことに、初が磊吉に向かって
「いっけつんもなかじじっこ」(いけすかない爺さん)なんて言ったという話も。
こらこら、ご主人様に向かって 笑
梅(うめ)の癲癇を診察した医者が、電気パーマの熱が発症の原因だと診断するシーン。
そんな診断ってある??笑
しかも「最も完全な治療法は、早く結婚することである」だなんて。
時代だなぁ。。。
他にも、小夜(さよ)の気味悪さや節(せつ)との件に谷崎らしさ?がちょっぴり見え隠れしたり、最後まで飽きさせない。
これって、やっぱり谷崎家のことかな?
永観堂からそう遠くない所に越した…や、熱海の山王ホテルなど、谷崎家がモデルとなっているのは間違いなさそう。
小説の体をなした随筆なのかな。
愛情深い眼差しで女中さん達がのびのびと描かれていた。
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→「坊津と谷崎潤一郎」
https://blog.goo.ne.jp/mkdiechi/e/082486d52563f99b24073ca686dda4dc