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商品説明
家族をめぐり続発する問題−子育て、思春期の危機、晩婚・少子化、変化する夫婦関係、家族内のジェンダー・コンフリクト。「日本の家族を生きる」とは、どういうことか。「近代家族の終焉」が言われる現代の家族に迫る心理学。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
柏木 惠子
- 略歴
- 〈柏木惠子〉1932年千葉県生まれ。東京大学大学院人文科学研究科博士課程修了。現在、文京学院大学人間学部教授。東京女子大学名誉教授。著書に「こどもの発達・学習・社会化」など。
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紙の本
実は,ほっとする本なんです
2003/10/09 12:20
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:後藤健介 - この投稿者のレビュー一覧を見る
わたしが編集担当をした本に賛否両方の書評が寄せられたようで,どちらにも御礼をもうしあげます.
「実感」が正しい,ですか…….もうちょっとだけ想像力を働かせてみてください.たとえば,自分がいろんな理由で一人親の家庭の子であったり,親であったりしたとしたら.自分が,キャリアか子育てか,ぎりぎりのところで悩まなければいけない女性だったら.自分たちが子どものできづらい体質の夫婦だったら.等など.
これらの人びとは,実際に,しかも本当に多数,存在しています.そして「家族は本来こうあるべきなんだ」という,「正しい家族」のイメージ自体と自分の実像との間で苦しんでいる人が多いのです.
解決策は2つ.「正しい家族」に無理やり自分(たち)を合わせること.もうひとつは,自分の家族のありようを自分やそのパートナーとでとことん考えて,自分オリジナルの家族の絆をつくること.
この本は,別になにかの破壊をめざしているわけでは,ないんです.「破壊」という言葉がふさわしいほど,日本の伝統的家族像は,その社会経済的な後ろ盾を失って,もう現実には強固なものではなく,いたるところで綻んでいることをデータから冷静に読み取った上で,ならば,新しい家族を作る主体になろう,そのための社会のありようを考えようという,とても前向きな本なのです.
「正しい家族」のイメージが苦しい,という「実感」をもっている人は,多数います.この本は,そういう苦しみには,とてもほっとする本なんです.
ぜひご一読を!
紙の本
偶像破壊者の面目躍如
2003/07/04 12:20
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:みゆの父 - この投稿者のレビュー一覧を見る
厚いし、出版社は「大学出版会」だし、言葉遣いもカタいし、教科書みたいだし、とっつきにくいかもしれない(表紙は綺麗だけど)。でも、著者の柏木さんは、家族の問題については、筋金入りの偶像破壊者。その偶像破壊者が前著『子どもという価値』(中公新書)をさらにバージョンアップし、家族の様々な問題を心理学の視点から、あるいはまた心理学の様々な知見を「家族」という観点から、縦横無尽に論じつくす。
「やっぱり三歳までは母親が必要だ」とか「父親には規律を教え込む役割が適している」とか「非行少年の家庭には片親家庭が多い」とか「専業主婦は楽だ」とか、こういった「通説」を信じてたら即一読。辛抱強く読んでくうちに、理論的に、そしてデータ的に、自分が信じてた「通説」が「偶像」としてがらがら砕けおちる快感を味わうことができるのだ。
紙の本
結論先にありき、データはその為にそろえる
2003/08/17 23:01
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:塩津計 - この投稿者のレビュー一覧を見る
「やっぱり三歳までは母親が必要だ」
「父親には規律を教え込む役割が適している」
「非行少年の家庭には片親家庭が多い」
著者はこれらの「通説」を何とか「データ」で破壊し否定したい
「らしい」。しかし、これら人間が皮膚感覚で体感した直感ほど
正しいものはない。
「やっぱり三歳までは母親が必要だ」し、
「父親には規律を教え込む役割が適している」し、
「非行少年の家庭には片親家庭が多い」のは事実なのだ。
柏木のような「新しい家族像」を実践している進歩派の家庭に
「家庭崩壊」が多いことを渡部昇一先生は多くの著作に書いて
おられる。
そういえば、スポック博士の子育て理論なるもの(子どもが泣いても
あやすな、抱くな、ほっとけ、抱き癖がつくぞ)というのも
今やすっかりなりをひそめ、子どもはしっかりと抱いてやりなさい
という理論が今や主流となっている。子育て、家族に関する新理論ほど
怪しいものはない。そしてそれを鵜呑みにして人体実験して失敗しても
まさに「後悔、先に立たず」となってしまうのだ。ご用心、ご用心。
紙の本
出版社からのオススメ
2003/04/30 03:15
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:こや - この投稿者のレビュー一覧を見る
「家族の危機」設をこえて
〈主要目次〉
1部 家族とその起源・進化・発達
1章 家族とは?
2章 家族の起源・進化・発達
2部 家族の諸相
1章 結婚への態度と行動
2章 恋愛と配偶者選択
3章 結婚生活と夫婦関係
4章 親子の関係
【担当編集者から】
「専業主婦のお母さんが2,3人の子どもを健全に育てる(お父さんは会社)」という,改めて取り出してみればあまりに露骨なステレオタイプに,従来の心理学はとらわれすぎてきました.いま,日本の家族のかたちは10年をまたずに変化しています.晩婚化,少子化,離婚,パラサイト,介護など,多くの“問題”は,苦しみながらでも社会の必然に適応しようとする模索の姿でもあり,また一方で,法外婚カップルの前向きな姿,共同子育てネットワークの編成など,また別様の“家族”の可能性を伴ってもいます.この本は,心理学にとどまらず,いま日本の家族を論じるときに共有すべき新しい知見にあふれています.“家族”という言葉の意味が,読み手のなかでとても柔らかく変容する本です.